小説『問題児+転生者たちが異世界から来るそうですよ?』
作者:沈黙の道化師()

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残雪が溶け桜の花が咲き始める季節。卒業の季節。皆それぞれ色々な思いを胸に卒業していく。そんな季節で卒業をしたばかりの子が此処にも一人。

「ん〜〜!・・・っはぁ。疲れた〜・・・」

白い髪をポニーテールに結っている彼は軽く伸びをし肩を回す。彼の目の前にはパンパンになったリュックがあり、その周りにはクマの人形やらけん玉やらと色々と散らかっている。

「ふ〜・・・。よし、じゃぁ行こうかな〜」

彼はそのリュックを軽々と背負い家を後にした瞬間、急に突風が彼を襲った。彼は思わず腕で顔を覆い目を瞑った。風が収まり目を開けると目の前に手紙が落ちていた。しかもその手紙には自分の名前が書いてあった。

「え?何処から・・・!?ってかなんで俺の名前が・・・!?」

驚きと困惑で混乱するが、取りあえず拾い上げてみる。その手紙には見た事のない封蝋がされていた。彼は好奇心と不安が8:2くらいの気持ちで封を切り中の手紙に目を通す。その内容とは



『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能(ギフト)を試す事を望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて、我らの"箱庭"に来られたし』


何これ?と思う暇もなく読み終えた瞬間光に包まれ、目を開けると数千メートル上空に投げ出されていた。落下中に見えた光景はとても信じられないようなものだった。

視線の先に広がる地平線は、まるで世界の果ての様な断崖絶壁。

眼下にはとてつもなく巨大な天幕に覆われた都市の様な物。

まさにこの世の物とは思えない光景。完全無欠な異世界の光景だった。 

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問題児たちが異世界から来るそうですよ?乙 1 (ドラゴンコミックスエイジ)
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