小説『黒子のバスケ〜超越した者〜』
作者:蒼炎(小説家になろう)

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*過去の僕達*


「―――でさ〜、…って光哉?どうしたの、ぼーっとして?」
優奈は楽しそうに話していたが光哉の様子を見て話をやめる。

「っえ?あぁ、ごめんごめん。ちょっと昔の事を思い出していてさ。」
光哉は懐かしそうに目を細めて言う。

「昔って言うと…、テツ君といた頃ですか?」
綾乃はそう尋ねる。

「うん、そうだよ。あの頃は2人で約束したんだよなぁ…。…元気かなぁ、テッちゃんは。」
光哉は過去に思いをはせる。








―――小学6年生のころ
『なぁ、テッちゃん。中学はどこ行くの?』
光哉は公園で黒子と遊んでいる最中にそんな事を聞いた。

『僕ですか?…帝光中に行こうと思っています。』
黒子は少し黙ったあとそう言った。

『え!?帝光中ってバスケ強いトコじゃん!!』

『はい。僕は帝光中でバスケがしたいんです。…僕は下手ですけど。』

『いやいや、下手じゃないって!普通の人より十分うまいじゃん。…そっかぁ。じゃあ、中学じゃ敵になっちゃうのか…。』
光哉はそうつぶやいた。

『敵ってことは、光哉は違うトコに行くんですか!?』
そんな言葉を聞いた黒子は驚いたように尋ねる。

『うん、城磐中ってトコに行こうと思ってる。そこもそれなりだし。…それに、始めっから強いトコではやりたくないしね。』
最後は強がりとも本気とも思えない言葉を紡ぐ。

『あぁ、光哉はそんな性格でしたね…。じゃあ、お互いに頑張りますか。』
黒子はそう言う。

『そうだね。…ねぇ、1つ約束しない?全中で戦おう。もちろんお互いに本気で。』
光哉は出し抜けにそう言う。

『えぇ…、勝てませんよ。『チーム同士だよ?』…それなら…。っていうか、出れるか分かりませんよ?』
黒子は承諾するが、1つ疑問をぶつける。

『う〜ん、そればっかりは…。そこは実力で!!』
最後は光哉らしい発言だった。

『無茶苦茶ですね、相変わらず。まぁ、いいですよ。約束しましょうか。』
そういい、お互い笑顔で握手する。そしてその約束はすぐに果たされることとなる。






『おーい、…あれ、テッちゃんは?』
全中バスケの会場で光哉は帝光を見つけると駆け寄る。しかしそこに黒子の姿はなかった。

『あん?誰だオマエ?…つーか、テッちゃんって黒子テツの事か?』
肌の黒い男が反応する。

『うっわ、くろ―『おい、聞けよ!?』あ、ゴメン。そうそう、そのテッちゃん。居ない?』
一瞬見とれるが促され、我に返り尋ねる。

『テツなら3軍だ。』

『そっか…。ありがと!おれ、1年の虹坂光哉っていうんだ。』

『!…へぇ。お前も1年か。おれは青峰大輝だ。ま、戦う時はよろしく。』
お互いに自己紹介をして別れる。






―――準決勝
『お?大輝〜!!』

『あ?…なんだ光哉か。何の用だよ?これから試合なんだ、コッチは。』
青峰は光哉にそう言う。

『え?次の対戦相手俺らだから挨拶に来たんだけど…。』
その反応が予想外だったのか若干トーンが落ちる。

『マジで!?ワリィ、俺良く見ないからさ。んじゃ、よろしくな。』






『―――それでは、帝光中対城磐中の試合を始めます!!』
『『『『宜しくお願います!!!』』』』




『またアイツだ!!』
光哉達の試合を見ている観客がそう言う。その視線の先には光哉がいた。
――ダムッ、キュキュッッ!!シパッ!!

『決まったぞ!!何本目だ!?』

『それよりもあの動きはなんだ!?リズムがでたらめだぞ!?』
光哉のプレイが信じられないのか観客はそう言う。

『ハハッ、やっぱバスケっていいなぁ!!』
光哉は楽しそうにプレーする。しかし、スコアは69対57と劣勢だった。

『すごいな光哉!!俺も負けねぇ!!』
青峰も火がついているのか、果敢に攻める。が、
ダダムッ、キュッ!

『残念!通さないよ!』『チイッ!!』
光哉が立ちふさがる。青峰は周りにパスを出す。受け取った選手はシュートを打とうとするが、
ヒュッ、バゴオッ!!

『させねぇ!!』『!?…クソッ!』
光哉がブロックをする。そう、ここ第2Qまで光哉1人でチームを支えていた。しかし、それも限界を迎える。



―――ッパ!!
『きた3P!!』

『ッはぁ、ッはぁ…。くっそぉ。まだまだ…。』
光哉は限界が来たのか動きが鈍くなる。そんな様子を見た帝光メンバーはどんどんポイントを重ねていく。そして―――
『!?光君!!』
綾乃は光哉の異変に気付き、叫ぶ。光哉の体力が切れて足を止めたのだ。

『光哉…。オマエはよくやったよ。ただ、周りが弱か『だまれ青峰!!』…っ。』
青峰は光哉にどなられ黙る。

『俺がどうこうは良い。けど、周りの事は…っ。』

『分かったよ…。…お疲れさん。』

青峰はそう言い、離れる。光哉は追いかけるほどの体力は残っていなかった。



―――ピピーーーッ!
『試合終了!!―――97対62で帝光中の勝ち!!』
『『『『ありがとうございました!!』』』』


『光哉…。』
黒子は観客席から光哉の様子を見ていた。
『いつか、君が―――』








「―――あの時は1人でやったっけ。体力続かなかったけど。」
光哉は苦笑しつつ、そうつぶやく。

「そうだね、光君あの時はすごかったね。」と綾乃。

「でも、今度はもっと強くなってるんでしょ?」と優奈。

「期待されてるなぁ。まぁ、がんばるさ。誠凛だっけ?俺らの行くとこ。」
光哉はそう尋ねる。

「そっ。ついでに言うならテッちゃんも一緒だからね♪」
優奈はそう付け足す。

「ほんと!?うわぁ、なんかテンションあがるなぁ!楽しみだなぁ。」
そんな事を話しながら彼等は足を進める。


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いかがでしたか?……はい、更新が遅くてすいません。
先に一言入れておくのを忘れていました、すいません。更新速度は大体週一になると思います。理由としては平日の生活では更新、執筆が難しいという状況なので休日のどちらか、または両方に更新させていただきますのでご了承お願いします。

では、感想お待ちしています(^o^)ノシ

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