最近ヤンデレに興味がある。(若干ね。)
司君side
今日は2月の10日。
最近、身体が思うように動かなくなってきた…あの時から解ってはいたが、しんどいな。ま、これも俺の選択の結果だし、後悔はしてない。さて、いつまでもつかな?
『マスター?もしや…』
「ああ、そろそろだな。」
オーラが悩んで、言葉を発する。
『………私は…マスター以外に使われる気はありません。』
「フ…お前みたいに優秀な奴が相棒で、俺は幸せだな。」
光達もこの一か月で問題なく日常生活は送れるようになったし、葵は心配だけど、助け合えば大丈夫だろ。
「本当に、幸せだよ。なぁ?」
司君side out
なのはside
あのお正月から早い物でもうすぐ2月14日…そう、ヴァレンタインです。司君に上げるためのチョコをお母さんに教えてもらいながら練習してます。あれから司君は私達…8人と付き合っています。本当はあんまり良くない事だと解ってはいるんだけど司君は受け入れてくれたし、フェイトちゃんやアリサちゃんも納得してるから問題ないの。でも、まさかシグナムさんやリインフォースさんまでとは完璧に予想外なの。
そういえば最近司君の様子が変なんです。確かに前から授業を真面目に聞いてることは少ない…ほとんど無かったってフェイトちゃんが言ってたの。(成績は良いから先生も強く言えないんだって。)でも最近は、なんていうか上の空…て言うのかな?
呆っとしてることが増えて、体の調子が良くないってぼやいてたの。最近は家のお店にもあんまり来てくれないから甘い物も食べてないって言ってたし、甘い物が不足してるのかな?…チョコ、喜んでくれると良いな。
「ほら、なのは。チョコこぼれてるわよ?」
「ふぇ!?」
お母さんに言われて気が付く。私も司君の事上の空って言えないの…
なのはside out
フェイトside
「フェイトちゃんはヴァレンタインデーのチョコどうするの?」
なのはの言葉を聞いて最初に出てきた感情は疑問だった。
「ヴァレンタインデー?確か昔の神父の命日だよね。チョコってどういう事?」
「え!?だってフェイトちゃん、ヴァレンタインって女の子が好きな男の子にチョコを上げるんだよ!?」
「……え!?」
地球に来るときに大体イベントの日とかは覚えたつもりだったけど初耳だった。あとからリンディさんに聞いた話だと日本独自の文化らしい。それじゃあ解らない筈だよ。
『つ、司!このチョコ…受け取って!』
『へぇ、フェイトが作ったのか。それはとても美味しいんだろうな。でも・・・』
『え?』
『俺はチョコよりフェイトの方が食べたいかな…?』
「…トちゃん?フェイトちゃん!?」
…ハ!?いけない。私なんてこと妄想して…なのはが呼びかけてくれなかったら危なかった…私、顔ニヤケたりしてないよね?
「教えてくれてありがとうなのは!私、頑張ってチョコ作るよ!」
なのはにお礼を言って急いで家に帰る。
「ただいま!リンディさん。あの…」
「あら、お帰りなさい。チョコの材料なら準備してあるわよ?」
「…え?」
何で?私まだ何も言ってないよ?
「司君に作るんでしょ?チョコ。」
「…うん。ありがとう、リンディさん。」
レシピ本まである…リンディさんには敵わないな…
「いつになったら‘母さん’って呼んでもらえるかしらねぇ?」
リンディさんが言った言葉には気が付かなかった。
フェイトside out
八神家side
「もうすぐヴァレンタインやなぁ」
はやてがその言葉を口にしてヴィータが反応する。シグナム達も聞いてはいるがあまり興味は内容で本を読んだり、掃除をしたりしている。
「あん?そういや最近矢鱈と聞くな。一体なんなんだ?はやて。」
闇の書の騎士として闘ってきたから知らないんだろうと思い、はやてが教える。
「ヴァレンタインってのはな?女の子が好きな男の子にチョコを上げる日やねん。」
ガタン!!
トサ!!
何かが床に落ちたような音が響く。はやてがそちらを見ると其処には
「・・・・・・」
「・・・・・・」
未だにブオォォォと音を立てている掃除機を落とした体制のまま固まるリインフォースと、読んでいた本を落としたまま固まるシグナムがいた。
「あ〜…どないした?二人とも?」
「何固まってんだよ?」
「「主はやて!詳しく教えて下さい!!」」
はやてとヴィータの声を聞いた時には、はやてに掴みかかるんではないかという勢いで迫る二人と…
「あの、リインフォース?掃除は…?」
「聞こえていないようだな。」
未だにブオォォォと音を立てたまま放置されている掃除機を前に困っているシャマルと、我関せずと言った風情のザフィーラがいた。
その後はやて、シグナム、リインフォースは協力して手早く掃除を終わらせ、チョコ作成にかかった。
八神家side out
すずかside
もうすぐヴァレンタインデー。普通はありえないかもしれないけど司君は私達全員と付き合ってるんだから。今年は司君にヴァレンタインチョコを作るんだ。でも…自信ない…
「お姉ちゃん、恭也さんにチョコ作るの?」
「当然でしょ?そういうすずかは愛しの司君に作らないの?」
い、愛しの!?
「そ、それは…」
「フフフ、わかってるわよ。一緒に作りましょ?教えてあげるわ。」
「…うん!」
お姉ちゃんと一緒にチョコを作る。好きな人がいるってこんなに素敵なことだったんだ。楽しみだな。
すずかside out
アリサsida
「材料はこんなもんね。」
大丈夫。何回もレシピは確認したし、自分の腕を信じれば美味しく出来る筈。
「絶対に司に‘美味しい’って言わせるんだから!…ライバルは多いけど、ね。」
そうよ、きっと司はこれから成長するにしたがってどんどん恰好よくなって、しかもなんでも受け入れちゃうから凄くモテモテになる。今はまだチャンスなんだって私の勘が告げてるわ。
「待ってなさいよ…。何よ、今はまだライバルはたった7人…やってやろうじゃないの!」
見てなさい…最高のチョコを作ってやるわ。
アリサside out
文side
さて、もうすぐヴァレンタインです。フフフ…私は実はチョコは得意なのです。なにせ私は主を探して旅をする星の記憶達≪ガイアメモリーズ≫なんです。世界中を回っていましたし、当然、ベルギーなどのチョコが有名な国にも行きましたし、気に入ったものは何回も作りました。(デバイスだから食べる必要はないんですけどね、好きなんだから良いじゃないですか。)
「待ってて下さいね、司さん。本場で鍛えた腕前とたっぷりの愛情で最高のチョコを作って見せますよ。」
それに私はインタビューで司さんの好みも知っていますし、一つ屋根の下に住んでいるのですから他の人よりはアドバンテージがあります。それに…
「最近司さんは少し元気がないですしね。…チョコを私の身体に塗りたくって、リボンで巻いてプレゼント、なんて良いかもですね。」
想像してみる。………うん、恥ずかしい。
「アヤヤ…今の私は若干テンションが高いですね。」
光さん達に教えることも特にないですし、頼まれたことはこなしましたし…
「これはもしやお礼を期待してもよろしいですか?司さん。」
誰も居ないにもかかわらず声に出す。そうでもしないと先ほどから顔が熱くってオーバーヒートしてしまいそうです。
「あ、チョコに唾液と血を混ぜたら私と司さんが一つになれるような気が…」
…いえ、無いですね。そんな事するくらいなら正面から堂々と唇を奪いに行きますよ、私は。
「楽しみにしててください、司さん。」
今から楽しみです。
文side out