小説『とあるバカとテストと超電磁砲 文月学園物語』
作者:御坂 秀吉()

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バカとクラスと召喚戦争 〜それでも僕は、姫路さんを助けたいんだ!!〜



Fクラス教室にて

「「「雄二っ!」」」」
「うん?どうした明久と元輝と当麻。脱走か?チョキでシバくぞ。」
「話がある」
明久の真剣な顔を見て、坂本も真剣になる。
「……とりあえず聞こうか」

作戦ノートを広げて戦力分布を書き記す雄二。
突然戻ってきた三人に、いぶかしげに顔を向ける。

「根本君の着ている制服が欲しいんだ」
「……お前に何があったんだ?」
「バーカ」
「勘違いされるな、絶対」
「まぁいいだろう。勝利の暁にはそれくらいなんとかしてやろう。それだけか?」
「それともう1つ、姫路さんを前線から外して欲しい」
「理由は?」
「理由は言えない」
「どうしてもか?」
「うん」

明久とて、無茶を行っている事は理解していた。
瑞希はFクラスの最重要戦力であり、彼女が居るからこその作戦でここまで来た。
その彼女抜きでやることは自殺行為に等しいが、元輝がいる以上何とかなると考えていた。

「頼む、雄二!」
しかし普通、こんな頼みを受けられる訳などない。

「……条件がある」
「条件?」
「明久、元輝、当麻、お前達が姫路の担う予定だった役割を果たせ。どうやっても良いから、必ず成功させろ」

「わかった。絶対に成功させて見せる!」
「・・・で、その役割はなんだ?」
「良い返事だ。仕事は簡単だ、根本に攻撃をしかけろ」
「皆のフォローは?」
「ない。しかもBクラスの中は今の状態のままだ」

今現在、Bクラスの中は上条が近衛部隊を戦死させたことで、Fクラスの奴らが突入しているが、どちらも入り乱れての、乱戦状態。
そこを突破しての教室の奥、そこに根本が居る。

「お前ら、いいコンビでもある。元輝と当麻は能力者でもある。これだけの強力な助っ人がいるか?自分を信じろ。そして自分のすべきことをするんだ。」

そういうと、雄二は立ち上がり教室の外へ。

「・・・どこに?」
「Dクラスだ。例の指示を出してくる」
「僕にしか、出来ない……あっ!」

明久が、ふとある事を思い出した。
観察処分者である事の利点と、ある配置について。

「何か、策があったのか?」
「うん!上条くんは先に戻ってBクラスの壁側にいるやつらを頼む!元輝は超電磁砲でできるだけ人を減らして!」
「了解!じゃいくぜっ!!」
「……わかった。しっかりやれよ?」
「うん!」


作戦開始、3分前

「点数が危なくなったら下がるのじゃ!」

秀吉は指揮官として指示を飛ばす。
その立ち位置は英語教師のフィールド内。

「怯むな! ここをしのぎ切れば勝てるんだ!!」

Bクラスも負けていられない

ドォン! ドォン!

Dクラスの教室へと、明久が仲間数名と日本史の先生を連れて行ってから聞こえる轟音。
それが鳴り響く中で、秀吉は指揮官として奮起を続ける。

「元輝!」
「雄二! それに、須川!」

代表の雄二をはじめ、FFF団主要メンバーが合流。

「お前らいい加減諦めろよな。昨日から教室の出入り口に人が集まりやがって、暑苦しいことこの上ないっての」
「どうした? 軟弱なBクラス代表サマは、そろそろギブアップか?」
「はァ? ギブアップするのはそっちだろ?大濱クンは肝心のBクラスにはこないし、頼みの姫路さんも調子が悪そうだぜ?」

作戦決行が待ち遠しくてたまらない、上条は根本を睨みつける。
秀吉も同様で、姫路を汚い手で脅す方法を使われた以上、何としてでも勝ちたいと思っている。

ドォンッ! ドォンッ!

「お前ら相手に姫路を頼る必要なんてないさ。それに大濱も、周りの雑魚たちを排除することさえできれば十分だ」
「けっ! 口だけは達者だな。負け組代表さんよぉ……さっきからドンドンと、壁がうるせえな」
「人望ないな。余所のクラスから嫌がらせなんて」

音が大きくなっていき、時間もそろそろ作戦決行時間。
雄二に視線を向け、頷くのを確認すると元輝と当麻はBクラスへと歩を進め始める。

「何だ、大濱元輝ともあろうお方がどうした?」
「雑魚の排除には飽きたってとこかな」
「工藤新一に似てるからって調子のんじゃねぇ!まあ負ける瞬間を見にくれるのは、ありがていが」

ゲラゲラと笑う根元に一発ぶち込みたいと思う元輝だが、我慢。

福村君がこっそり来て雄二にアイコンタクトした。
それを確認した後、雄二は号令をあげた

「……体勢を立て直す! いったん下がるぞ!」
「どうした、散々フカしておきながら逃げるのか!」

元輝は英語の遠藤教諭を伴い、退散するように見せかける。

「だぁぁあぁぁあっっしゃあああああああああ!!!」

ドゴォっ!!!!

「ンなっ!」

と同時にみんなの目に入ったのは、明久の召喚獣がDとBの教室の壁をぶち抜く光景。
次には、根本の驚いた声。

現在向こうの戦力の大半は、雄二率いるFクラス本隊を追って、教室から出払っている。
その為、代表の防備は薄い。

「くたばれ、根本恭二ィーー!」

明久をはじめ、美波達Fクラス遊撃隊は根元を打ち取るべく、駆け出す。
だが根本親衛部隊に阻まれ、足をとめた。

「は、ははっ! 驚かせやがって! 残念だったな! お前らの奇襲は失敗だ!」
「バカだな。どうして外からわざわざ俺が入ってきたかわからないのか?」

そこへ割り込んできたのは、遠藤教諭を伴う元輝。
明久達は先程壁を破壊する為に立ち合わせた日本史の先生を伴い、元輝達から離れる。

「なんだ? おまえ1人で親衛部隊とやりあう気か?」
「ああ。Fクラス大濱元輝、Bクラス親衛部隊全員に英語勝負を申し込む。試獣召喚!」

元輝の掛け声と同時に現れる召喚獣。
その召喚獣を見て、皆は驚くも……。

「たかが工藤新一ごときで、これだけの人数相手に勝てるか!」
「たかが? ……その言葉、後悔させてやる!!」

『Fクラス 大濱元輝 英語543点』
  VS
『Bクラス 親衛部隊 英語平均223点』

「点数は関係ねえ、親衛部隊全員で大濱を打ち取れ!」
「「「代表やつは・・・」」」

元輝の召喚獣がコインを投げ、構えにはいった。
「ま、まさか、坂本じゃなくて・・・」

「散りゆけ!Bクラス!!これが俺の超電磁砲だ!!」

元輝の召喚獣の腕輪が輝く。
それと同時に……

「え?」

一瞬の光がすべてを包み込んだ。しかしこれは光ではない。電撃だ。
音速の約3倍で飛ばすコインには銃弾以上の威力があるのだ。

その破壊力はBクラスで防げる訳もなく、爆煙が晴れる頃には親衛部隊の召喚獣は影も形もなくなっていた。

「うっ、ウソだろ!?親衛部隊が、たった一撃で消し飛んだ……?」
「さあ、覚悟を決めてもらおうか、根本恭二!!」
「うっ、うわああっ!」

ダンっ! ダンっ!

エアコンが停止した故に、涼を求める為に開け放たれた窓。
そこから2人の人影が飛び込み、逃げようとした根本の前へと立ちはだかる。

「え?」

入ってきた人影は、ムッツリーニと体育の教師。
屋上からロープを伝って侵入してきたムッツリーニは、根本恭二へと歩を進める。

「悪いが、ここは譲って貰うぜ、土屋?」
「…………(コクリ)」

根本はもはや完璧に逃げ場を失った。

「Fクラス上条当麻、Bクラス根本恭二に英語勝負を申し込む」

『Fクラス 上条当麻 英語21点』
  VS
『Bクラス 根本恭二 英語201点』

「ふっ、最後は何が来るかと思いきや、とびっきりの最弱をどうもありがとう」

「バカだな。俺の最弱はちっとばかし響くぞ。」

「はっ、何を?」

「お前ぇの腐りきった幻想をぶち殺すぅ!!!」

召喚獣と一緒に根本の顔面を殴り飛ばした。触れた瞬間300点のダメージを受けたので、根本は戦死の瞬間に殴り飛ばされたんだろ。

召喚獣だけでなく、根本自身もふっとばされて、気を失った。



今ここに、Bクラス戦はFクラスの勝利をもって、終結した。








終戦後のBクラスにて。

「明久よ、随分と思い切った行動に出たのう」
「うぅ……痛いよう、痛いよう……」
「大丈夫か?」

痛みのフィードバックで、両手を抑えて呻いている明久。
召喚獣でやったとは言え、鉄筋コンクリートを壊したフィードバックは、相当なもの。

「ま、でもお前らしい作戦だな」
「で、でしょ? もっと褒めても良いと思うよ?」
「後の事を考えず自分の立場を追い詰める、男気溢れる素晴らしい作戦じゃな」
「……遠まわしにバカって言ってない?」

明久の作戦は当然問題にならない訳もなく、放課後は職員室で過ごす事が決定。
初犯でなければ、留年や退学も大いにありうる事である。

「ま、それが明久の強みだからな」

そこへ雄二が歩み寄って、明久の肩をバンバンと叩く。
明久の方は、バカが強みと言われ多少ショックを受けていたが……。

「さて、それじゃ嬉し恥ずかし戦後対談と行くか。な、負け組代表?」
「では腐りきった幻想をお持ちの根本君?覚悟は良いかな?」
「……」

雄二と元輝の視線の先には、先ほどまでの強気がウソの様に大人しくなった根本が床に座り込んでいる。
それを見る明久は、実に楽しそうだった。

「本来なら設備を明け渡して貰い、お前らには素敵な卓袱台をプレゼントする所だが、特別に免除してやらんでもない」

雄二の発言に対して、周囲が騒ぎ始める。
Fクラスは当然として、敵側の面々も。

「落ち着け皆。前にも言ったが、俺達の目標はAクラスだ。ここがゴールじゃない」
「ここはあくまで通過点でしかない……そういう事だろ? 代表」
「ああ。だから、Bクラスが条件を呑めば解放してやろうと思っている」

上条の補足も合わさり、Fクラスの面々は雄二の性格を理解し始め、納得した表情となった。
Bクラスも3ヶ月間ボロボロの教室に縛られる可能性からの脱却ともあり、雄二に視線が集まる。

「……条件はなんだ?」
「条件? それはお前だよ、負け組代表さん」
「俺、だと?」
「ああ。お前には散々好き勝手やって貰ったし、正直去年から目ざわりだったんだよな」

と、普通に聞けば雄二の言葉は酷い言い様だが、彼はそれだけの事をやってきた。
その証拠にFクラスどころか、Bクラスの面々も誰1人としてフォローしようとしない。

「そこで、取引だ。Aクラスに行って、試召戦争の準備が出来てると宣言して来い。そうすれば今回は設備については見逃してやっても良い。ただし、宣戦布告はするな。すると戦争が避けられないから、あくまで戦争の意思と準備があるとだけ伝えるんだ」
「……それだけでいいのか?」

訝しげに尋ねる根本に、元輝は冷たく言い放つ。

「ああ……だが残念な事に、お前にはさっき最悪の罵倒をされたんで、それ相応の罰を受けてもらう」
「そういう事だから、Bクラスがコレを着て先程言った通りの行動をしてくれたら、見逃そう」

そう言って雄二が取り出したのは、秀吉の変装の為に用意しておいた女子制服。
雄二の方も、どこか楽しそうにしていた。

「ば、バカな事を言うな!この俺が、そんなふざけた事を!」
「わかった、Fクラス代表。Bクラス生徒全員で、必ず実行させよう!」
「任せて!必ずやらせるから!」
「それだけで教室を守れるなら、やらない手はないな!」

慌てふためいていた根本だが、その面々の同調にさらに慌てふためき始める。

「やっぱり随分と評判が悪いな、お前は」
「んじゃ、決定だな」
「くっ! よ、よるな変態ぐふぅっ!!」

逃げようとした根本だが、Bクラスの面々が取り押さえ腹部に一撃。

「とりあえず、黙らせました」
「お、おう。ありがとう」
「手間が省けた。明久、早速着付けに入ろう」

変わり身の早さに、雄二もあっけにとられた。
が、明久は早速着付けに移り始める。

「……男の服を脱がすって、思った以上に苦痛だな」
「うん……けど、これも目的のため」

2人してゲンナリとしつつ、服を脱がしていく。
まあ男が男の服を、それもクズ相手なのだから無理もない。

「うっ、うう……」
「ん? 明久、ちょっと離れろ」
「うん」

うめき声を上げる根本から明久を離し、元輝は懐からスタンガンを取り出す。

「寝てろ」
「がふぅっ!!」

最大出力(50万ボルト)のスタンガンを当てて一発。

「・・・ねぇ、なんでスタンガンなんて持ってるの?」
「怪盗キッドに不可能はないんだよ明久君」

根本の服をすべて脱がしたうえで、元輝と明久は女子制服をあてがう。

「うーん……これどうやって着せるんだろ?」
「その前に、順序はどうなんだ?」

だが男子制服と勝手も違う為、全然わからず難航し始める。

「私がやってあげるよ」
「そう? じゃあ折角だし、可愛くしてあげて」

Bの女子相手に、明久はそう提案するも……。

「それは無理、土台が腐ってるから」

だが否定する様に手を振って、笑顔でそう言い放った。

「酷い言い様だな……それじゃ明久、さっさと根本の制服捨ててから手を消毒するぞ」
「雄二、そっちの方が酷いよ……じゃあ、よろしくね」
「そうだ、これ消毒液だ。着替えさせたら使うといい」
「ありがとう」

消毒液を渡した後、2人してBクラスを後に。
それから明久が根本の制服を探り、ある封筒を取り出した。

「あったあった」

嬉しそうに封筒をポケットに入れて、用がすんだ制服は近くにあったゴミ箱へ。
彼は家まで女子制服の着心地を楽しむ事になるだろう。

そして2人は、手の洗浄および消毒を行った後Fクラスへ。

「それじゃ俺は帰るから」
「うん!じゃあ新一!また明日」
「だから新一じゃな・・・行っちゃった」

明久は瑞希の卓袱台と駈けだしていった。
Fクラスを出て少し後に、瑞希が教室に入っていく姿を見つけた元輝はにやりと笑みをうかべる。

「さて、明日の報告が楽しみだな」
「まあ明久じゃから、あまり期待は出来んじゃろうがな?」
「ん? ああ、秀吉か」

ふと横を見ると、秀吉の姿が。

「でもある意味、面白くはあるだろ? 実は雄二ではなく自分だった……って後で知ったら」
「確かに面白そうじゃな。さて、帰るとしようかの?」
「ああ」



「こっ、この服、やけにスカートが短いぞ!?」

ふと、聞こえて来た叫び声。
見てみると、そこには女子制服を纏い髪にリボンを付けた、根本氏の姿が。

「はっ、吐きそうじゃ……」
「ああっ。提案しといてなんだが、おぞましい」
「きっ、貴様は大濱!よくも俺にこんな事を!!」

第一印象を言い合ってると根本が気付いて突っかかろうとするが、
付き添い2名に取り押さえられる。

「すまないな、根本。元サッカー部はそういうのすきなんだよ☆」


「さて、根本、これから撮影会があるから急がないといけないんだが」
「きっ聞いてないぞ、坂本!?」
「それはそれは。写真が出来たら送ってくれ、2度と舐めたマネをしない様しっかり管理するから」

付き添いの2人が笑顔で頷く傍らで、根本は忌々しげに久遠を睨みつける。

「大濱元輝、この恨みは必ず返してやる!」
「無駄口をたたくな!! ほら、キリキリ歩け!」
「くっ……覚えていろ、絶対にこの事を後悔させてやる!!」

と、見事にお決まりの台詞を残して、去って行った。

「さて、帰るか?」
「うむっ……ところで元輝よ、しばらく家に泊めてもらえんかの?」
「え? 何で?」
「……今朝の事じゃ。あれが姉上にばれたら、ワシは車椅子か寝たきりにされてしまうのじゃ」

ふと、秀吉が優子になりすまし、Cクラス相手に散々罵倒した事を思い出す元輝。
あれが優子にばれたら……

「……すまない、命は捨てたくない。」
「何を言うのじゃ元輝!これはFクラスの作戦であるから、お主も同罪じゃ!」
「だったらお前も悪のりするなよ!」
「頼む元輝、ワシを見捨てんでくれ!」

涙目で上目使いに懇願する秀吉に、一瞬見とれてしまい何も言えなくなる元輝。

「……わかったよ。じゃあ早速優子に会う前に」
「アタシがどうかしたの?」
「「ぎゃあっ!!」」

突然割り込んできた声に、2人は心臓を鷲掴みされるかのように驚いた。
話題の中心人物である優子その人である。

「しっ心臓が……止まるかと思った、ぞい」
「優子……ど、どうした?」
「? なんだかよくわからないけど、ごめん」

その様子を見て、まだCクラスからの宣戦布告はないらしい。
そう安著し、深呼吸。

「いや、僕も悪かった」
「そう。それじゃ一緒に帰りましょ?」
「うん?一緒に?」
「あんた達2人で居ると誤解されるから。3人一緒の方がわかりやすいのよ」

元輝は優子と秀吉、両方と話す機会が多いが、大半が優子のみと誤認してるものだった。

「ま、いいんじゃないの?」

「な、なに言ってるのよ!?」

多少動揺している優子を伴い、靴箱へ。

「で、Bクラス戦はどうだったの?」
「勝ったけど、どうかしたか?」
「……設備の入れ替えは?」
「さあ?」

優子の質問を、とぼけたふりをして答える元輝。

「……もしかして坂本君は、Aクラスが狙いなのかしら?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。でも戦争は勝算があるからこそ仕掛けるものだろ?」
「そうだけど……じゃあ、大丈夫かしらね?」

Aクラス代表にして学年首席、霧島翔子。
彼女に太刀打ちできるのは、Fクラスにおいては姫路瑞希くらい。
まあ、俺も大丈夫だけど・・・まだトップとは言ってない。

しかしそれ以前に、Aクラスの戦力は当然Bクラス以上。
ハッキリ言って、雲の上の存在。

「まあ出来れば、静かにして貰いたいわね。Cクラスも殺気立ってる様だし」
「……そうだな。そうしたいところだな」
「……そうじゃの」
「?」

Cクラスという単語を聞いた時点で、2人は狼狽し始めた。
が、何の事かわからず、その場は適当にごまかされる。

「そうじゃ姉上、しばらくじゃが友人の家に泊まる事にしたぞい」
「そう? ……なんか怪しいわね?」




その次の日。

「……優子、どういう事か理由を説明して」
「そっそれは、アタシにもどういう事かさっぱり……まさか!」

Cクラスからの宣戦布告で、優子はその理由を知ることとなった。

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