学園テロ編 鈍感
地下街
―――ゴキィ!!
携帯のデジカメモードで証明写真を済ませようとしたのだが、何の前触れもなく<空間移動>で現れたお姉様命白井黒子のドロップキックカットにより、写ったのはツーショットではなく、当麻のツンツン頭と吃驚した美琴と黒子のパンツという極限のスリーショットとなってしまい、台無しになった。
その後、黒子は牽制するかのようにこちらを一瞥。
その視線は殺気めいたものを感じさせ、良く見ると手には金属矢が。
「い、一体何が!? しかもこれって大切なものなんじゃねーの!?」
戸惑いながらも当麻は命の危険を感じ、じりじりと摺り足で後退。
対する黒子は、白の手袋代わりに<風紀委員>の腕章をビシッ! と投げつけてやる。
ここ最近、黒子は寝不足に悩まされていた。
それは愛しのお姉様が恋する少女のようにふかふか枕をどこかの誰かに代用しながら両手でぎゅっと抱きしめ、『……んふふ……。罰ゲームなんだから、何でも言う事聞かなくちゃいけないんだからねー』とか『……まずは何をしてもらおうかなー……むにゃ』何だかとんでもなく幸せそうな笑顔と共に、可愛らしい寝言が飛び出したり……
北イタリアへ旅行にいった愛しの大お姉様にあの噂、『禁断の逃避行』の真偽を確かめようと旅の話を聞いてみると頬を意味深に桜色に染めつつ、『詳しくはあまり言えませんが、ここでは経験できない事がたくさんできて楽しかったですよ、ふふふ』と少女から女になったように見える一段と余裕のある微笑でかわされてしまったり……
と、それら発言の意味を、人間が生きていくのに必要な睡眠時間を犠牲にしてまで黒子なりに解釈した結果、『お姉様と大お姉様の義姉妹丼とはなんとうらやまけしからんですわ!!』となり、さらに夏休みに『詩歌と付き合いたかったら俺を倒してからにしろ! 俺より弱い奴に詩歌は任せられねぇ!』と言っていたので、上条当麻は、白井黒子の野望、百合百合三義姉妹ハーレムの宿敵であると認定、大認定。
でも、黒子にも一応は自制心というものがあり、また、先程の目から鱗が落ちるようなお姉様への忠誠の態度から、もしかすると奴隷? 宿敵ではなく同士? ともしかすると寝不足で頭のネジが2、3本飛んでいってしまっているのか、とりあえず平和的な『共存』の道を模索しようかと考えていたのだが、あのツーショットを目撃。
「(お姉様と大お姉様両方に毒牙にかけようとは)もう我慢なりません! わたくしと決闘ですの!」
ドーーンッ!! と宣戦布告。
カッとなってやってしまったが後悔はしていない。
ちょっと目を離した隙に何をしようとしていたんだこの愚兄は!
やはり、『共存』はありえないのだ!
勝つか負けるか、オールインベット!
「お姉様はそこで立ち会って頂ければ結構ですわ!」
「はぁっ!? 何勘違いしてんのよ黒子! 私はただゲコ太ストラップが欲しいからペア契約を頼んだだけで!!」
「お姉様! わたくしが勝ったら、わたくしと2人でペアになってくださいまし! そうすれば何の問題もありませんの!」
黒子ワールド全開でスーパーハイに陥っている後輩に、美琴はちょっと表情を引き攣らせ、その状況は良く分からないまま得体の知れない情念に押されていた当麻はそこで、おっと事態の解決法に気付いたように、
「え? それでオッケーなら、俺はもう帰っちゃって良い?」
「何で逃げようとしてんのよアンタはーっ!! つーか、男女のペアじゃなきゃ駄目だっつったでしょーがっ!!」
素の疑問がトリガーとなり、美琴の精一杯の雷撃の槍が両者に叩きつけられた。
あの名門お嬢様学校の女子生徒が感情のままに暴れるのは大変良く目立ち、周囲の耳目を集めて……
「あれは確か、御坂さんと白井さんに……先輩のお兄さん?」
道中
「―――打ち止めさんがいなくなった?」
買い物が終わり教員用住宅へ戻ろうとした詩歌へ連絡が入る。
留守番を任せたはずのだが、いつの間にマンションの中からいなくなっていた。
何でも黄泉川の教員用住宅はホテルと同じオートロック式で外へ出るだけなら鍵は必要ない。
それに、『ミサカもミサカも買い物に行きたいーっ!』と駄々捏ねていた事から自分の後を付けようと、こっそり遊びに出ていても不思議ではない。
けど、詩歌は買い物の最中、そんな気配は感じなかったし、途中寄り道もしてしまっている。
(……迷子、で済むならまだいいですが……)
早歩きをしながら考える。
夏休み最終日に、打ち止め――<最終信号>はテロを目的に天井亜雄に攫われた事がある。
また、<妹達>を莫大な利益を生む研究対象と見て捜している組織はいて、<大覇星祭>でもそれを巡って、木原幻生という研究者と、御坂美琴、食蜂操祈、鬼塚陽菜などと一緒に事を構えた事もある。
『あーでも、何か下位個体? っていう子と追い駆けっこしてるって留守電が入っていたじゃん』
下位個体、つまりは、<妹達>の内の誰かだ。
それなら<妹達>で携帯を渡してある検体番号9982号、美歌に連絡すれば、何か分かるかもしれない。
「わかりました。私も打ち止めさんを探しに行きます」
『いや、詩歌ちゃんはそのまま戻って来て。迷子捜索は<警備員>の黄泉川お姉さんに任せておきなさいじゃーん』
学園都市には、店内BGMとかと一緒にスピーカーから流れている『耳に入らない音』がある。
厳密には可聴域外の低周波で、それを<警備員>が持っている特別な周波数をぶつける事で、きちんとした音になる。
そして、それはスピーカーごとに違う音が検出できるようにできていて、その音を調べれば留守電からでも『どこから電話を使っているか』、逆探知を妨害されていなければ大体分かる。
これは<警備員>の探索法の1つで、それ以外にも複数の手段を用いて情報を多角的に整理できるのだ。
(少し、職権乱用な気もしますが、打ち止めさんは逸早く見つけないと)
『それに、一方通行も探しに出てるじゃん』
「え、あー君が?」
一方通行というその名は悪名として轟いている。
今は落ち着いているが、その第1位という最強の座を狙って数多くの不良が勝負を仕掛けられ、そのどれも悉く返り討ちにしている。
『あの一方通行の顔見知りである』というだけで、人質にされたり攻撃対象にされてもおかしくはない。
迂闊に外に出れば、何らかの厄介事に巻き込まれる可能性が高いのだ。
しかも今の一方通行は退院直後の杖付きの身。
それに………
『まっ、心配するのは分かるけど、男の子は厳しく接してやった方が伸びないもんもあるじゃん。『くっだらねぇ』って言いながらも、負債を返していこうって気になってるから、しばらくは見守っていて欲しいじゃん』
だから、詩歌ちゃんは料理を作っててー、と。
しかし、詩歌は歩みを止めてしまう。
その足音が止んだことから黄泉川は詩歌の心中を察し、
『私ごとき下っ端<警備員>が彼の闇を推し量れる事なんてできないけどさ。私も同じ種類の“借金”を抱えてるから大体は察してるじゃん』
電話口から漏れる暗い感情の匂い。
黄泉川には、『子供に対しては武器を向けない』というルールがある。
例えどんなピンチでも、自分の腕で、もしくは盾しか使わない。
それは、子供に武器を突き付けると痛む“傷”があるからだ。
『彼は途方もない借金を背負っている。それは君も知ってるんだろう? もしかすると私以上に。いやいや別に説教しようって訳じゃないじゃん。柄じゃないしね』
「……知っていますが、彼の傷の深さが、痛みがどれほどのものかは分かりません」
<プロデュース>、<暗闇の五月計画>、<暴走能力の法則解析用誘爆実験>、そして、<絶対能力進化計画>……など非人道的な研究を裏で学園都市が行っているのは知っているし、関わったものも少なくない。
だが、それはきっと地獄なのだろうが、地獄の“底”ではない。
あの誰よりも己の能力を恐れていた彼が、孤高の怪物となり果ててしまったのは、<特力研>、<虚数研>、<叡智研>、<霧ヶ丘付属>などと言った“地獄巡りからも拒絶”されてしまったからだろう。
悪魔的であれば悪魔的である程、一方通行は恐怖と憎悪の対象として見られる。
誰からも好意を与えられず、誰であろうと好意を向ければ跳ね除けられる。
純粋に悪意しか存在しない世界、そして、純粋な好意すらも恐れてしまうのがどれほどの傷かは詩歌には分からない。
事実、一方通行から拒絶される事もある。
だけど、
「『不幸』なら分かります」
上条詩歌は言い切った。
「所詮、私の優しさは偽善なのかもしれません。同情は自己満足。共感は無意味。理解など論外。けれど、私は止めません。幻想でも彼の傷を少しでも癒せるなら、借金の苦しみが和らぐなら、いつまでも手を伸ばし続けます。だって、あー君は友達ですから」
その時、漏れ出ていた暗い感情の匂いが霧散し――――
『あれ? 友達?』
電話口の向こうの調子が急に変わった。
あれ? 聞いてたのと何か違うような……と言いたげな雰囲気である。
「はい! あー君は私の友達です」
あれ? 桔梗が言ってたのは……とボソボソ電話口の向こうから聞こえる。
どうやら情報の伝達に齟齬が生じているようだ。
一度、んんっと喉の調子を整えてから黄泉川の再度質問。
『えーっと、詩歌ちゃんは一方通行のガールフレンドって聞いてたじゃん?』
「ええ、“女友達”ですね。あー君とは『ずっと友達でいましょうね』と永遠の友情を誓った仲です」
『あー、そっちね……しかもずっと……』
そこで再び電話口から気配が遠ざかる。
そして、考え事のようによく聞きとれない小声のBGMが、
んー? さっきのハプニングの時の向こうの反応は明らかにそうじゃん……
桔梗に何だかそれっぽく色々と男女の付き合いについて聞かれた……
そういえば、打ち止めが……って言ってたじゃん……
それに確かこの子のお兄さんは、鈍感……で有名……小萌先生もそれに困ってて……
……………………………………。
「あのー、どうしたんですか? 何か変な事でも言っちゃいましたか?」
『あ! ごめんごめん! ちょっと考え事してたじゃんよ。あーでもなるほどなるほど、道理であの反応じゃん……』
納得したように相槌を打つ黄泉川。
何だろうか?
電話口からそこはかとなく誰かに同情するような空気が流れてくる。
「でも、やっぱり黄泉川先生の言う通り、男の子は叩いて伸びる、私も大賛成です。優しさだけではダメですよね?」
『うんうん……逆にその優しさで傷つく事もあるじゃんねー』
「わかりました。料理を作りながら皆さんのお帰りをお待ちしております。それと私の方で何か分かったらすぐにお知らせします。ちょっとした伝手がありますので」
そうして、黄泉川との話し合いを終えた詩歌は教員用住宅へと足を向ける。
ちなみにその後すぐに<妹達>の美歌の携帯に電話を掛けたのだが『ミ、ミサカは何も、<巨乳御手>の事なんて何も知りません』と出てすぐに切られ、電話にも出なくなってしまった。
地下街
『はーい! もうちょい寄ってくださーい! ほらほらちゃんと笑って笑って』
ばちーん、と今度こそ証拠のツーショットをゲット。
『お、お姉様の愛が激し―――』
チーン……と真っ黒子はたまたま近くを通り掛かり、写真撮影まで買って出てくれた親切な後輩、佐天涙子に<風紀委員>第177支部まで連れて行かれ、その去り際、美琴に『頑張ってくださいね』と耳打ちされ、
『な、ななな何言ってんのよ佐天さん! 違うわよ! これはただ私はゲコ太ストラップが欲しいからペア契約を頼んだだけで!!』
と佐天に対する弁解というより美琴自身に言い聞かせているような気がしないでもないが、そのままサービス店の中へ駈け込んで行ってしまった……
まあ、罰ゲームなんだから多少の理不尽は覚悟していたし、“物理的に叩いて伸ばす”のと比べれば、イージーモードだ。
そして、美琴の後を追うように店に入ったのだが、最初はどことなく警戒されていたのだが、途中『ゲコ太と一緒にピョン子までもらえるなんてーっ!!』と瞳をキラキラさせてキャーキャー騒ぐゲコラーモードになってしまったので、先程の二の轍は踏まないと外へ出た。
という訳で、上条当麻は今、一人っきりで地下街の待ち合わせ用小広場|(禁煙)のベンチに腰掛け、売店で買った200mlのミニペットボトルのお茶で喉を潤していた。
地下街なので分かり難いが、携帯画面を見るともう午後4時過ぎ。
書類だの申請だの色々とあった訳だが、やっぱり時間がかかったなー、というのが今回の率直な感想。
でも、これで罰ゲーム終わりだよな……と不安に駆られたその時、
「お、御坂、終わったのか? ……ん? 新しい携帯電話の紙袋とか持ってないけど、トラブルでもあったか」
当麻の元へ御坂美琴が帰ってきた……と思いきや、
「い、いえ、ミサカは……このミサカはいつもゴーグルを付けている方のミサカです、とミサカは10032号と検体番号を告げつつ認識を改めさせてみます」
「もしかして、御坂妹の方か」
言うと、御坂妹はコクンと小さく頷く。
御坂美琴と髪の毛一本一本まで同じ体格を持つ少女なので、見間違えるのも無理はない。
でも、いつもは一目で区別がつくようなゴーグルがしてあるのだが、今回はそれがなかった。
これには何やら特殊な事情があるらしく、
「……これぐらいのサイズのミサカをご覧にならなかったでしょうか、とミサカは自分の胸のちょっと下辺りに掌を水平に差し出します」
御坂妹が示しているのは、担任の小萌先生と同じかちょっと低いぐらいの高さだ。
当麻は彼女の仕草を見ながら、やや怪訝とした表情で……とそこであることを思い出し、
「ああ、打ち止めってヤツか? この前写真を見せてもらった事があるけど、何なんだ? お前ら、サイズ変更とかできたのか?」
「その反応からしてほとんど知らないようですね、とミサカは役立たずっぷりに幻滅しながらあのクソ野郎の逃走ルートの割り出しを続けます」
当麻の疑問も軽くスルーされ、御坂妹は息を吐いた。
その学生鞄からは、何やらガチャッと重々しい金属音が聞こえる。
また不機嫌だなぁコイツ、と当麻が思っていると、察したのか彼女は事情を簡単に説明してくれた。
いつも付けているゴーグルをその打ち止めという<妹達>の中でも上位個体に盗られてしまい、それを取り返そうとサブマシンガン片手に追い駆けてたらツインテールと黒髪ロングの女学生に絶叫されたりと、このままだとオリジナルの美琴と間違われて、彼女の日常生活に支障をきたす恐れがあるので………
「………とミサカは暗に手伝えと上目遣いで訴えます」
「……、」
この強引さはDNAからくるものかもしれない、と当麻は思う。
サブマシンガンという不穏な単語が混じっていた気がしないでもないが、精神衛生上的にもう聞き間違えであって欲しいのでカット、これ以上追及はすまい。
「ともあれ、ゴーグルを取り返す前に暫定で良いから美琴と区別するためのワンポイントが欲しい所だな」
「それはミサカにおでこキャラになれと言っているのでしょうか、とミサカは首を傾げます」
「その単語は今すぐ削除しろ」
ポ○モン育て屋さんに預けていたら、いつの間に余計な技を覚えていた。
まさか妹が教えているんじゃねーだろうな、と愚兄は真剣に疑問に思う。
「おでこじゃなくても、そうだな。格好までおんなじ冬服だし……お前はブレザーを脱げば良いんじゃねぇの?」
「貴女には公衆の面前で脱げと強要する趣味があるのですか、とミサカはいまいち良さを理解しないままとりあえず従ってみます」
「ぶっ!? 何でいきなりスカートに手をかけてんだ! 分かったよ分かった脱ぐのはなしなしだ逆にアクセサリーとか付けてりゃ見分けが付くだろ!!」
「そういった装飾品は今手元にありませんし、購入ともなると値が張りそうです、とミサカは現実的な受け答えによって家庭的な雰囲気をアピールします」
やっぱり、あの育て屋さん(カエル顔の医者)には一度御坂妹達の生活環境やナースコスプレの件も含めて問い質した方が良いな、と当麻は心の中で誓いつつも、
「いや、アクセサリーっつってもピン切りだからな。ほら、美歌が缶バッチを付けてるように区別がつけば良いんだし、そこらの露店で売っているようなもんなら1000円ぐらいでどうにかなるよ。その程度なら俺が買っても良いし」
「買って……」
その時、御坂妹の心の中でファンファーレが。
今まで、『上位個体より優れたミサカはいないのだーっ!』とちっこくて間抜けな権力者のミサカや『姉より優れたミサカなどいないのです』とほとんど生まれは一緒なのに年長者ぶっているミサカなど、運が良くミサカ内ヒエラルキーの上位に立つ、己のアイデンティティ持つミサカを御坂妹は羨ましい、と。
「何だろうな。女の子のアクセサリーって言ったら指輪とかが良いのか」
「……、ゆびわ」
まさか、詩歌お姉様から好感(なつき)度MAXで進化した打ち止めや、お姉様から『カエルのバッチ』を貰って|(正確には奪って)進化した美歌のように、いや、これはその上をいく人生のゴール、つまり、<妹達>最終進化形態の―――
「いや指輪じゃ駄目だな目立たないし。もっとパッと見で分かるようなモンだと、髑髏のマスクとかの方が良いかって痛ァ!?」
進化キャンセルされた瞬間、御坂妹の『やつあたり』が炸裂した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(何か誰かに同情されている気がすンなァ?)
一方通行は遠くから生温かい同情の念を察知していた。
ここは地下街を入ってすぐそこのファーストフード店。
乙女の『げきりん』から復活した一方通行は、起きたら消えていた打ち止めを捜す為に、この留守電から探知した地下街へ現代的なデザインの杖を突きながらやって来ていた。
別に、彼女と何だか顔が合わせ難いとか、こんな時に寝てたらまた『げきりん』がきそうだから逃げ出したという理由ではない、決して。
で、何故捜索途中に飲食店にいるのかというと、今目の前で積りに積もっている大量のハンバーガーやフライドポテト、サラダその他の山々|(これ全部一方通行が買い与えており、彼女は一銭もお金を持っていない)に挑んでいる真っ白な修道服を着た銀髪で緑色の瞳の少女とそれに抱えられた三毛猫に地下街へ来た所、横からいきなりぶつかってしまい、
「あれぇとうまじゃないとうまじゃないよとうまだと思っていたのに何でとうまじゃないのこの人とうまはどこに行ったの何でも良いけどお腹が減って動けないんだよあの塩と胡椒とお肉の匂いがジュージューと漂っていてとにかくあれ食べたいあれ食べたいどうすれば良いのあれ食べるにはどうすれば良いの?」
「……、」
と、本来ならこの時点で、この空腹少女の全身を粉々にしてその辺に捨てておこうと考える一方通行だが、何とも間の悪い事につい数分前に黄泉川から『たまには良い事でもしてみたら?』的な発言をされたばかりである。
いやはや慣れないトークなどするべきではないものだ。
別に黄泉川の言葉を律儀に心の隅に留めておく必要などどこにもないのだが、ここで真っ白シスターを殴り倒して先に進んでしまうと、何となく『お前の煙草やめます宣言は30分しか保たなかったなあっはっはー』みたいなニュアンスの台詞を言われる気がするのでそれはそれで癪だ。
人の話を聞かずに喋り続ける所があのガキと似ているな、と思ったがそれが気にかかったと認めるのは死んでも嫌だった。
そんな訳で、一方通行はその空腹少女を近くのファーストフード店に蹴り入れて財布を投げつけた所、『あれもこれも全部食べたい』と、馬鹿げた台詞を吐きやがったため現在に至る。
一方通行は過去に様々な研究(プロジェクト)に体を貸しており、金は使っていない口座に幾らでも放りこんであるのだから金銭的な面で問題はないなのだが……しかしまぁ、これだけの遠慮なしにハンバーガーをガツガツ消費していくこの修道女の許容量はどんなものなんだろう?
ついでに、この修道女が抱えていた三毛猫は店の外で野良猫たちとミニャーミニャーと今年の秋のトレンドについて集会している。
「馬鹿げてやがる……。あのクソガキ相手にしたってここまで疲れたりしねェぞ」
「もが?」
「いちいち動き止めてねェで一気に食え。そして俺に何か言う事があンじゃねェのか?」
「ごきゅ。うん、ありがとうね」
「―――一言かよオイ」
これは大変な人間と遭遇してしまったと一方通行は首を緩く振った。
修道女は並べられたLサイズの、ちょっとした小型ペットボトル程の大きさのあるジュースのボトルをそれぞれ5秒で飲み干していくと、
「えとね、私の名前はインデックスって言うんだよ?」
「味分かンかそれ?」
「とうまを捜していたんだけど途中でお腹が減っちゃってね。というか、そもそもお腹が減ったからとうまを捜そうと思ったんだけど」
大量のハンバーガーを全部平らげたインデックスという少女が地下街にいる理由は、自分と同じで『とうま』という人を探しているらしい。
日頃からこんなのを相手をされている彼女の知人――『とうま』にはご冥福をお祈りする。
無邪気というか食欲旺盛というか、あのクソガキのように口の周りにソースがべったりとついている事に気付いていないインデックスに、『チッ』と舌打ちをしてポケットティッシュを投げ渡す。
だが、ビニール包装からティッシュを取り出すのに悪戦苦闘するという現代知識の欠如っぷりを見せつけられて余計に溜息をつく。
とりあえず、こちらも人捜しの責務を果たす為に、携帯電話のスイッチを入れ、小さな画面に打ち止め……そして、アイツのツーショットのデータを表示して|(クソガキがいつの間に撮っていたもので、消すのも意識しているようで癪だった)、それをインデックスの方へ向けつつ、
「オマエ、コイツに抱きかかえられているガキを見た事があるか?」
「あ、しいか! それにこれ、この前、しいかに見せてもらった写真と同じだ。私は一度見たものは忘れないから、間違いないんだよ!」
一撃即答。
しかし、今、聞き逃せないワードが出てきた。
一方通行が眉を顰めるのも構わず、インデックスはまくしたてる。
「そっちの子は知らないけど、しいかは今日、“お友達”の退院の付き添いに行くって言ってたんだよ。だから、とうまを捜してたんだけど。本当ならしいかのご飯の方がおいしいし、やっぱりしいかの方を捜そうかな? でも、ここまできたらとうまを見つけないと何となく気が済まないし」
と、そこで、
「あ、もしかして、あなたが『あー君』?」
どうやら人違いではなく、この少女は間違いなく彼女の知人だ。
『あー君』なんて呼ぶのはアイツだけだ。
が、
「さァ、知らねェな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから、上条当麻は御坂妹の『いかり』を収めようと野口さん(1000円札)を生贄にして、安いネックレスをお納めした。
だが、それでもずっとずっとムスッとしており、時折唇がモゴモゴ動いて『指輪……』、『ミサカは左手の薬指の……』などブツブツ言っている。
なので、
「あのー、御坂妹? ネックレスがそんなに気に入らないんだったら返してこようかー?」
「――これ以上ミサカから何も奪わないでください、とミサカは小さな声で切に語ってみます」
……ネックレス自体は気に入っているようだが、だったら、何が原因なのだろうか?
こう見えても年頃の妹を持つ兄ではあるが、女性心理というのはいまいち良く分からない。
まあ、だから愚兄と呼ばれるのだろうが。
それでも、『女の子は甘いものが大好きなんですよー』という金言が、
「お菓子売ってる。あれ食べよう御坂妹」
「もので釣るとしてますか、とミサカは単刀直入に告げてみます」
「ううっ!?」
当麻はもう一度頭の引き出しから妹からの金言を探したが………ない。
「しかしミサカの為を思っての言動を実行したその意思は尊重しましょう、とミサカは好意に甘えてみる事にします」
でも、とりあえず肯定のサインが出してくれた。
アイスクリームショップのように、地下街の通路に直接隣接した小さな貸し店舗。
そこで売られているのは、ヒヨコや仔犬の形をしたホットケーキ生地で中身はカスタードクリームの人形焼き。
そこで店員している大学生くらいのお姉さんから教えてもらった所によると、動物によって味は同じで、ただどんな形に人間は無意識に選んでしまうのだろうかを調べるアンケートを兼ねているらしい。
そうして、適当に当麻はヒヨコを選び、近くの机に御坂妹と着席。
「はい御坂妹、お食べー」
「……、」
「あの、御坂妹……?」
パックごとズズイと勧めるが、どうも御坂妹はヒヨコをじーっと見つめたまま動かない。
それに声をかけても無反応で、ただ『ちちちちち……』と小さく舌を鳴らし始めている。
と、そういえば、御坂妹は記憶喪失の自分よりも世の中の経験が浅く、居候のように世間知らずである。
もしかすると食べ方が分からないかもしれない。
何やらヒヨコの嘴を細い指先でチョンチョンとつついては『む、噛みつかないとは利口なヒヨコ達です、とミサカは感嘆の溜息をつきます』とか何とか言っている御坂妹にレクチャーするつもりで、当麻はおもむろにプラスチックのフォークの先端をそのヒヨコの背中に突き刺す。
すると、御坂妹はビクゥ!! と肩を大きく震わせて、
「ひっ、ヒヨコの丸っこいボディが!? とミサカは戦々恐々してみます……。この子は何故そこまで従順なのですか、とミサカは疑問を抱きますがヒヨコはピーとも鳴きません」
「ん? さっきからどうしたんだ御坂妹。お前が食べないなら俺が食っちまうぞ」
「た、食べ……ッ!?」
御坂妹が何やらソワソワしているが、当麻はヒヨコを口に入れてもにゅもにゅと噛んで、広がっているその洋菓子っぽい甘みを味わい、
「お、実験品のくせに結構美味いなこれ」
一方その頃、目の前の少年の口に放り込まれたヒヨコのつぶらな瞳|(チョコレート製)が御坂妹のブルブルと動揺する瞳と真っ直ぐ合わさって、
「…………………………………、た」
しかし、その間にももぐもぐという音と共に、その何か言いたそうな可愛らしい顔が噛み潰されていく……
「例え実験品であってもォ! ミサカはこのヒヨコの命をおォォおおおおおォォおおおおおおおおおおおおおおおおォォおおッ!!」
実験品のヒヨコを守るために、実験動物だった御坂妹は、まるで母親のように狩人――当麻に<欠陥電気>の精一杯の5万Vの電撃を放つ。
「ぶわーっ!?」
当麻は咄嗟に右手を盾にしようとするが、不幸にも左手にフォーク、右手にヒヨコの入ったパックとただ今食事中で―――ヒヨコのお菓子を地面に落してしまった。
そして、『何で突然暴走気味にバチバチしてんだーっ!?』とゴロゴロ床を転がる|(一応、恩人)当麻、ではなく、散らばっていくヒヨコを見て我に返った御坂妹は裏返しになった透明のパックを拾い上げ、せっせとヒヨコを巣(パック)へと戻していく。
その顔つきは真剣そのものだ。
それを見て当麻は申し訳なさそうに、
「う、うう。ごめん御坂妹……」
謝罪してきたので御坂妹は両手でヒヨコのパックを抱えつつ耳を傾け、
「……食べ物を粗末にしちまった。でも3秒ルールがあるので地面に落ちても食べます俺」
言い終わる前に、何も分かっていない愚兄に御坂妹の蹴りが放たれた。
『女の子の可愛いものを見た時の母性本能は時に友情を上回りますよー』とそんな金言が当麻の脳裏に駆け廻ったが、それはちょっとばっかしタイミングが遅かった。
閑話休題
「……アンタ達何やってんのよ!?」
用事が終わり、お目当てのものをゲットした美琴。
だが、店を出るとすぐそばの出店で、上条当麻と、自分と双子のように同じ顔をしている御坂妹が騒ぎを起こしていた。
そして、見知った顔が近付いた事に2人は気付き、御坂妹が美琴の質問に当麻と同じように、
「ミサカは奪われてしまったゴーグルを取り戻す為に遠路はるばる地下街までやって来たのです、とミサカはお姉様のカエルマスコットに視線を奪われつつ答えます。検体番号20001号の予想逃走ルートや迎撃用火器リストなどもありますがもうカエルに夢中なのでどうでもいいや、とミサカは適当に投げときます」
「コラちゃんと説明しなさいよアンタ!! ってそんなに見てもあげないわよ!!」
過去にうっかりバッチを付けたらそのまま盗られてしまった美琴は、すぐにゲコ太とピョンたを学生鞄の中に避難させる。
御坂妹は表面上何の変化もないように見えるが、しかし瞳の中に哀しそうな色が浮かんでいる。
けれど、それから両手の中のヒヨコパックに視線を落として、
「……ミサカは浮気はしません、とミサカは手の中のヒヨコを再確認します」
「ミサカ“は”ってどういう意味よ……」
呆れたようだが、そこは同じDNA。
美琴も美琴で御坂妹の持っているヒヨコのデザインにやや興味があるように……
「む」
美琴の視線から隠すよう御坂妹は両手を使って胸の位置でヒヨコ達をガッチリ抱く。
「お姉様はそっちのカエルにでもうつつを抜かしていれば良いのです、とミサカは墓まで持っていくつもりの鉄壁ガードを敷きます」
「良いじゃないそのヒヨコ達をちょっとぐらい見せてくれても」
お、何だか不穏な空気に。
まさか、姉妹喧嘩―――
「駄目なものは駄目です、とミサカは自己の意思を貫きます。そんなに欲しければミサカと同じくそっちの人に買ってもらえば良いでしょう、とミサカは顎を使って指名します」
「―――、」
―――じゃなく、途中で矛先が自分へと変わった。
美琴はしばし無言で、そして、やがてゆっくり深呼吸して、
「……確か、アンタは勝負に負けて罰ゲームで何でも言う事を聞くって話になってたわよね?」
「は? なに?」
「……アンタはその為に今日一日私に付き合っている美琴さん専用機状態なのよね。私のためだけに一生懸命汗水垂らして頑張ってくれるのよね?」
「何で!? 何で御坂の周辺の空気が不穏な感じに帯電してんの!?」
「それはアンタがこんな時までいつも通りだからよッ!! 人様の罰ゲームの最中だってのにあっちこっちで声かけやがって。そんなに妹って響きが大好きな変態シスコンだったのかこのボンクラがァァあああああああああ!!」
「ちょ、当麻さんは変態シスコンじゃ――ってうおっ!?」
浮気? 野郎に御坂妹の2万倍――10億Vの電撃が炸裂した。
道中
学園都市の繁華街を歩く地味な少女。
何も人の手を加えていない自然のままの腰まである長い髪の毛を一房だけ頭の横でゴムで束ねて分けており、整った顔立ちを隠すように野暮ったい大きな眼鏡が掛けられている。
それでも彼女は人の目を引く。
スタイルの優れた美人である事より、その『ノイズ』という不自然な現象が注目を集めているのだ。
ひっそりと咲く小さな花のような雰囲気の少女の輪郭が時々歪む。
風に流される霧のように、
受信状況の悪いテレビのように、
ザザザザと耳障りな音を立てて、
グニャグニャとシルエットが揺れ、
また元へ戻っていく
夏のワイシャツが揺れたと思った時には、青い色のブレザーに包まれていた。
普通なら大騒ぎになりそうな光景だが、周囲の反応は『注目を浴びる』程度でしかない。
ここは超能力と科学技術の街。
大抵の不自然な状況は、拒絶される事なく受け入れられてしまう。
そう、
「全く、“こんな立体映像なんか出しやがって”」
『少女』を“分析”したのは<警備員>。
事件が起きれば銃器すら扱って制圧に乗り出すエキスパートだが、彼らの本職は教師である。
学園都市に住む一般人である。
「どこに能力者はいるんだ。随分手の込んだ悪戯だな」
彼は“常識的に”『少女』を街の一風景として受け入れている。
少女としてではなく『本物と見間違えるほどリアルな少女の映像』として。
この街では大抵おかしな現象は全て、『あれは自分の知らない技術によって作られた現象また実験なのだ』で自己解決されてしまう。
だから『少女』は受け入れられている。
誰がどう見ても人間ではない、本人曰く『怪物』も、排斥されずに受け入れられる。
それは幸運なのか。
または不幸なのか。
怪物ではないが、能力者の手で作られた立体映像(ノイズ)として、1人の心を持った人間だと認めている訳ではない。
『少女』は小さく笑う。
僅かに苦い、寂しさを交えた笑み。
それは人間らしいとしか表現できない、あまりに淡い表現だった。
けれど、
「……また精密な幻像じゃないか。先生が照れるとでも思ってんのか?」
鈍感な人間は気付けない。
そして、
―――……て。
「え?」
声が届いた――だが、それを塗り潰すような怨嗟。
「……!」
この世界に、これほど穢らわしい音があったのか。
ひび割れ、嗄れ、悲鳴を上げてのたうち回りたくなあるくらい耳障りな音だ。
それが聞こえると同時に、視界に映ったもの全ての動きが停まった。
まるで時間が停まったかのような繁華街の光景が、ぐるりと回転し―――
―――逃げて!
しかし、ソレは『少女』の声が浸透した瞬間、世界は元に戻った。
「み、皆さん! ここは危険です! 学生達は早く逃げてください!!」
あの『黒い世界』に呑み込まれそうになった学生らは一目散に逃げていく。
この街は学園都市。
自分には理解できなくても超能力と科学技術で説明が付けると、
今のは解析不可能の現象ではあるが何かしらの理屈が通ると、
だが、例えどんな理論も、生存本能には敵わない。
それでも彼は<警備員>としての職業倫理として“学生”がいなくなってからこの場を離れた。
―――うっ……
『少女の幻想』――風斬氷華を置いて……
直後。
風斬氷華の目前30m離れたの地面に1つの黒点が生じる。
建物が生み出す自然の影ではない、光さえも呑み込む色濃い暗闇。
その真ん中から、とぷん、と小さな水音を発して、それは浮かび上がった。
「―――」
龍の顎を連想させる禍々しい兜。
深淵なる闇を思わせる滑らかな金属光沢を放つ重厚な装甲に覆われた胴。
逞しくもしなやかなラインを描く両脚に、4本の巨大な爪が装着された足先。
凶悪に輝く鉤爪状の十指を持つ強靭な腕。
そして、隙間隙間から漏れる濃密な瘴気。
この全てが、純粋な完全なる力の結晶である。
そして、風斬は動けないのではなく、動けなかった。
今、ここで自分が逃げれば、この怪物がどう動くかは容易く理解できたからだ。
何故かは分からないが理解できる。
人間の言葉でいうならアレは―――放心している。
自我を持たないモノが、より原初的な本能すらもどこか置き忘れている。
だから、己の『力』も存在も良く分かっていない。
その気になれば、ここら一帯を片手で消し飛ばせるが、その方法を憶えていない。
今は、思い出しかけている。
少しずつ、少しずつ、甕に水が溜まるようにして、自我を深めていく。
だから、少しでも、少しでも、我が身を犠牲にしてでも時間を稼ぐ―――と、その時、
「―――ったく」
重々しくも穏やかなエンジン音。
「か弱い女の子を1人置いて逃げるなんて、それでも<警備員>かよ」
風斬の頭上を飛び越え、巨大で強大なバイクがその姿を現す。
―――ダメ、逃げて!
風斬はその意思を振り絞り叫ぶ。
しかし、真紅の鉄騎にまたがる細身のライダーは振り返り――笑みを含んだ声で、
「心配する必要はないよ。アンタは逃げた奴らを気遣い、囮としてここに残ってくれたんだろう? ……その目を見れば分かるよ。だから、アンタのその役をこの<赤鬼>が代わりに引き受けてやる」
ヘルメット越しでも風斬はその優しい笑みを見た。
いつの日かに彼女が見た、自分の歓びではなく、他人を安心させる為の笑みだった。
―――あ……
それを最後に風斬氷華は、何者かの意思により移転された。
その背中に手を伸ばし、悔やむような顔を残像に。
「さぁーて……」
そして、鬼塚陽菜はその笑みを『一鬼当万』と謳われた<赤鬼>としての凶悪な人相に変え、真紅の煉獄を顕現。
漆黒の怪物に向かって言い放つ。
「テメェのその感じに見覚えがあるんだが―――」
バイクのハンドルをがしっと力強く握り、周囲の煉獄をバイクに巻き付かせ、エンジンから爆発染みた咆哮を轟かせる<火炎車>へと変貌する。
「―――まずぶっ殺す!」
地獄に支配された空間を一掃するように、爆風が吹き荒れる。
空気を振動させ、大砲のような勢いで突進し、容赦なく轢き。
そして、うねりを上げ、衝撃波を撒き散らしながら業火の奔流が漆黒の怪物を呑みこんだ。
つづく
どうも夜草です。
たぶん、これが今年最後の投稿です。
『とある賢妹愚兄』を始め、1年近くでおよそ200話……まさかここまで、としみじみ思います。
このままのペースだと来年の今頃に、新約までいけるかなぁ…
後、少し意見を聞きたいことがあるんですが。
常盤台中学の中でも実力者、1(エース)・御坂美琴、11(ジャック)・近江苦無、12(クイーン)・食蜂操祈、13(キング)・鬼塚陽菜、ジョーカー(ワイルドカード)・上条詩歌となっていますが、2(デュース)、3(トレイ)、4(ケイト)、5(シンク)、6(サイス)、7(セブン)、8(エイト)、9(ナイン)、10(テン)まだ欠番です。
そこで、その欠番に2(デュース)に白井黒子、10(テン)に婚后光子と考えたんですが、他がまだ……
それで、欠番に意見がありましたら、送ってください。
それ以外にも感想や質問もお待ちしております。
では、よいお年を。