「フゥーハハハハッハハハァ!!!!!!海最高ォオオオオオオオ!!!!!!」
時は変わり、雲ひとつない真っ青な空、まぶしいにきらめく緑掛かった海を背景に、ソイツは思い切り叫んだ。
綺麗な砂浜を目の前にして騒ぎ立てるソイツは、上着を脱ぐと海パンになって貸切の海へとダイブし、ナマコを踏んで今度は違う種類の絶叫を見せた。
「アッハハァ!!!!!!テンション上げ過ぎるからそうなるんだよっ!!」
大爆笑しながらメガネのひょろ長い少年は言って見せた。
ひょろ長い彼はビデオカメラを手にしてナマコを踏んだ友達の醜態を撮影する。
ナマコを踏んだ当人は、うめき声を上げながら足にへばり付いたナマコを取ろうと躍起になっている。
「いやお前も大分テンション高ぇよ?しかしまぁ、5月なのにこんなに暑いのかここは」
軍人みたいな体格の少年……だけどおっさんのような男が言う。
彼はなぜか海パンと上着にノートパソコンというインドアが海に嫌々来ましたみたいな格好をしている。
と、そんな彼らの横ではとある美少女達がなにやら水着になるかならないかで揉めていた。
「ほぅら、ほぅら。早く脱いで楽になっちゃえよ〜?」
トップはタンクトップのようなものと、ボトムはダボっとした海パンを穿くポニーテールの美少女が金髪の美少女の服を脱がそうとしている。
金髪の少女は水着になるのが恥ずかしいようで、頑なにそれを拒否していた。
「ふざけんなやめろ!おい引っ張んじゃねぇ!やめろっつってんだろがボケェ!」
口の悪い金髪の少女はゲシゲシとポニーテールの少女の頭を押して引きはがそうとする。
そんな光景を、ナマコと戯れる少年以外の男共は、興味深そうに撮影するなりチラ見するなりしていた。
ふぅ、とメガネの少年はため息をついて急にきりっとした面持ちになった。
この変態め。
「いやあ、ショタっていうのもなかなかありですな」
少年はメガネをくいっと上げてそう語る。
ショタとは、小さな男の子の事を指す時に用いるオタク用語である……
そう、実はこの美少女達、男の娘である。