小説『異世界転生物語〜え?リリカル?なにそれ?〜』
作者:ガウェイン()

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やはり八神家が一番やりやすいです。更新です。明けましておめでとうございます。因みに現在時刻は0時30分




-アースラ 医務室-

「いてて…あれ?俺のハーレムは?」

一人の男が目を覚ます。男の名前は『光城神威』。司たちの戦いが終わって回収されてから数日経ってようやく意識を取り戻したのだった。当然ダグバに関する記憶は一切残ってない。

「目が覚めましたか?」

「リンディさん!?…そうだ!闇の書は!?」

覚えていないことについては予想済みだったため、特に驚くことなくリンディは事の顛末を語る。勿論、司の事を伏せてだが。

「そっか…じゃあリインフォースも…(消える前にフラグ立ててイチャラブしようと思ってたのに…)」

「何であなたが彼女の名前を知っているのか果てしなく疑問だけど…彼女は生きているわよ?なんでも消えるための儀式は行ったらしいけど…途中で取り止めになったということで…」

「本当ですか!?(ってことはゲームのシナリオか?じゃあマテリアルの三人も出てくるってことだよな…最高じゃねぇか!)」

闇の書事件に関する事を説明し終えたリンディは光城に向かって今回この場所に来た本当の(・・・)用件を切り出す。

「それから、光城君。あなたは前から管理局に入りたいと言っていましたね?上から正式に許可が出ました。それで配属ですが…」

「(配属?そんなのなのは達と同じだろ?なんたって皆俺に惚れてるんだし…)何処ですか?」

微塵もそんなバカげた妄想を信じて疑わない光城にリンディが管理局員として伝える。

「来月から地上本部の前線部隊です。」

「…はぁぁぁ!?何でそんな…」

「当然、理由はあります。一つ、管理局内の戦力をなるべく均等にするため。二つ、あなたは書類仕事よりも戦闘が多い方が働きやすいと考えたからです。」

「でも地上のヤツらはオレが来ても喜ばないと思いますよ?」

「それについては大丈夫よ。管理局は基本的に人員不足で困ってる状況なの。地上本部はそれが顕著だから、S+クラスの魔力とレアスキルを持ってるあなたはとりあえずは歓迎されるわ。…まぁたとえ、拒否しても上層部が決定したのだし、これはもう確定事項なの。」

「…仕方ないか。じゃ、オレは家に戻って準備してくるぜ!(ま、全く会えない訳じゃないし、その内寂しくなってなのは達の方から合いに来るだろ。それに原作より一足先にスバル達と会えるかもしれないし、悪い事だけじゃねぇ。)」

光城は将来の野望(妄想)を夢想しながら着ろについた。

「光城君は地上の恐ろしさを解っていないわね…いい薬になればいいのだけど。」

リンディの呟きを聞くものはいなかった。



闇の書事件終結より、約一週間後

約束通り、アリサ達に魔法関連の事を打ち明けてから、司はなかなかにハードな日々を送っていた。少しずつ回復してきたはやてのリハビリに付き合ったり、シグナムとのトレーニングに汗を流したり(その後汗を流すという名目で風呂に連れ込まれることもあった)、リインフォースと散歩に入ったり、なのはの作ったと言うケーキを食べたり(しょっぱかった。砂糖と塩を間違えたようだ。)、すずかやアリサの家で動物と戯れたり、フェイトに勉強を教えたりと、とにかく濃密な日々だった。

「(隠し事が一つ無くなって距離が少し縮んだからか?)文!そっちの窓を拭いてくれ!」

「はいは〜い。全く…デバイスにこんなことさせるなんて人は初めて見ましたよ……これから司さんと一緒に暮らす家じゃなければこんな…一緒に…えへへ…」

『マスター、頑張ってください。文さん、しっかりしてください。』

今日は大晦日。司も家の大掃除を行っていた。文は以前言っていた家族と言うのは当然いないので、そのまま司の家に住みついた。しかもオーラと違い人型になれるので掃除も手伝っているのだ。

ピーンポーン

掃除を終え、新年を迎える準備が完璧に終わって寛いでいるとチャイムが鳴った。

「お、来たか。」

「あや?もうそんな時間ですか…」

ピーンポーン

『早く出ないと、外は寒いですよ?』

司が立ち上がり、玄関に向かう。扉を開けるとそこには子犬形態のザフィーラとヴィータがいた。

「遅せえよ!寒いんだから早く出ろっての!」

「すまなかったな。もうすぐ準備もできるから少しだけ待っててくれ。」

大晦日は夜神家と一緒に初詣に行く予定なのだ。

「お待たせしました、司さん、ヴィータさん。」

「おう、本当はシグナムかリインフォースが迎えに来ようとしてたんだけどな…」

「あ〜、あのお二人がですか…そして結局どっちが来るか決まらずヴィータさんが来た、と。」

『容易に想像できますね。』

「?…理解しかねるな…」

「「『…はぁ…』」」

理解できてる女性陣?(守護騎士×1 デバイス×2)と理解できてない司の温度差は結構大きかった。



「ほな、そろそろ神社行こうか?」

夕食を食べ終え、少し経過し時刻は11時45分。神社に向かうにはいい時間だ。司が車椅子を押して皆で神社に着く。賽銭箱に小銭を入れ願掛けをする。

「はやては何を願った?」

参拝を終えた帰宅中、司がふと口を開き、はやてに聞く。

「フフフ…秘密や!司君こそ何をお願いしたんや?」

司の言葉を聞き漏らすまいとシグナムとリインフォースが少し離れたところから聞き耳を立てる。

「…はやての胸が、少しでも大きくなればいいな、と…」

「なんでやねん!?司君は胸が大きい方が好きなんか!?」

はやての言葉を聞いて小さくガッツポーズをするシグナムとリインフォース。

「冗談だ。別に胸なんてどうでもいいさ。」

司はなんでもないように言う。自分の一言で数人の女性にダメージが及ぶことを自覚せずに。

「じゃあ本当は何を願ったん?」

「…みんな、幸せになれればいいな、って…」

「…なれるよ!」

「はやて、その根拠は?」

「だって…司君がおってくれれば私も、シグナム達も、リインフォースも幸せやもん。これからも一緒にいてくれるんやろ?」

(一緒に、か…居れれば良いな…)

はやての言葉を聞き、心の中で呟く。表情には出さない。だから…誰も、司の諦めのような心境には気が付かなかった。

会話は続く。

「確かに、司が居てくれたからこそ私たちは今の幸せがある。」

「闇の書の闇だけならば、管理局だけでも何とかできたかもしれない。でも、あのままでは消えていた私を…心も体も助けてくれたのは司、お前だ。だから私はお前の事が好きなのだ。」

「「!?り、リインフォース!」」

リインフォースの大胆発言にシグナムとはやてが慌てふためく。

(あらあら…シグナムもはやてちゃんも司君をとられちゃうわよ?)

(そういわれても…ってシグナムまで司君の事好きなん!?)

(…ええ、確かに私は司が好きです!愛しています!駄目ですか!?)

シャマルの煽りにはやてが驚き、シグナムは開き直る。そうしている間にも状況は変わっていた。

「むぅ!それならば私だって司さんの事は大好きですよ!実際、私の身体はもう司さんの物なのですから!」

「おい、文。事情を知らない人が聞いたら誤解しそうなことを言うな。リインフォースもそんなことは気軽に言うな。」

「「本気(です)だ!」」

「…え?」

どうやら司は今まで冗談だと思っていたようだ。

「司君!」

「司!」

「な、なんだ?」

状況が理解できていない司にさらに追い打ちがかけられる。

「私、司君の事が好きや!もちろん異性として!」

「私もだ!この気持ちは冗談でも気の迷いでもない本気だ!」

「え…?え?…はやては兎も角、シグナムは好きな人がいるって…」

「…司の事だ!あの時はブラックと呼んでいたが…」

四人の視線が司に集まる。そして…

「「「「司(君)(さん)は誰が好きですか!?」」」」

「そう言われても…」

「「「「はっきりと!」」」」

「…ええい!面倒だ!!仮に、付き合うならば全員だ!誰か1人なんて選べるか!」

「「「「………」」」」

司は本気でそう考えている。そもそもドラマを見て何で浮気で怒るかを本気で疑問に思う人間だ。好きならば何人でも一緒に居ればいい、それが司の考えであり、親しい人達から誰か一人だけを特別扱いできない司の優しさでもある。

「…ぷっ」

「フ…」

「…あ〜」

「ふふ…」

「「「「アハハハハ!!」」」」

普通の女性ならば間違いなく怒るなりするところ。しかし相手は司のそういう部分を知ってなお好きと断言する人間だ。つまり…

「そうやな、それでこそ司君や。」

「そうですね。司さんは常識にとらわれませんしね。」

「器が広いともいえるな。」

「だからこそ皆、司に惹かれたのだろうな。」



「せやから、司君、みんなも。これからもよろしゅうな!」

「…ああ。」





「これからも…か…。」

「どうしたんですか?何やら思いつめたような顔してますよ?」

今は八神家と別れ司の家に向かっている。オーラを除けば司と文の二人だけ。そして二人の距離は出かける前よりも大分近い。文は殆ど抱きついている状態だ。

「…なぁ、文はデバイス…何だよな?」

「ええ、そうですよ?しかし、誰でも扱えるわけではありませんがね。それに司さん以外に使われる気はありませんよ?」

「…もし俺が…突然いなくなったら、お前はどうする?」

「……それっt『マスター!屋根の上に強力な魔力反応があります!!』

オーラが文の言葉を遮るほどの事体と判断したということは相当な物なのだろう。急いで自宅の屋根を見上げるとそこには…

「あら、良く気が付いたじゃない。一晩で四人も彼女作っちゃうなんてすごいわね、あなた。」

司はあったことがない、しかし文にとっては見覚えがある金髪の女性が屋根に立っていた。

「…舞夜(まいや)…でしたか…」

「ええ、この姿で会うのは久しぶりね、文。」

二人は納得したようだが司とオーラはいみが解らない為文に聞いた。

「…文、あの人はいったい?」

「司さん、彼女は夜が舞うと書いて、『舞夜』。私と同じ『星の記憶達(ガイアメモリーズ)』の一つ、『ジョーカー』の夜の姿です。」

「(あの時に剣から聞こえてきた声は子供の様だったが…)夜の姿?」

「そう、私は闇を操る『星の記憶達(ガイアメモリーズ)』。闇が強くなる夜こそ私が真の力を発揮できるの。あの時は寝起きみたいなものだったから違ったけどね。」

一瞬 司が目を放した次の瞬間にはもう目の前にその姿はあった。

「っ!?」

「そんなに驚かないでよ。敵対する気はないわ。」

素早く文が入り込み彼女…舞夜を睨み付ける。が…

「…どういうつもりですか?」

「どうもこうも無いわ。私も彼の事が気に入ったのよ。」

「…何?」

「久しぶりに目が覚めたら目の前に自分を使うに値すると思える相手が居たのよ?気に入るのも無理はないと思わない?」

「まさかとは思いますが…舞夜?」

「ええ、今日からここでお世話になるわ。」

「つ、司さん!何とか言ってやって下さいよ!」

「え?あ〜…これから宜しく?」

「ええ、宜しくね、我が主(マイ マスター)?」

「違います!!ああ!?司さんに近づかないでください!!」

こうして司の家に新たな同居人が増えた。そして翌日…

「つかさ〜、こんなの拾った〜」

「おい舞夜、何でもかんでも拾ってきちゃダメだろ?」

「そーなのかー?」

朝になり小さくなった舞夜が拾ってきたのは…

「こら!放せ!我は王だぞ!?」

「昔の話ですよ、王。それにこの方と我々の相性はすこぶる悪いようですし。」

「シュテルン!!このお兄さんすごい魔力持ってるよ〜!?」


女の子…それもなのは、フェイト、はやてにそっくりの三人だった。






現在時刻午前5時48分。今回は時間的には殆ど進んでないけど内容としては結構進みました。

舞夜のイメージはルーミアです。夜の時は俗に言うEXルーミアです。闇だったので。

司君が早速四つ又です。でも、当人たちが納得してるんだから良いんです。と言うかこれからも増える予定です。

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1月14日 修正しました。

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