小説『東方薬師見聞録』
作者:五月雨亭草餅()

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「まだあの人間は目を覚まさないの?ンプッ」
「ああ、しかしなぁ・・・・・・・・。ゴクッゴクッゴクッ、何で人間なんか助けたんだ?」
「ぷふぁー、さあなぁ・・・・・・・。なんかあいつは他の人間と違う気がしたんだ」
「なるほどな。にしてもングッングッ、目覚めるのが遅すぎないか?あの日からもう一週間は経つだろう?」
「いや、今日で10日目、ふぅ」




さっきから意識がだんだんと戻ってきた。
だけどまだ、目を開くことができない。
んで、どうやら頭の方に居る奴らの話を聞いていると、もう10日も経ったんだとか・・・・・・。
俺良く寝てたなぁ、そんなに。
それに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、『俺は生きている』。
まあ、話を聞いている限りの感じからすると、この人たちに助けられたみたいだが。この人たち以外にも、あちらこちらでドタバタと走ったりする音が聞こえてきている。
別の集落の人間に助けられたのかって思ったが、どうやら違うようだ。
妖怪かなんかだろう。妙に酒臭いから鬼か?
どうやら俺を食べるつもりではないようだし、もう少しゆっくりさせてもらうか・・・・・・・・・。
俺の意識は、ものの数秒もかからずに再び深き暗闇へと吸い込まれていった。



「さっきほんの少しの間だったけど意識が戻っていったな」
「ええっ!?なんでその時に教えてくれないの、葉華(ようか)ぁ」
葉華と呼ばれた二つの角が生えた少女は眉をひそめると、自らの正面に居る少女におまえなぁ、といってからじぶんの考えていることを伝える。
「美月(みつき)、おまえは目が覚めたばかりのこいつに酒飲ませる気だっただろ」
「何か悪いの?」
美月と呼ばれた角が一本の少女は、何がおかしいの、と表情(かお)に書きながら首をかしげる。そんな様子を見て葉華が額を抑えても、自分のどこが悪いのかを自覚していないようだった。
「こいつは私たちみたいな『鬼』という種族じゃないんだぞ。病み上がりに酒なんて無理だ」
「ええーー、そんなぁ」
「四天王なんだから少しは知恵をつけろ」
「知恵が無くても勝てるもん」
ほぉ、と葉華は小さく口に出すと、顔にどこか悪戯が好きな子供のような表情を浮かべながら、美月を見る。それと同時に彼女の手は何やら怪しい動きになり・・・・、葉華は美月へ飛びかかり、押し倒した。
葉華の手は美月の衣をはぎ取り、彼女の素肌に触れる。
「ひゃっ、や、やめっ」
美月は抜け出そうともがくが、葉華はいっさい動かず抜け出すことができない。
葉華の指は、美月の素肌を舐めまわすように素早く蹂躙する。しかし、急に速度を変えたり、触り方を変えたりと、多彩に動き方を変えていた。
「ひゃんっ」
美月は顔を真っ赤にしながらなおも抜け出そうと暴れていたが、葉華がわざと耳に温かい吐息を当てると、その動きも止まってしまう。抵抗がなくなり、蹂躙しやすくなった素肌をさらに多種多様な動きで指が蹂躙し・・・・・・・・。美月が限界を迎える。
「あ、いや・・・、やめ。ぷ、ふふ、あ、あははははははははははははははははは」
「ほらみろ、私に勝てんではないか」
ようやく葉華のくすぐりは終わったのであった。

-5-
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