小説『異世界転生物語〜え?リリカル?なにそれ?〜』
作者:ガウェイン()

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遂にAs編最終決戦!


青年を警戒して全員臨戦態勢となる。はやてもリインフォースとユニゾンして杖を構える。


「何が究極の闇だ!」

最初に沈黙を破ったのはヴィータとだった。自身の武器である『グラーフアイゼン』を構え、青年…ダグバに突進するヴィータ。しかし、ダグバがゆっくりと腕を上げた瞬間…

ゾク!!

その場に居た全員の背筋に凄まじい寒気が走った。

「…!?」

ヴィータは『ソレ』が何か理解できなかった。しかし守護騎士として培ってきた直勘に従い慌てて回避行動をとる。次の瞬間、一瞬前までヴィータが居た場所は黒炎が踊っていた。

「へぇ、勘は良いんだね。」

「!?」

ヴィータが声に反応して振り向くと其処には先ほどまで離れていた筈のダグバが魔力を纏った腕を振りかぶっていた。

「(やべえ!躱しきれねえ…)」

ヴィータがガードをした。しかし…

「うああああぁぁ!!!」

多少のガードは関係なくヴィータは意識は有るものの相当なダメージを受けた。ダグバは止めを刺すために近づくが途中で声が響く。

「飛龍 一閃!!」

シグナムがレヴァンティンを構え、ダグバに切りかかった。

キィン!!

ダグバは先ほどまでは持っていなかった剣を使って防いでいた。

「うん、あの光城って男の子のスキル…なかなか便利だね。」

「(ク…!?まさか蒐集がここにきて裏目に出るか…)随分と余裕だな…」

「それで本気?だとしたら…」

ダグバが剣を押し返す。シグナムは両腕で上から切りかかっており、ダグバは下から片腕で剣を持っていた。それでも余裕だったダグバ。シグナムは夜天の書の一部、ダグバは闇その物…それも究極の闇だ。

「とても…つまらないよ。」

押し切られるのは、簡単だった。

「っぐぅあ!?」

「アカン!」

「シグナム!!」

「シグナムさん!!」

なのはとフェイトとはやてが驚きの声を上げる。自分たちがあれほど苦戦したシグナムやヴィータがまるで子ども扱いされている。はやては夜天の主としてシグナムの実力も知っている。だからこそ信じがたいのだろう

そして声を出したためかダグバが三人の方に向く。

「今度は君たちが相手?」

「あ…あぁ・・・」

「・・・・・・」

「や…嫌…」

間近で味わう迫力で動けなくなる三人。しかしそこに…

「縛れ 鋼の軛!!」

「チェーンバインド!!」

「ストラグルバインド!!」

三重の拘束がかけられる。さらにそこに

「ブレイズキャノン!!」

魔法による攻撃が加えられる。

「クロノ君!ユーノ君!」

「アルフ!」

「ザフィーラ!」

仲間の助けで危機を脱した三人。

「早く離れろ!」

「そうだよ、何時までもつか解らない!」

クロノとユーノの言葉で離れようとする三人。しかし、途中で聞こえた声でまた動けなくなる。

「この程度なの?」

ダグバだ。まるで子供がお菓子を落として残念がっているようにしか聞こえないが四人が全力を尽くしたにも関わらずまったくと言っていいほどダメージが見受けられない。そのままダグバはバインドを無理矢理引き千切りクロノ達に向かう。

「僕のブレイズキャノンをまともに受けたのに…」

「嘘…三重のバインドをあんなに簡単に…?」

「化け物め…」

「…く……」

クロノとユーノは信じられず、ザフィーラとアルフは悔しさから、声を漏らす。

「君たちは邪魔だね。」

静かに呟く。ダグバがゴミでも払うように腕を振るう。その瞬間、魔力の奔流が発生し四人とも弾き飛ばされる。

「「うわぁ!!」」

「きゃ!?」

「クソォ…」



「じゃあ、次は君たちだね?」

ダグバはなのは達に向かって近づく。なのはたちは目の前の状況が信じられなかった。頼りになる仲間たち、敵対してきたけどとても強かった守護騎士達、それらが成す術も無く倒されてしまったから。幸いにもみんな息はまだあるがダグバが遊んでいることは明白。その気になれば殺すのも簡単だということが分かってしまったから。

「(ダメ…怖い…助けて…)」

「(動け…何で動かないの…)」

「(アカン…やられてまう…誰か…)」

「「「(((助けて 司((君))!!)))」」」

ダグバが三人に振り上げた腕を振り下ろそうとした時、三人の前に何かが舞い降りた。

「俺の友達に…」

それは黒いバリアジャケットを纏い

「それ以上…」

魔力の翼を背中から生やした

「近づくな!!」

三人が望んだ姿、バリアジャケットを纏った司だった。


「へぇ、今度は君が相手?」

司にダグバが問いかける。しかし司は言葉を返さず一言呟いた。

「オーラ…リミッター解除。」

『了解、リミッター解除。』

その瞬間、司から魔力が溢れる。

「司…君?」

「司…?」

三人に向かって司が謝罪するように言う

「悪い…準備に手間取った。」

「相変わらずカッコええなぁ…司君…」

ダグバは司の魔力を感じて、子供の用に純粋な笑顔で呟いた。

「君は少しだけ…楽しめそうだね。」



司が魔力の剣を作り出す。ダグバがそれを見て光城のスキルで剣を作り司と対峙する。

「ハァァ!!!」

「てやぁぁ!!」

二人が剣を持ちぶつけ合う。

ギィン!!

「つぅ!?」

押されたのは司だった。

「君は当たりだ…もっと遊ぼう。」

ダグバが笑う。先ほど込めた力は普通の剣程度なら簡単に砕けるようなもの。にも拘らず司は押されこそしたものの剣は無事で、未だ戦意を失っていない。

「避けてよ?こんなに楽しいのは久しぶりなんだ。」

ダグバの後ろに無数の剣が現れる。かつて光城が司に使った技だ。しかし、規模が違った。ダグバは闇の書の歴史と同じだけ時代を知っている。当然、光城よりはるかに伝説の武器を知っている。このスキルが強化されるのは当然の帰結だった。

大量の剣が司に襲い掛かる。

「なんて面倒な…ちぃ!?」

避けて、避けて、避けきれない物は剣ではじく。その間にも司は片腕に魔力を貯めて、チャンスを窺っていた。そして…

「ハーケンセイバー!!」

「アクセルシューター!!」

「フレースベルク!!」

なのはたち三人が援護として遠距離から攻撃してきた。ダメージは無いように見えるがいきなり後方からの攻撃にダグバが振り向く。その隙を司が気づく。

「(隙を見せた…)ブースト!」

魔力を圧縮し、放出することで加速した司は一瞬でダグバに近づき眼前に魔力を貯めた腕を突きだす。

「弾けろ…『アブソリュート・フォース』!!!」

爆発がダグバと司を包む。

ダグバの眼前ゼロ距離での司の渾身の魔力爆発だ。司も洒落にならないダメージを追ったが流石にダグバも無事ではないはず。

「「司君!」」

「司!」

「はぁ…はぁ…なのは、フェイト、はや…」

「どうしたの?もう終わり?」

「「「「!!?」」」

声に反応して聞こえてきた方向を見る三人。爆煙がはれるとそこに、先ほどまでいた青年はいなかった。しかし…

「僕も漸く本気になったんだから…もっと僕を笑顔にしてよ。」

そこにいたのは白い身体に所々に金の装飾、そして金のマントのようなものを纏った四本角…正しく‘化け物’がいた。


「三人とも離れろ!!!」

司の声に従い訳が分からないまま離れる三人。そして一瞬前まで三人がいたところをダグバの闇の魔力が濁流のように流れ、司が飲み込まれる。

「うぐ…!?クソ…」

「まだだよ。」

ダグバの言葉に司が顔を上げるとそこには先ほどの比にならない大量の剣が司に向かってきていた。

「「「「司(君)!!!」」」

「(ダメだ…躱せない…)」

避けることもできず、回避用のゲートを作る暇もない。しかし

ゴウゥゥゥゥ!!!

司があきらめかけた時、凄まじい風が吹いた。あまりの風に向かってきていた剣は軌道がずれ、司に当たることなく落ちていく。そして風がやむとそこには

「お前…あの時のカラス…?」

カラスがいた。司が以前拾い、短い時間ではあったが怪我が治るまで司の家にいたカラスだ。

「お前何で…いや、お前は…?」

司の疑問と同時にカラスが光りだし、人型になる。そして光が収まると…

「いやいや…折角のクリスマスイブなので司さんの家で待ってたのに一向に帰ってこないので探しに来ましたよ?」

最近親しくなり、友人ともいえる間柄となった

「あやや?どうやら危なかったようですねぇ。」

「お前…文…?」

背中から黒い翼を生やした少女、烏丸 文がいた。






そんな訳で更新!大方の人の予想通り、あのカラスの正体は我らがヒロイン(の一人?)「烏丸 文」でした。

とうとうダグバが本気を出しました。(とは言っても仮面ライダーの通りだと(司君が)絶対に勝てないのでリリカルに合わせた仕様です。)光城から蒐集してるので投影が使用可能となります。因みに司君の技名ですが、結構即興で付けてます。今回の技名は『レッド・デーモンズ・ドラゴン』から。

司君のリミッター解除はクウガで言うと『アメイジングマイティ』です。そして相手はダグバなので次回…?

では感想をお待ちしております。次回をお楽しみに!!




















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