小説『絆の決闘者と夜天の主』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 ――とある次元世界。


 「本当にこんな所に、魔力を持った奴が居んのかよ?」

 「リーゼの持ってきたデータだとそうなってる。計算上は5〜10項位は埋まる程度の魔力が有るはずだ。」

 目の前に広がるは、見渡す限りの大平原。
 リーゼから渡されたデータから、この場所に住む高い魔力を持った生物から魔力を蒐集に来たのだ。

 ここにやって来たメンバーは、遊星、はやて、ヴィータ、クロノ、そしてユーノ。
 元々はやてとユーノは来る予定ではなかったのだが、はやてが自分も行くと言い出した為、急遽『結界魔導師』のユーノが同行となった。

 まぁ、はやてとしても只、気まぐれや興味で言ったのではない。
 闇の書の主として『魔力蒐集の仕方を覚えたい』と言う気持ちがあったのだろう。

 「せやけど、なんや気が進まんなぁ…私の為に動物攻撃すんのは…」

 「気にするな、はやて。データを見る限り、今から戦おうとしてるのは、元々はこの場所には居ない生物だったらしい。
  何らかの原因で、この世界に迷い込み、生態系を破壊しつくしている凶暴な生き物だと言うことだ。」

 「そうなん?」

 それでも、他の生物から魔力を蒐集するという事に抵抗感があるはやてに、遊星は気にするなと言う。
 実際、此れから対峙する生物を倒さないと、この世界の生態系は1年で滅びるらしいのだ。

 「らしいぜ?だからはやてが気にする事はねぇよ。要は害虫駆除見たいなモンだって!
  アタシ等は魔力が手に入って、此処の奴等は助かる一石二鳥って奴だぜ。」
 「それを言うなら一挙両得やで?」
 「!!!わ、態とだよ態と!」

 胸を張っていうヴィータの、ちょっとした間違いをはやてが指摘すれば途端に真っ赤になって負け惜しみの一言。
 此れから戦うとは思えないほどの和やかな雰囲気だったが…

 「!……クロノ、ヴィータ!」
 「あぁ、来る!」

 遊星とクロノが何かの気配を感じ取り、一行は戦闘体勢を取るのだった。









  遊戯王×リリカルなのは  絆の決闘者と夜天の主 クロス17
 『狩り?否、魔力蒐集だ!』









 遊星達が何かの気配を感じ取ったのを肯定するように、現地の野生生物と思われる動物達が弾かれたように走り抜けて行く。
 犬や猫の様な動物に、鹿や馬、大型の飛べない鳥に、サイや牛、果ては象やキリンのような動物まで。

 「…ピンクのキリンてなんやねん…」
 「音速ダッグ…実在していたのか。」

 流石に今まで見たことも無い動物に遊星とはやてはちょっと、いや、(遊星は表情からは分かり辛いが)可也驚いていた。

 だからと言って気は抜かない。
 遊星、クロノ、ヴィータの3人はデバイスを起動させ前を見据える。

 「…其処だ、スティンガー!」
 「強化後の初陣だ、行くぞアイゼン!うらぁ!ぶっ飛べぇ!!!」
 「Jawohl.Schwalbefliegen.」

 先ず先に動いたのはクロノとヴィータだ。
 2人とも、動物達が走ってきた後方に見える土煙に向かって、クロノは魔法弾を、ヴィータは魔力を込めた鉄球をアイゼンで、夫々撃ち出した。

 「あの土煙だと、潜ってるのは相当に大きな生き物だな。」

 遊星は、まだ動かずに相手を見極めようとしている。

 さりとて、クロノとヴィータの攻撃が止まることは無く、見事に土煙の発生源に命中し爆発が起きる。
 特に強化されたアイゼンで放たれたヴィータの一撃は凄まじい。


 「すっげぇ…前よりもずっと使いやすくなってるぜ!やったか!?」

 「…!いや、未だだ!!」

 手応えはあった様だが、決定打にはなり得ては居ない。
 逆に今の攻撃で刺激され、土の中から、こちらに向かって来ていたモノの正体が現われる。

 「Ghaaaaaaaa!!!」
 「Whyyyyyyyy!!!」


 それは2体の巨大なムカデの様な生き物で、1体は紅く、もう1体は蒼い。
 だがその大きさは少なく見ても10mは有りそうな巨体。
 此れならば確かに全ての現地生物を喰らい尽くしてしまってもおかしくは無い。

 「まるでダンジョン・ワームかデビル・ドーザーだな。行くぞステラ!デュエル!!」
 「了解です。」
 遊星:LP8000   SC0

 相手の正体を確認した遊星は、猛スピードでステラと共に飛び立つ。

 「スピードスペル『Sp−オーバーブースト』発動。このターンのエンドフェイズ時にスピードカウンターを1にする代わりに、スピードカウンターを4つ増やす。」
 遊星:SC0→4


 「更に『Sp−エンジェルバトン』。この効果でデッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。
  スターダスト・シャオロンを墓地に捨てる。更に手札のボルト・ヘッジホッグを墓地に捨てクイック・シンクロンを特殊召喚。」
 クイック・シンクロン:ATK700


 「俺のフィールドにチューナーが存在する時、墓地のボルト・ヘッジホッグを特殊召喚できる!」
 ボルト・ヘッジホッグ:ATK800


 早速の大量展開は最早お決まり。

 「アレが彼の戦い方か。なのはから聞いてたけど実際見てみると凄いね。」
 「うん。やけどなユーノ君、遊星の真骨頂はここからや!」

 初めて見る戦い方に、眼を丸くするユーノに、はやては此れからこそが本番だという。
 勿論その通りだ。

 「レベル合計7…おし、行っけ〜〜!遊星!!」

 「あぁ!レベル2のボルト・ヘッジホッグに、レベル5のクイック・シンクロンをチューニング!
  集いし風が、勝利へ導く。光射す道となれ!シンクロ召喚、唸れ『ターボ・ストライカー』!」
 「ムゥゥアァァ!」
 ターボ・ストライカー:ATK2700


 「2体の召喚獣が1体の強力な召喚獣になった!?」
 「せや、此れが遊星の得意技『シンクロ召喚』や!」

 2体の状態では、然程強くない…言ってしまえばユーノ1人でも倒せる程度の召喚獣が、1体になりその力は比べ物にならないほど強くなっている。


 「この前、なのはとフェイトとの模擬戦の時の召喚獣とは違うな。一体遊星はどれだけの召喚獣を従えてるんだ?」
 「さぁな。けどアレはアタシも初めて見る奴だが、ぜってーとんでもねぇ能力持ってやがるに違いねぇ。」

 勘が鋭いというのか何と言うのか、ヴィータの言う事は間違っていない。

 「ターボ・ストライカーは自分の墓地の魔法カード1枚に付き攻撃力が100ポイントアップする。
  俺の墓地には2枚のスピードスペルが存在している。よってターボ・ストライカーの攻撃力は200ポイントアップする!」
 「オォォォォォ!」
 ターボ・ストライカー:ATK2700→2900


 「更に。ターボ・ストライカーはバトルフェイズ中、全てのモンスターに1回ずつ攻撃する事が出来る。
  そして、今の状況では俺が認識した全てのターゲットに攻撃は拡散される!
  行け、ターボ・ストライカー!2体の巨大ワームを攻撃、『アクセル・ブラスター』!!」

 放たれたエネルギー波は、寸分狂わず2体のワームに直撃し、可也のダメージを与えたように見える。

 「な、やっぱりすげぇ能力持ってただろ?」
 
 「本当だな……だが、感心してる場合じゃない。一気に畳み掛けるぞ!」

 「分かってらぁ!!」

 そして、追撃とばかりに、

 「ブレイズ…カノン!」

 クロノが砲撃魔法で蒼い方を撃ち、

 「行くぞアイゼン!」
 「Jawohl.Gigantform.」

 「行っけ〜〜!ブゥゥチ抜けぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 ヴィータがアイゼンを巨大化させての一撃『テートリヒ・シュラーク』で紅い方を文字通り打っ飛ばした。


 「うわっ、遊星もヴィータもクロノ君も凄いなぁ…今度はやったやろ。」
 「多分。少なくとも紅い方は、もう動けない筈だよ。」


 あまりに凄い連続攻撃に土煙が舞い上がる。
 今の攻撃は初撃以上に手応えがあった。
 可也大きなダメージを与えた事は確実だろう。


 「…Guuuuu…」

 土煙が晴れると、其処には蒼い方が辛うじて鎌首を持ち上げている状態だった。
 紅い方も生きてはいるが、もう動く事は出来そうにない。

 だが、

 「G…Guwgyhaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

 突然、蒼い方は咆哮を上げ、何と紅い方に噛み付いた。

 「「「「「!!??」」」」」

 突然の事に驚く遊星達を尻目に、蒼い方はそのまま紅い方を喰いちぎりその身体を貪り始めた。

 「あ…あ、あないな事…」

 行き成り目の前で起きた光景に、はやての顔は青ざめ身体が震えている。
 確かに、たった9歳の女の子にはあまりにもショッキングな光景だ。

 「く…ユーノ、はやてを連れてアースラに戻ってくれ。」

 「え!?」

 「これ以上はやてには見せらんねぇって言ってんだ!分かったら早くしろ!!」

 遊星とヴィータに言われ、ユーノは慌ててアースラに引き返そうとするが、

 「ダメや!戻ったらアカン!…私が自分で選んで此処に来たんや…逃げたらアカン。ちゃんと蒐集までやらんと…な?」

 はやてがそれに待ったをかけ、此処に残ると言った。

 本音は相当に怖い筈なのにも係らずだ。

 「も、勿論な、本音は怖い。けど遊星とヴィータが護ってくれるやろ?」

 「勿論だ。」
 「当然だ。はやてはアタシが護る!」

 「やったら大丈夫や。勿論クロノ君とユーノ君の事も頼りにしてるで?」

 「……分かった。」
 「そうだな、君の決意を無駄にはしたくない。」
 「はん、やってやるぜ!」

 その決意に、遊星、ヴィータ、クロノははやてが残る事を是とする。

 「あ〜…もう。だったら僕も残るしかないね。3人は攻撃に集中して。僕が全力で防御は担当するから。」

 ユーノも、押される形で残留決定。
 再び、戦闘態勢を取る。


 ――バリバリ、メキ、ムシャムシャ…


 そんな中でも捕食は続き、遂に全てを平らげてしまった蒼い巨大ワーム。


 「Gooooawyyyyyyyyy!!」


 その姿が大きく変わった。
 巨体は更に大きくなって頭は2つに増え、先程受けたダメージは完全回復。
 力も更にましているように感じる。


 「捕食する事でその力を増すのか?見た目はデビル・ドーザーだが能力はセルケトかグリード・クエーサーだな。」

 そのおぞましい能力に、遊星も顔を顰める。

 「カードを2枚伏せてターンエンド。」
 遊星:SC4→1


 オーバーブーストのデメリットでカウンターは1になるが、結果としては1つ増えた状態だ。
 だが、この強化ワームは、先程よりも強い。
 できるだけ時間を掛けずに倒したいのが本音だ。


 「へっ!でかくなりゃ良いってモンじゃねぇ!見せてやるぜアタシの新技!
  遊星の戦術からヒントを得たアタシオリジナルの召喚獣を得と拝みやがれ!ラビット・オブ・カース!」

 遊星のエンド宣言と同時に、ヴィータが何やら怪しげな技を発動した。
 途端に空に雲が渦巻き、その中から何かが現われる。

 ワームに負けないくらいのその正体は…

 「うっさ〜〜〜〜…」


 「「のろいうさぎ!?」」

 何とヴィータの帽子についてる奇妙なウサギ…の超巨大版。
 ある意味ではワーム以上に迫力がある。

 「うらぁ、やっちまえ!」
 「う〜〜…っさ〜〜〜〜!!!」


 ――ドゴォォォン!!


 その迫力満点ののろいうさぎが、有ろう事か『目からビーム』!
 ワームを打ち据えた。

 「おっしゃ!ご苦労さん。又頼むぜ!」
 「う〜さ〜。」ノシ

 攻撃を終えたのろいうさぎは手を振って空に帰っていった…


 「何か物凄いものを見た気がする。」
 「あぁ、俺もだ。」

 普段はクールで、大抵の事には動じない遊星とクロノでさえ今の攻撃には相当な衝撃的だった。
 まぁ、空から超巨大なぬいぐるみが現れ、それがビームを発射したとなれば無理も無い。

 「はぁ〜〜〜ヴィータ凄いなぁ。」

 はやては微妙に現実逃避する始末。


 「Bglaaaaaaaaaaaa!」

 しかし、今の攻撃でもワームは倒されていない。
 ダメージは結構与えたようだが、其れが逆に怒らせてしまったようだ。

 「Gyyyyyyyymmmmm!!!」

 そして、お返しとばかりに2つの頭からブレス攻撃が放たれる。
 一方は紅蓮の熱線、もう一方は蒼白の氷結線。


 熱線は遊星に、氷結線ははやてに夫々向かって行く。

 「迎え撃てターボ・ストライカー!」

 「く、プロテクション!」

 遊星はターボ・ストライカーを迎撃に向かわせ、ユーノは得意の結界魔法で強固なバリアを張って対応する。


 ――バァァァン!!


 2つの攻撃は夫々命中する。

 「く…力がさっきよりも上がっている…」
 遊星:LP8000→5100


 「な、何とか防げた。」

 ユーノは何とか攻撃を防ぎきり、はやても無事。
 遊星はモンスターが破壊されライフを削られたが、

 「ターボ・ストライカーが破壊された時、墓地の魔法カード1枚を除外する事でフィールドに特殊召喚できる。蘇れターボ・ストライカー!」
 ターボ・ストライカー:ATK2700→2800


 「更にトラップ発動『クラッシュ・スター』!俺のフィールドのシンクロモンスターが破壊された時、手札と墓地から攻撃力1000以下のモンスターを1体ずつ特殊召喚する。
  俺は手札のドリル・シンクロンと墓地のクイック・シンクロンを特殊召喚!」
 クイック・シンクロン:DEF1400
 ドリル・シンクロン:DEF300


 そのダメージを考えてもお釣が来るほどの大量展開。
 モンスターの途切れない、正に『鉄壁』の戦線だ。


 「彼に限界って有るの!?」
 「多分ないんと違うかなぁ?だって遊星やし。」

 此れだけ大量の召喚獣を一気に呼び出すなど、ユーノには信じられない光景だったが、はやての一言には妙な説得力も感じていた。

 此処まできたら、もう止まらないのが遊星だ。

 「俺のターン。」
 遊星:SC1→2


 「チューニング・サポーターを召喚。」
 チューニング・サポーター:ATK300


 「チューニング・サポータはシンクロ召喚の素材とするときレベル2のモンスターとして扱う事ができる。」
 チューニング・サポーター:LV1→2


 「レベル2のチューニング・サポーターに、レベル5のクイック・シンクロンをチューニング!
  集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く。光射す道となれ!シンクロ召喚、出でよ『ジャンク・アーチャー』!」
 ジャンク・アーチャー:ATK2300


 「チューニング・サポーターの効果で俺はデッキから1枚ドロー!…今ドローしたカードは『ボーナス・シンクロン』!
  ボーナス・シンクロンは、通常のドロー以外の方法でデッキから手札に加わった時、特殊召喚できる!」
 ボーナス・シンクロン:ATK0


 再度現われたチューナー。
 しかも今度はレベルの合計が8になる組み合わせ…そうなれば当然、

 「レベル7のジャンク・アーチャーに、レベル1のボーナス・シンクロンをチューニング!
  集いし願いが、新たに輝く星となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』!」
 「ショォォォォォ!」
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500


 「来た、スターダスト・ドラゴンや!」

 「おし、貰ったぜこの勝負!」

 現われた遊星のエース。
 スターダストの降臨が意味するもの、それは遊星達の勝利に他ならない。


 だが、遊星の戦術はマダマダ止まることはない。

 「行くぞヴィータ!」

 「チューナーが1体残ってたから、もしかしてとは思ったけどな。うし!来い遊星!!」

 ヴィータも遊星の意図を読み取り、精神を集中する。

 「ヴィータに、ドリル・シンクロンをチューニング!」

 ドリル・シンクロンが3つの輪となり、ヴィータを包み込む。

 「惑わぬ意志が集うとき、その意志は鋼の斧となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、砕け『鋼槌の騎士・ヴィータ』!」

 「アイゼンの頑固な汚れにしてやるから、覚悟しろ!」
 鋼槌の騎士・ヴィータ:ATK2500


 シンクロがヴィータに新たな力を与えた。
 甲冑は赤から黒に、髪はより鮮やかな真紅へと変化。
 そしてシンクロ化によって強化された紅い魔力がオーラの如くその周囲に逆巻いている。

 「頼むぞヴィータ!」

 「任せろ!轟天爆滅、エクスプロード・シュラァァァァク!!」

 渾身の一撃。
 加えて、

 「鋼槌の騎士となったヴィータの効果発動。戦闘を行う相手モンスターの効果を無効にする。
  この効果で、対象を捕食する事で強化されたお前の力は消滅する!」

 ヴィータの魔力を受けて、ワームの力が大幅に減少した。
 姿こそ元には戻らないが、その力は強化前に戻ったように感じるくらいだ。

 「此れで終わりだ、トラップ発動『スターダスト・ショット』!フィールドのシンクロモンスター1体にスターダストの攻撃力を上乗せする!」

 「でやぁぁ!ブッ潰れろぉぉぉぉぉぉ!!!」
 鋼槌の騎士・ヴィータ:ATK2500→5000


 ――ゴッバァァァン!!


 あまりにも強烈な一撃に、ワームもついにダウン。

 「はやて。」

 「うん、魔力蒐集開始や!」

 そのタイミングを逃さず、はやてが魔力蒐集を開始。
 見る見るうちに闇の書の項が埋まっていく。

 「Gyyyyyyyyyyyy…」

 そんな中、ワームは未だ動く事が出来るらしく、今度は直接はやてに向かう。
 だが、それも無駄な事。

 「残念だが其処には罠を張らせてもらった。『ディレイドバインド』!」

 最初の攻防の際に、クロノが設置していたバインドに捕らわれ、チェックメイト。

 「蒐集…完了や!」

 はやてが蒐集完了を告げると同時にワームは崩れ落ちて消滅した。
 如何やら、あの巨体自体が他者を喰らい続けて得た物だったらしく、魔力を抜き取られた今、その身体を維持する事が出来なくなったのだ。

 「なぁ、何か20項も埋まってまったんやけど…」

 「恐らく、あいつが強化されたせいだろう。それで計算上よりも多い魔力が蒐集出来たんだ。」
 「その考えで間違いないだろうな。ヴィータの効果はバトルが終われば関係ない。
  攻撃された後で、力は戻っていたはずだ……致命傷は間違い無かっただろうがな。」

 予想以上に集まった魔力にクロノと遊星は、そう予測を立てた。
 無論、実証する手立ては無いが、それは間違いではない様に思えた。


 「うし、んじゃアースラに戻ろうぜ!」
 「せやな!」

 目的を果たし、一行はアースラへと戻っていった。



 だが、この時、遊星ですら気付いていなかった。
 ワームが消滅した場所に『デビル・ドーザー』『グリード・クエーサー』『融合』の3枚のカードが有った事に…
















  To Be Continued… 






 *補足



 ボーナス・シンクロン
 レベル1  地属性
 機械族・チューナー
 通常のドロー以外でこのカードがデッキから手札に加わった時、このカードを特殊召喚できる。
 このカードを素材にしたシンクロモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、自分はデッキからカードを1枚ドロー出来る。
 ATK0   DEF0



 ターボ・ストライカー
 レベル7   風属性
 戦士族・シンクロ/効果
 「ターボ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
 このカードの攻撃力は自分の墓地の魔法カード1枚に付き100ポイントアップする。
 このカードは1度のバトルフェイズ中に、相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。
 このカードが破壊された時、墓地の魔法カード1枚をゲームから除外する事で、
 破壊されたこのカードを自分フィールド上に特殊召喚できる。
 ATK2700    DEF2000



 スターダスト・ショット
 通常罠
 自分フィールド上に『スターダスト・ドラゴン』が表側表示で存在する場合に発動できる。
 自分フィールド上のシンクロモンスター1体を選択する。選択したモンスターの攻撃力は
 エンドフェイズまで、『スターダスト・ドラゴン』の元々の攻撃力分アップする。




 鋼槌の騎士・ヴィータ
 レベル7   地属性
 戦士族・シンクロ/効果
 「ドリル・シンクロン」+ヴィータ
 このカードが攻撃する相手モンスターの効果は無効となり、
 またこのカードが戦闘で破壊したモンスターの効果は無効になる。
 このカードは戦闘で相手モンスターを破壊する度に、攻撃力が300ポイントアップする。
 ATK2500    DEF2000



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