小説『Zwischen??Detectiv?』
作者:銀虎()

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(協奇色)
知り合いから得られた情報は、新聞報道やニュースと大差がないものだった。
あの日の足どりを天は、報道や得られた情報をもとに追いかける。収穫はない。警察が駆けずり回って大した情報が得られない、その中で女子高校生が一人で動き回ったところで何が得られるのだろう。憂鬱に染まっていると、
「情報は集まったのか。」
楓が立っていた。携帯を片手に持っていた。
「小娘が一人で動いて何がわかる。援交に誘われただけ。」
自虐的に哂う。
♪〜〜♪〜〜
天の携帯が鳴った。
楓からのメール。
「僕からのプレゼント。」
長いスクロールを必要とするメール。
「数馬からは、もう貰ったぞ。」
天は柔らかく笑った。
「こっちは、電脳ワールドじゃない。」
楓は、皮肉っぽく返す
「どこから。」
天は楓の有る部分を知らない。楓が暴走族・百足衆の情報部隊・紅葉の部隊長であることを
そして、そのことを楓も天にばれない様にしてきた。

「秘密。」
人差し指を唇につけながらいった。笑みは深い影が宿っていた。
「もう、遅いぞ。帰ろう。」
影のかかる笑みは一瞬で消えて、いつもの笑みが戻った。
「俺、ロッカーに部活の道具、預けているから持ってくる。」
楓がこんな笑みを浮かべる事は、少ないことじゃないから、
「バス停で待ってる。」
楓は、歩き出した。天と反対の方向に、

東静山駅コインロッカーコーナー
「えっと・・502はぁ。」
といって、鍵を片手にロッカーの番号を探す。
後ろから近づく蒼い影。手袋をした手が、天の肩にかかる。
無関心化の進む日本人、誰も気にとめない。
警棒を避けて、帽子をかぶった。その男の手は完全に、天の肩を捕えた。


「どうしましたか。」
警察官・・・・・若さにして、20代の前半で結構な若さだ。
「在賀先輩。」
肩をいきなり触られて、ビクッッと震わせたが、すぐに笑顔に戻った。

在賀 球児
一昨年前の卒業生で、軟式野球部の正選手(一塁手)そして、同年代の天のソフトボール部の一つ上の先輩の彼氏で全国クラスだった軟式野球部の主力選手の一人、天に一塁手の技術を教えてくれた人。

「元気。」
「はい。」
在賀と天は話し出す。
「庁野先輩元気ですか。」
庁野とは、当時からの彼女で、天の先輩の名前。
13分経った位。

「天・遅いぞ。」
楓が待ちくたびれてやってきた。
「あっっ。ごめん。」
在賀に向けた。数倍の輝きの笑顔をして、天は楓に謝った。在賀は少し引き攣る笑顔になった。

「彼氏。」
球児は、トーンの上がる声で聞いた。
「いえいえ。」
天は、そういって天は手を振って、ロッカーから荷物を出してバス停に向かった。そのあとに、携帯を取り出して画面を見ると球児は舌打ちした。

「先輩か。」
「軟式だけどね。守備を教えてくれた人。」
天は、バスの中でそう会話をする。

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