――数分後、上空の飛行機内――
エコノミーの座席で高校生達は疲れを見せずに話しを咲かせていた。
郁葉と隆弘、そして昂矢の三人で何やら悪人面しながら談笑、そして賢太と竜樹はファッション雑誌を見てどれがいいかをそういう事を話している。
「――で、言ったか?例のー、んん?『嬉しい事にこの国は』って!真実を突きとめる場所だ!……で、答えてこう言う」
げへへ、と笑いつつ、コーラのボトル片手に一拍置いて郁葉が何か言うのをニヤケ面で昂矢と隆弘は待つ。
そして郁葉が満足そうな悪い笑みで二人を交互に指差すと言った。
「クソ喰らえーッ!!!!!!」
酔ったように大爆笑するミリオタ三人。
昂矢は大爆笑しつつココア味の、葉巻に似たふ菓子を吹かすように舐める。
「アッハッハッハ!あぁこのシガーを持ってくれ長官、んっふっふっはっはっはっはぁ!」
そう言うと昂矢は隆弘に自分が舐めたふ菓子をなぜか大爆笑している隆弘に渡し、隆弘はそれを何も言わず昂矢のバッグへそっと入れた。
「クソ喰らえー!!!!!!真実は俺が決めることだぁー!!!!!!ひゃあっはっはっは!!!」
続けて郁葉が叫ぶと釣られたように昂矢と隆弘も「クソ喰らえ」と叫ぶ。
この異様な光景も普段ではよくある事だが、ここは飛行機の中であり、しかもエコノミーで沢山疲れたビジネスマンや家族連れも沢山いる。
このまま行けばキャビンアテンダントにブチギレされてパラシュートなしで空に放り投げられるに違いない。
とうとう賢太が周囲の痛い視線に耐えられなくなってくるのを、となりの竜樹が感じる。
プルプルと怒りに震えた後、隣に居た隆弘の頭を掴む。
「えっ」
「てめーら……」
ぐっと腕に力が入り、めきめきと隆弘の頭が軋む。
「うっせぇええええんだよゆとりがぁあああああああああああ!!!!!!!!!」
「お前もうるさギェピいぃいいいいいいいい!!!!!!!!!」
飛行機に響き渡る絶叫。
この後色んな人から怒られたのは言うまでも無い。