小説『ソードアート・オンライン 未来から転生した魔王少年のお話し』
作者:沙希()

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第3話 滅茶苦茶な進み具合に驚愕と強盗犯の末路





あれから一週間が普通に過ぎた
エミルとユウキはあれから滅茶苦茶を通り越す勢いでゲームを進めていた
敵を千切っては切り裂き、ボスは高笑いしながら今にも泣きそうな顔をしながら逃げ惑うボスを追いかけては潰しては粉砕を繰り返してきたエミルとユウキ
全く以て冗談ではないほどの進み具合を発揮させたのだ、この1週間で、なんと茅場自身は、2人に伝えていないが、100層あるアインクラッドを89層まで上り詰めたのだから




別段ボスや敵が弱いわけではない
エミルが異常なだけであって、全く以てレベルなんて皆無でも89層は行けるだろうの勢いだったのだ
これぞ魔王クオリティーであるのだろう



「前々から突っ込みたかったが、やはり異常だな、エミル」



「いや、別に普通だと思うよ?後茅場、訊きたい事があるけど、『魔王』ってスキルに付いてだけど」



「あれは私も知らない。何時の間に勝手に作られてあったからな、私も驚いたよ。で、『魔王弟子』なんていうスキルもだけど」



「でも分かったと言えば、エミルが戦闘で無い時や、現実世界に戻ると普通の口調に戻るとだけは分かった。エミルったら、戦闘中は絶対に偉そうな口調になるし、それに戦闘狂みたいに大暴れするし。何層かのボスはなぜか闘うたびに怯えてたか、涙目になった様に見えた」



「これぞ魔王クオリティーと言うやつなのか?まぁ、良いとして。2人とも、どうもありがとう。お陰で良いデータが取れた色々と改善点とかを見つけれたから・・・・・・・モンスターの強さや難関度とか・・・・」



「ま、まぁ、そこは分かりますね。あはははは」



「取り敢えず正式な開始はまだ先だよね?」



「まぁな。正式に始める数日前にβテスターの当選をするつもりなんだ。あ、勿論エミルやユウキちゃんはテスターとして参加して貰いたい」



「また?今さっきやったばかりだってのに」



「すまない。なんならこの1週間のデータをそのままにして送ろう。それでいいか?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、いいかな。じゃあ、レベルは72から10にしてほしい。防具や武器はそのままでいいから。どうせ取り外せなかったし」



「私もそれで良いです。レベルはエミルと同じ10で、武器はシュバルツ・シュ―ストツァーンで防具は変えてないからそのままでいいです」



「分かった。後でナヴ―ギアにインストールしておくから。この1週間、お疲れ様」



「あぁ」「お疲れ様で〜す」



エミルとユウキはそう言って研究所を出て行くのであった
出て行く際、他の研究者達がエミルとユウキのゲームの進み具合に驚愕し、なんでも落ち込んだそうな
自分達がテスターとして行ったモノの、1週間で80層も行けるはずがないのにあの2人は簡単に行けたのだ
なので今後からゲームの難関度が2ランクくらい上がるのは、2人は知らなかった











僕はユウキと並んで帰っている
今日は何時もの道では無く、遠回りの道
ゲームが終了したのは朝なので僕とユウキは遠くにある銭湯へと向かうのだった。



「あ、お金下ろさないと」



「じゃあ、あそこ銀行に行こう。はぁ、着替え持ってくればよかった」



「ゴメン。僕がうっかりしてたから」



「エミルのせいじゃないよ。取り敢えずほら、銀行でお金下ろそう」



「そうだね」



そんな会話をしながら郵便局の隣にある銀行に入ろうとしたとその時



――――――パンッ、パンッ!!――――――――――



『おらぁ!!テメェら大人しくしてろ!!』



『キャァアアア!?』



『ご、強盗だ!!』



銃声が隣の郵便局で響き渡り、僕とユウキはその場で立ち止まる
中を覗くと、銃を持った男2人が人質を取っており、局員に大きなバッグを差し出し、お金をそこに入れろと強調している
捕まっているのは、3〜40代の女性で、娘らしき女の子が震えているのだった。
その瞬間・・・・・・・・・俺の中の何かがキレた



「ユウキ。金はお前が下せ。俺はアイツ等を殺し、もとし、犬神家にしてやる」



「ちょ!?エミル無茶だよ!!いくら喧嘩が強いからって無理ありすぎだって!!ここは警察に「今更呼んだとしても人質かその場に入れ奴等が死ぬかもしれねぇんだ。おちおち待ってるのは、性にあわねぇ」・・・・・あぁ、そうだよね。エミルはそう言う人だったよね・・・・・・・分かった。無事で居てね」



「俺を誰だと思ってやがる?SAOの灼眼の魔王だぞ?」



「カッコつけないの」



冗談を言い合い、緊張をかき消した後、俺はあのカス2人の元へと向かうのだった
さぁ、テメェらの死神のお出ましだ!!














私は、目の前の男2人に腰を抜かしている
お母さんを助ける為に、私はあの2人が持っている銃を奪う算段を立てている
立って、ほんのわずかで良いから立って!!



「おい、餓鬼。大人しくしていろ!!」



「キャッ!」



私は髪を掴まれ、持ち上げられて投げ飛ばされた
体を起こし、痛みに耐えながら私はキッと2人を睨みつける



「あん?なんだその眼は?なんか文句でもあんのか?」



「お母さんを返して!!」



「馬鹿が、返すわけねぇだろ。なんなら代わりにお前が人質になってくれるのか?」



「くっ、ふざけるな!!」



「うるせぇ!!」



男はそう言って銃の尻の部分で私の頭を殴る
痛い
今まで感じなかった痛みに、私は頭を押さえる



「もういい、死ね。煩い奴は嫌いだ」




そう言って一人の男が銃を構える
うそ、ここで死ぬの?
嫌だ、そんなの・・・・・・・・嫌だよ
御父さん・・・・・・お母さん・・・・・・・死ぬのは・・・・・・嫌だよ



「じゃあ、お別れだわっ!?」



「なっ!?誰だおまえは誰、がはっ!?」



目を閉じ、死にたくないと思っていたその時、男達に違和感があるのに気が付くのだった
不意に目を開け、私は顔を上げると、そこには金髪の男の子がいるのだった
片手には鉄パイプを一本持っており、銃を持っていた2人の男は頭やお腹を押さえて倒れている



「オラオラ、どうした?この程度か?つまんねぇな、お前ら。強盗なら、せめて腹にダイナマイトでも仕込んできな」



「ガハッ!て、テメェ何者だわっ!?」



一人の男が何かを言おうとしたが、男の子は鉄パイプを振りかぶり追撃する
何度も言葉を発想とするたびに一撃一撃叩きこんでいるのだ
か、可哀想・・・・・・・・・
さっきまで恨んでいた2人に同情してしまう私である



「うっせぇな、俺が誰なのかどうでもいいだろ?さぁて、ゲームをしよう。今俺の手には2本の銃がある。どれか一つが弾丸は取り除き、たぶん入っていない。俺が後ろに隠すからどっちの銃か右か左のどちらかを選べ。そうすれば、1人は助けてやる」



「な、ふざけるな!!そんな、そんな事するわけ「じゃあ、テメェが代わりに死にてぇか?そうか、なら殺すか」ま、まま、待ってくれ!!やる!!やるから待ってくれ!!」



「お、おい、相棒!!いいい、良いのかよ、こんな奴こと信じて!?」



「どの道、コイツの言う事を訊かないと殺される!!」



「おう、分かってんじゃねぇか。利口な奴は俺は好きだぜ?さて、さぁどっちの銃が欲しい」



そう言って銃を後ろに隠し、かがんだ状態で2人に問いかける男の子
発想がえげつなくて、確実に1人が死んでしまうゲームを今目の前でやっている
周りの人達は、男の子に視線を集中させているのだ



「お、お俺は右で」「なら、俺は左だ」



「さて、じゃあ、そのままの状態でいな」



そう言って男の子は立ち上がり、後ろから銃を取り出し構える
男達は、次の瞬間声を上げた



「お、おい!!話しが違うぞ!!」



「な、なんで弾丸が入ってんだよ!?」



「あん?誰も確実に2つに弾丸を仕込まないって言わなかったぜ。じゃあ、そう言う事で、2人仲良く、くたばれや」



「「ま、待てくれ」」



「待たない」



――――――バァアアアアアアッン!!――――――――――



銃声が、郵便局内全体に響き渡るのであった
誰もが目を瞑っており、私も目を瞑っていた
数秒後、私は目を開けると男の子の持っている銃から煙が出ているが・・・・・・・・・・・弾丸は出ておらず、男達2人は泡を吹いて気絶しているのだった



「あっはっはっは!!本物の弾丸なんて入ってるわけねぇだろ。さっきお前らから奪い取った時、火薬だけしかない奴を詰めてたんだから出るわけねぇよ!!」



などと言っていた
と、と言う事は、2人は弾丸が装填されていると思っていたので空砲だと知らず気絶してしまったのか・・・・・・・
そんな事を思っていると、男の子が私に近づき、しゃがみこむ



「ヒデェ面だな、殴られた跡があるぜ。ほら、これで拭きな」



「あ、ありがとう」



「気にすんな。おい誰か?警察呼んだ奴いねぇか?」



「あ、それなら私が・・・・・」



「なら良いか。まぁそこで泡吹いてションベン垂れてる2人は縄でも縛って動けなくしておきな。さて、銃は、まぁいいか」



そう言ってゴミ箱に投げ捨て、そのまま入り口の所まで行き、どこかに行ってしまった
あ、お礼を言うのを忘れてた



この事は、謎の金髪少年が勇敢にも銃を持った男2人に立ち向かい、局員や民間人を助けたことでニュースや新聞で大きくとられており、顔写真まで写っているのだった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、名前、訊いておけばよかったかも
正直、彼の去り際を美化させ、カッコよかったなぁと思ってしまった


-6-
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