小説『繰り返し一粒』
作者:氷菓()

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茱萸が...?

『私はそんな事せがんでませんッ!』
「嘘を言わないでッ!」
振り上げられた手が私の頬を赤く染めた。

何で?
私のせいなの?

私はただ...純粋に海斗を愛していただけなのに..
なんでこんなにまで言われなきゃならないの?

あぁ........
苦しい。もう、涙なんて出てこないよ。

「何してんだよッッ!?」

男の子の声が聴こえて....
私の意識は遠ざかった。

「未来、未来っっ....」

凛の声だ。
私を呼んでる。

目を覚まさなきゃ...

『凛....?』
「良かったぁ....心配したんだよ!」

私は、ありがとう。ごめんね。
この一言が言えなかった。
本当に心配してるの?嘘なんじゃないの?
信用できるの?

綺麗な言葉も汚して見てしまうんだ。

-10-
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