小説『ハイスクールD×D〜KING OF BLOOD FIELD〜』
作者:曼陀羅悪鬼丸()

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まえがき
 今回は雑談回みたいな感じです。

†††


 親友である幼馴染みがまるで何か変わったら、皆さんはどうするだろうか?


第1話「イッセーとミソラ」


「ん?」

 教室に入ると、御空は妙な気配を感じた。

 人間のものでない、禍々しく感じる気配。

「(これは……)」

 悪魔の気配。
 御空は本来、自身の悪魔の気配を隠しているが、この気配の主は隠そうとしていない。


――いや、隠せないのか?


 感じた気配は微量で弱いもの。
 御空は気配の発生源へ目を向ける。

「(っ! イッセーッ!?)」

 そこにいたのは親友であり幼馴染みであるイッセーこと兵藤一誠。
 そのイッセーから悪魔の気配を微量ながら感じた。

「…………」

 そのことに疑問を感じながらイッセーに歩み寄る。
 そのイッセーは二人の友人に何か話している。

「よう、イッセー」

「お!御空!!」

 御空を見ると何やら希望を見つけたように嬉々とした表情をするイッセー。
 話していた二人も御空を見る。

「あ、よう御空」

「よう」

 御空に挨拶したのは松田と元浜。イッセーを合わせた三人でエロ三人組と称される者たちだ。

「な、なぁ! 御空!お前は覚えてるよな!?夕麻ちゃんのこと、覚えてるよな!?」

「あ? 夕麻ちゃん?」

 イッセーの言葉に眉をしかめる御空。頭の中にある記憶を掻き分け、その単語から記憶を導き出す。


――……いた、何かいた。雰囲気の気に喰わねぇ女がいた。……確かイッセーの近くにいたよな……ソイツか?

「……まぁ、何となく」

「な!!ほらな!! 覚えてる奴がいたろ!?」

 と、イッセーは松田と元浜の二人に言う。

「いやでもなぁ……」

「おれら覚えてねぇもんなぁ……」

 しかし、二人は納得していないようだった。

 御空がどういうことなのか聞くと、イッセーが自分の彼女であったという、その夕麻という女のことを誰も覚えていないというのだ。

――まぁ、俺も曖昧だし。

『(ミソラ、それは貴方が他人に余り興味を持たないからだと思う……)』

「(うるせぇ)」

 御空とヴラディーナが体内会話をしていると、イッセーたちが机にAVなるDVDを広げていた。どうやら鑑賞会をするらしい。

「おい、お前ら。学校にんなもん持ってくんなよ」

 周りの女子が悲鳴あげてんぞ、と御空。

松田「うるせー!!顔のいい奴におれらの気持ちがわかんのか!?」

元浜「そーだそーだ!!お前なんかに見せねぇぞ!?」

一誠「バーカバーカッ!!」

「……お前らなぁ」

 一気に敵視された御空。幼馴染みのイッセーにまでもである。

『……ミソラ、見ちゃダメ』

「(分かってるよ)」

『……私が、淫夢でエロイことしてあげるから……///(ポッ)』

「(しなくていーわっ!!)」

 と、また御空とヴラディーナが体内会話をしていると、周りから歓声とざわめきが聞こえた。

「何だ?」

 廊下の方を見てみると、一人の女子生徒が歩いていた。

 その女子生徒を色で例えるならば、真紅。それは彼女の特徴である紅色の髪。
 その紅色の髪はまるで火のような、彼女自身の情熱を表しているようだった。

「……あれは確か……」

 御空は記憶の中からあの女子生徒が誰なのか探っていた。そして誰なのかを思い出す。


 リアス・グレモリー。
 この駒王学園の二大お姉様と呼ばれる二人のうちの一人だ。

「…………」

 御空は静かにリアスの様子を窺っていた。

 するとリアスはイッセーに目を向け、クスリッ、と微笑んだ。

「……っ?」

「……っ!?」

 御空は妙な雰囲気を感じ取った。イッセーの方を見ると、イッセーも何か感じたようで額に汗を流しながら、表情が固まっていた。

「…………」

『……ミソラ』

「……(あぁ、ディーナ。これは何か、あるかもな……)」

 御空はそのことに、どこか期待を覚え、密かに笑った。

 その鋭い牙を煌めかせ……。




-3-
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