小説『絆の決闘者と夜天の主』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 対峙する遊星達とダークシグナー――ディマク。

 「何故お前が…?」

 「簡単な答えだよ不動遊星。私の魂は浄化されなかったという事だ。いや、そもそも浄化など必要なかったのだがな。」

 「如何言う事だ?」

 「私の魂は基より赤き竜とシグナーへの恨みで満ちていた。ゴドウィン兄弟と違って私の魂は元来闇に染まりきっていたのだ。
  前の戦いは屈辱の敗北だったが貴様等シグナーには感謝すべきかもしれん。
  貴様等のおかげで地縛神は其の力を大きく弱めた、そう7体全てを私が支配できるほどにな!
  地縛神の復活は成し遂げる!そして其の時こそ私の目的は達成されるのだ!!その幕開けとして、不動遊星貴様を葬ってやる!」

 瞬間、ディマクから闇色のオーラが噴出し遊星達に迫り来る。

 「「「「「『!!!!』」」」」」

 ギリギリで避けるが、其のオーラは壁となり遊星達を取り囲む。

 「此れはまさか、地縛神の結界か?」

 見覚えのあるそれに、思わず声を上げる遊星。
 更に今の事でチームは2つに分断。

 結界内に遊星、はやて、シャマル。
 結界の外になのはとアリア、そして麒麟。

 「ほう…闇の書も結界内に取り込めたとは思わぬ幸運だな。くくく…それも取り込んでくれよう!」

 「遊星…」

 其の禍々しい様相に、はやては不安気に遊星を見やる。

 「大丈夫だ。俺とシャマルがお前を護る!」
 「そうよ、はやてちゃん。此れでも闇の騎士なんだから♪」

 「うん、そやな。よし、私も出来るだけの事はしてみるわ!」

 「あぁ!ステラ!」
 「ライディングモード起動。スピードカウンター、フルモードに設定します。」

 「デュエル!!」









  遊戯王×リリカルなのは  絆の決闘者と夜天の主 クロス19
 『牙を剥く闇の力』









 遊星:LP8000   SC12
 ディマク:LP8000(スタンディング)


 結界内を走り始めた遊星の表情は何時も以上に真剣だ。

 其の原因は、この結界。
 この結界が記憶通りの物だとすれば、デュエルのダメージは現実になり負ければ魂を奪われてしまう。
 何時も以上に気が引き締まるのも当然だ。

 だが其処は遊星、気を引き締めつつ、しかし過度な緊張や不安は無く眼前の相手を見据える。
 更にDホイールのタンデムにははやて、自分に併走するように飛ぶシャマル。

 結界の外にはなのは達も居る。
 此れだけの仲間が居る遊星に死角は無い。

 「はやて、確り掴まってろ。この結界内でのデュエルは少し荒っぽくなる。」
 「分かった。振り落とされんように気をつける。」

 はやては遊星の背中に抱き付き、開いている左手でライダージャケットを掴む。

 「行くぞディマク!俺のターン!手札を1枚捨て『トリック・ウォリアー』を攻撃表示で特殊召喚!」
 トリック・ウォリアー:ATK2000


 「スピードスペル『Sp−ヴィジョンウィンド』発動。スピードカウンターが2つ以上有るとき墓地からレベル2以下のモンスター1体を特殊召喚する。
  俺はこの効果でトリック・ウォリアーを召喚する為に墓地に捨てた『ニトロ・シンクロン』を特殊召喚。」
 ニトロ・シンクロン:ATK300


 「更に『チューニング・サポーター』を通常召喚!」
 チューニング・サポーター:ATK300


 今日もまた絶好調の高速大量召喚。
 この展開力には目を見張るものが有るのは事実だろう。

 そしてチューナーを含めたモンスターの大量展開となれば当然、

 「レベル1のチューニング・サポーターと、レベル5のトリック・ウォリアーにレベル2のニトロ・シンクロンをチューニング!」

 シンクロ召喚だ。
 相手が相手だけに出し惜しみは一切無い。

 「集いし焔が無限の力となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、焼滅させろ『ニトロ・ブレイカー』!」
 「ウオォォォォォォ!!」
 ニトロ・ブレイカー:ATK2900


 初手からレベル8、攻撃力2900の上級モンスターの展開は流石のもの。

 「チューニング・サポーターとニトロ・シンクロンの効果でデッキからカードを2枚ドロー!
  バトルだ!ニトロ・ブレイカーでダイレクトアタック!『アトミック・クラッシュ』!」

 形式としてはデュエリスト同士の戦いだが、そもそもがライディングvsスタンディングの変則デュエル。
 更に、如何なる状況でもこの世界の法則は変らずデュエルが『カードを使った魔法攻撃』である事は変わらない。

 その特性を理解しての先制攻撃。
 ダイレクトアタックである為、削れるのは1000ポイントだが、此れは有効な一撃だ。


 ディマク:LP8000→7000
 「ぐむ…やってくれるな不動遊星!」

 「私も居ますよ?」

 「!!」

 休む間も無く今度は上空から攻撃が降り注ぐ。
 其の攻撃を放ったのはシャマルだ。

 これはもうデュエルではなく、デュエルと言う名の魔導師同士の戦い。
 故に遊星のみならずシャマルが攻撃する事は至極同然なのだ。

 「むぅ…!」

 其の攻撃をギリギリで避けるが、攻撃の着弾場所は大きく抉れている。

 みればシャマルのクラールヴィントは先程までとは形状が違う。
 紐だった部分は細身の鎖になり、振り子の先端はより鋭いアンカーへと変化。

 「うん、良い感じよ遊星君♪」

 此れこそが遊星の手によって追加されたクラールヴィントの新たな姿『パンツァーフォルム』。
 クラールヴィントの変幻自在な動きを活かした攻撃型の形状だ。

 「それなら良かった。カードを2枚伏せてターンエンド。」

 「うむ…成程、あの双子並に良いコンビネーションのようだな不動遊星。私が作り出した『グリード・ドーザー』を倒しただけの事はある。」

 「グリード・ドーザー?」

 聞きなれない存在に沸き起こる疑問。
 喉の奥で笑いながらディマクは其れに答える。

 「つい最近、此処とは違う次元世界で2体の巨大なワームと戦っただろう?
  アレは私が『グリード・クエーサー』と『デビル・ドーザー』を融合させて生み出したモンスターだったのだよ。」

 「何だと!?」
 「何やて!?」

 流石に驚く。
 あのおぞましい能力を持った紅と蒼の巨大なワームはディマクによって作り出されたと言うのだ。

 「それだけではない。この世界に降り立った貴様達を襲った2体の飛竜を凶暴化させたのも私だ。
  装備魔法カード『凶暴化の仮面』を彼奴等に使ってな。尤も幻獣の攻撃で効果が消えてしまったようだがな。」

 「ディマク、貴様!」

 「くくく、怒ったか?だが、現地生物にカードの効果が適応できる事を教えてくれたのは他でもない貴様だぞ不動遊星。
  闇の剣騎士を進化して見せてくれたからな。無論私も同じ事ができるぞ?私のターン。
  魔法カード『Zeroサモン』を発動。手札から攻撃力0のモンスターを2体まで特殊召喚できる。」

 「攻撃力0のモンスター?…まさか!」

 「其の考えで正解だ。私はこの効果で手札から攻撃力0の2体のダークチューナー『DTカオスナイトメア』『DTナイトメアハンド』を特殊召喚。」
 DTカオスナイトメア:ATK0
 DTナイトメアハンド:ATK0


 遊星の予想通りに現れたのはダークチューナー。
 はやてとシャマルも初めて見る其れの禍々しいオーラに思わず怯んでしまったのは仕方ないだろう。


 「DTカオスナイトメアは特殊召喚されたとき手札からレベル2以下のモンスター1体を特殊召喚できる。現われよ『シールドスパイダー』!」
 シールドスパイダー:DEF1200


 「良い物を見せてやろう。不動遊星、以前貴様は闇の剣騎士をシンクロによって進化させた事が有ったな?」

 「…其れがどうした?」

 「其れはつまりこう言う事も出来ると言う事だ。其処の葬った竜の屍にカオスナイトメアをダークチューニング!」

 「何だと!?」

 思っても見なかった一手。
 まさか、死した存在を利用するとは思わなかっただろう。

 「死者よ、魂を冥界の王に捧げ生者の命を喰らい尽くせ。ダークシンクロ、出でよ『終焉喰らう竜』!」
 「Gyashaaaaaaaaa!!」
 終焉喰らう竜:ATK3000(レベル−10)


 現われたのは難とも禍々しい竜。
 生前の姿を残しつつ、しかし所々肉が削げ落ちた其の姿は『屍竜』、まるでゾンビだ。


 「何て事を…!」
 「魔力の為に命を奪っただけや無く、死後の眠りまで犯すなんて…大概にせんかいこの外道ハゲ!」

 シャマルとはやてが一気に沸点を突破する。
 特に今までに数多の命を奪った経験のあるシャマルにとって、死者を冒涜するディマクの行いは許せるものではない。

 「朽ちるだけの肉体が役に立つのだ。寧ろ感謝して欲しいものだ。そして此れで終わりと思わぬ事だ。
  レベル2のシールドスパイダーにレベル10のナイトメアハンドをダークチューニング。
  世界を覆いつくす漆黒の闇を、全ての希望を刈り取り等しく絶望を!ダークシンクロ、目を覚ませ『アビス・ワンド』!」
 「Gyagyagya!」
 アビス・ワンド:ATK2900(レベル−8)


 現われた2体のダークシンクロモンスターは醜悪で不気味だった。








 ――――――








 一方結界の外では、この結界を破らんと攻撃が続けられていた。

 結界内部では遊星達が走り回っており、此方とは結構距離が離れてしまっている。

 「ブレイズカノン!」
 『我が雷を受けよ!』

 アリアと麒麟の波状攻撃にも結界はびくともしない。
 が、彼女達もただむやみに攻撃を繰り返している訳ではない。

 『少女よ此れくらいで充分か?』
 「行ける?なのはちゃん!」

 全ては傍らの少女の為の攻撃。

 そう、今までの魔法・魔力攻撃はなのはが最大の一撃を撃つ為の布石。

 「はい!行くよ、レイジングハート!」
 「All right.Buster mode Drive ignition.」

 「フルドライブ!」

 同時になのはに大気中の魔力が収束していく。
 そう、アリアと麒麟が放った攻撃で撒き散らされた力が。

 「全力全壊、スターライト…」

 「Starlight Breaker.」

 「ブレイカーァァァァァァァァァァァ!」

 放たれた桜色の砲撃、其の威力は凄まじく結界をいとも簡単に貫通し消滅させた。

 アリアと麒麟の攻撃でも壊れなかった結界がだ。

 『凄い少女だ…』
 「まったくね。砲撃って言う一点に関して言うなら、あの子は間違いなく最強だよ。」

 その結果に思わず舌を巻き、感心する。

 「アリアさん、麒麟さん行きましょう!」

 『うむ!』
 「そうだね!」

 揃って遊星達の元へ。








 ――――――








 「?結界が消えた…なのは達か!」

 結界内部で戦っていた遊星達も決壊が消滅した事に気が付いていた。
 此れならばなのは達も直ぐにこっちに来るだろう。

 「しっかしなんちゅう奴やアレ…」

 はやてが眼前の存在に思わず愚痴る。
 2体のダークシンクロモンスターはとんでもなく強かったのだ。

 圧倒的な力の攻撃に流石の遊星も防ぎ切れずにライフを大きく削られていた。

 「厄介だな。不死の屍竜とバトル中の効果の発動を封じる深淵の亡者か…」
 遊星:LP5100


 ニトロ・ブレイカーが破壊され、しかもカード効果の封殺は正直厳しかった。
 後続の攻撃はシャマルが『風の護盾』、はやてが魔力収集で防いでくれたが、状況は芳しくない。

 「むぅ…結界が破壊されたか。だがそんな事は関係無さそうだ。ターンエンド。」

 ディマクも結界の消滅は分かったが、しかし状況は自分が有利な為か余裕が感じられる。

 「俺のターン。トラップ発動『オンリーワン』!デッキからレベル1のモンスターを2体まで特殊召喚する!
  現われろ『ターボ・シンクロン』、『スターダスト・シャオロン』!」
 ターボ・シンクロン:ATK100
 スターダスト・シャオロン:ATK100


 「チューナーモンスター?遊星、もしかして…」

 「あぁ、其の通りだ!行くぞシャマル!!」

 「勿論OKよ遊星君♪」

 状況打開の一手として、遊星はシャマルを進化さることにした。
 シャマルの方も待ってましたと言わんばかりだ。

 「シャマルにターボ・シンクロンをチューニング!」

 1つの輪がシャマルを包み、新たな力を呼び起こす。

 「集いし湖面の静けさが、癒しの風を呼び寄せる。光射す道となれ!シンクロ召喚、吹き抜けろ『風の治癒騎士・シャマル』!」
 「さぁ、行きますよ!」
 風の治癒騎士・シャマル:ATK2300


 現われたのは風を纏った騎士。
 騎士服はやや青味掛かった白で、髪の色は深緑を思わせる鮮やかな翠色、其の瞳は深い蒼。
 シャマルの新たな姿だ。

 「ふ、矢張りな。だがそれでは勝てん。」

 「如何かな?シャマルの効果発動。1ターンに1度、手札を1枚捨てることで墓地のカードでシンクロ召喚が行える。
  俺は墓地のチューニング・サポーター、トリック・ウォリアー、ニトロ・シンクロンの3体をゲームから除外してチューニング。」

 「そぉっれ!っと。」

 「集いし願いが、新たに輝く星となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』!」
 「クシャァァァァ!」
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500


 シャマルが墓地のカードを空に飛ばし、それがスターダスト・ドラゴンとなって舞い降りる。
 モンスターの攻撃力は此れでも及ばないが、反撃の準備は完了だ。

 「俺はこのターン未だモンスターを通常召喚していない。来い『救世竜セイヴァー・ドラゴン』!」
 救世竜セイヴァー・ドラゴン:ATK0


 「!其のモンスターは!!」

 召喚されたモンスターにディマクは怯む。
 其れはダークシグナーである者にとっては天敵とも言えるモンスターだからだ。

 「レベル1のスターダスト・シャオロンと、レベル8のスターダスト・ドラゴンに、レベル1のセイヴァー・ドラゴンをチューニング。
  集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光射す道となれ!シンクロ召喚、光来せよ『セイヴァー・スター・ドラゴン』!」
 「クァァァァァァァ!」
 セイヴァー・スター・ドラゴン:ATK3800


 現われたのは赤き竜の化身『セイヴァー・スター・ドラゴン』。
 蒼銀に輝く其の姿は、シューティング・スター・ドラゴンとは又違った威厳を感じさせる。

 「何て綺麗な龍や……まるで龍神様みたいやね。」

 はやても其の姿に目を奪われる。
 更にタイミングが良いと言うか、

 「遊星さん!」
 「無事か八神!」
 『助太刀するぞ。』

 なのは達が遊星達の許に到着。
 状況は一気に遊星達が有利になった。

 「く、バカな…!」

 「俺達の絆は砕けないぞディマク!今此処でお前を倒す!セイヴァー・スター・ドラゴンの効果発動。
  1ターンに1度、相手モンスター1体の効果を無効にし、其の効果を得る。
  この効果で『終焉喰らう竜』の効果を無効にし其の効果を得る、『サブリメイション・ドレイン』!」

 正に速攻の反撃。
 破壊不能の屍竜の効果を吸収し、無敵状態を打ち破る。

 「オノレ…!」

 「バトル!セイヴァー・スター・ドラゴンで終焉喰らう竜に攻撃!『シューティング・ブラスター・ソニック』!」
 「フォォォォォォ…!」


 セイヴァー・スター・ドラゴンが身体を槍のように変形させ、風を纏って突進し屍竜を打ち砕く。


 「ぐおぉぉぉぉ!」
 ディマク:LP7000→4000


 倒された事で、ダークシンクロの呪いから解放され竜は再び物言わぬ屍へと戻る。
 其の表情は何処か安堵している様にも見える。

 「お前の野望は此処で砕く!シャマルの効果で墓地に送った『スキル・サクセサー』の効果発動。
  墓地のこのカードを除外し、俺の場のモンスター1体の攻撃力を800ポイントアップさせる。
  この効果でシャマルの攻撃力を800ポイントアップ!」

 「フルドラ〜〜イブ!」
 風の治癒騎士・シャマル:ATK2300→3100


 抜かりない、隙がないとは遊星の為に有る言葉と言っても過言ではないだろう。

 「更にトラップ発動『シンクロン・デストラクター』。
  シンクロモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った場合、其のモンスターの攻撃力分のダメージを与える!
  頼むぞシャマル!!」

 「任せて。お願いねクラールヴィント。」
 「Jawohl.」

 強化されたシャマルは、『パンツァーフォルム』のクラールヴィントでアビス・ワンドを拘束しそのまま『旅の鏡』を発動。

 「捕まえ…った!!」

 更に其処に自ら手を突っ込み、モンスターの核を抜き取る。

 「これでお終い、黄泉の旅路!」

 そしてトドメとばかりにクラールヴィントのアンカー部分で其のコアを粉々に粉砕。
 同時にアビス・ワンドは消滅。

 モンスターの破壊によって生じるダメージと、シンクロン・デストラクターによるバーンダメージがディマクに襲い掛かる。
 其の合計ダメージは5800……ゲームエンドだ。


 「うおわぁぁぁぁぁ!!」
 ディマク:LP4000→0


 其れと同時になのは達がディマクを拘束しようとするが、ディマクのライフが尽きたと同時に湧き出た黒い瘴気が其れを阻む。

 「く…なんだ此れ?」
 「ち、近づけないよ…」
 『むぅ…邪悪そのものだなこの力は…』

 それは幻神獣たる麒麟であっても突破できるものではないほどに強いようだ。

 「ディマク!」

 「くくく…見事だ不動遊星。矢張りそうでなくては面白くない。貴様を葬るにはまだ力が足りなかったようだ、今回はな。
  だが、この戦いで幾らか力を得る事はできた……地縛神1体だけならば既に復活は可能なエネルギーが集まった。」

 「「「「「!!!」」」」」

 「だが7体全てには未だ足りん。だが、大凡のエネルギーの吸収には目処が立っている。
  そうだな…冬までには全ての準備が整う。其の時に又会おう…精々地縛神の影に怯えながら過ごすと良い!」

 それだけ言うと瘴気に包まれディマクは姿を消した。

 「待て、ディマク!」

 呼べども返事は無い。
 もうこの次元世界には居ないのだろう。

 「ちぃ…取り逃がしたか。」
 「凄い瘴気だったから仕方ないですよ。って如何したんですか遊星さん?」

 取り逃がした事を悔やむアリアを慰めていたなのはが何かに気付いた。
 ディマクが居た場所で遊星が屈みこんで何かをしているのだ。

 「遊星君?」

 「…此れを見てくれ。」

 遊星が手にとって見せたもの、それは手の平ほどもある大きな蜘蛛…の死骸。
 未だ死んで間もないのか、8本の足は僅かに動いている。

 「ウゲ…何や此れ…?」
 「うぅ…気持ち悪いよう…」

 見たこともないような大蜘蛛に少女2人はドン引きだ。

 「…ルドガーが使っていたのと同じ蜘蛛だ。だが何故ディマクが?」
 ――いや、そもそもあいつは本当にディマクなのか?龍可、龍亞と戦った時とはまるでデッキが違う。

 そして遊星は今しがた戦ったディマクに疑問を抱いていた。
 以前とはあまりにも違う戦術、そして残された蜘蛛…どうにも嘗てのディマクとは符合しない部分がある。



 ――!まさかあいつは…いや、しかしありえるのかそんな事が?


 思い至った可能性。
 だが、其れはあまりにも常軌を逸した可能性な上、断定するには少しヒントが足りない。


 撃退はしたものの、大きな謎が残る結果となってしまった。



 闇の書の起動まで残り130項。















  To Be Continued… 







 *補足


 風の治癒騎士・シャマル
 レベル5   風属性
 魔法使い族・シンクロ
 ターボ・シンクロン+シャマル
 1ターンに1度手札を1枚捨てることで、墓地のモンスターをゲームから除外してモンスターをシンクロ召喚できる。
 自分のターンのエンドフェイズ毎に、自分フィールド上のシンクロモンスターの数×600ポイントのライフを回復する。
 ATK2300    DEF1100



 トリック・ウォリアー
 レベル5   風属性
 戦士族・効果
 このカードは手札1枚を捨てることで特殊召喚することができる。
 ATK2000    DEF1200



 ニトロ・ブレイカー
 レベル8   炎属性
 戦士族・シンクロ/効果
 「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
 相手モンスターを戦闘で破壊するたびに、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
 このカードは破壊された時、攻撃力を500ポイント下げる事で墓地から特殊召喚できる。
 ATK2900    DEF2000



 Zeroサモン
 通常魔法
 自分の手札の攻撃力0のモンスターを2体まで特殊召喚する。



 オンリーワン
 通常罠
 自分のデッキからレベル1のモンスターを2体まで特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効になる



 DTカオスナイトメア
 レベル10   闇属性
 悪魔族・ダークチューナー
 このカードの特殊召喚に成功した時、手札からレベル2以下のモンスターを特殊召喚できる。
 ATK0    DEF0



 シールドスパイダー
 レベル2   地属性
 昆虫族・効果
 このカードは戦闘では破壊されない(戦闘ダメージは適応する)
 ATK0    DEF1200



 終焉喰らう竜
 レベル−10   闇属性
 恐竜族・ダークシンクロ
 チューナー以外のモンスター1体−ダークチューナー
 このカードはシンクロ素材とするチューナー以外のモンスター1体のレベルから、
 ダークチューナーのレベルを引き、その数値が−10に等しい場合のみ、シンクロ召喚する事ができる。
 このカードは表側攻撃表示で存在する限り破壊されない。
 このカードはフィールドを離れる場合ゲームから除外される。
 ATK3000    DEF2500



 アビス・ワンド
 レベル−8    闇属性
 悪魔族・ダークシンクロ
 チューナー以外のモンスター1体−ダークチューナー
 このカードはシンクロ素材とするチューナー以外のモンスター1体のレベルから、
 ダークチューナーのレベルを引き、その数値が−8に等しい場合のみ、シンクロ召喚する事ができる。
 このカードが表側表示で存在する限り、自分のターンのバトルフェイズ中に相手はカード効果を発動出来ない。
 ATK2900     DEF2300



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