小説『絆の決闘者と夜天の主』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 「閃光竜 スターダスト…!」

 遊星の前に現れた白銀の翼を持つ竜。
 ゲイルの新たな、そして真のエースモンスター『閃光竜 スターダスト』。

 余りにも己のエースモンスターに酷似したその姿に驚くも、遊星は口元の笑みを強くする。


 「其れがお前の真のエースモンスターかゲイル!」

 「あぁ、復活した事で手に入れた俺の新たな仲間だ!」

 遊星の問いかけに、ゲイルも迷わずに答える。


 最強クラスの2人のデュエリストによるライディングデュエルはマダマダ加速しそうだ。












  遊戯王×リリカルなのは  絆の決闘者と夜天の主 クロス48
 『星龍と星龍のバトル』











 遊星:LP1400  SC6
 ターボ・ウォリアー:ATK2500


 ゲイル:LP1700  SC6
 閃光竜 スターダスト:ATK2500


 「手加減無しで行くぜ遊星!!バトル、閃光竜 スターダストで、ターボ・ウォリアーを攻撃!『流星閃撃(シューティング・ブラスト)』!!」

 すかさず閃光竜でバトルを仕掛けてきた。
 だが、閃光竜もターボ・ウォリアーも攻撃力は互角の2500。

 「馬鹿な、攻撃力は互角だぞ?相打つ心算か?」

 遊星もこの攻撃には戸惑う。
 呼び出したエースモンスターでの相打ち狙いと言うのは余りにも解せない。

 「く…迎え撃てターボ・ウォリアー!」

 だが、攻撃してきたのならば迎え撃つのみ。
 ターボ・ウォリアーも閃光竜に向かって必殺の突きを繰り出す。


 ――ドォォォォン!!


 その攻撃がぶつかり、爆煙が。
 攻撃力が互角なので互いにライフの減少はないが…



 閃光竜 スターダスト:ATK2500



 「なに!?」

 閃光竜は無事。
 だが、ターボ・ウォリアーの姿はない。
 どうやら一方的に破壊されたようだ。

 みれば閃光竜を膜のようなものが覆っている。


 「此れは一体…?」

 遊星にも何が起きたかは分らない。
 ただ、閃光竜の効果であることは理解が出来た。

 「閃光竜 スターダストの効果だ!1ターンに1度フィールド上の表側表示のカード1枚を選択!
  選択したカードはこのターン1度だけ戦闘と効果では破壊されないぜ!」

 矢張り閃光竜の効果だった。
 その効果を自身に適応し、ターボ・ウォリアーを一方的に戦闘破壊したのだ。

 「そんな効果を…ふ、流石はエースモンスターと言ったところか?」

 「お前相手に一切の出し惜しみは無しだぜ遊星。カードを1枚伏せ、ターンエンド。」

 互いに口元の笑みは消えない。
 が、其れとは別に遊星は閃光竜の効果は心底厄介だとも思っていた。


 ――1ターンに1度とは言え『完全防御』とも言える効果か…もしもあの伏せカードが『安全地帯』だったら厄介な事この上ないが…


 遊星の頭の中に浮かんだ鉄壁の防御コンボ。
 もしもこの予想通りだとしたら、ゲイルは難攻不落の城壁を完成させたことになる。


 ――アイツの性格上それは多分無い。閃光竜を護る事はするだろうが絶対安全策を取るような戦術は無い筈だ。



 それでもその可能性は自ら切って捨てる。
 前回のデュエル、そして今回の此処までのぶつかり合いでゲイルの性格は確り理解しているようだ。


 「俺のターン!」


 遊星:SC6→7
 ゲイル:SC6→7


 「トラップ発動『ロスト・スター・ディセント』!自分の墓地からシンクロモンスター1体を選択し守備表示で特殊召喚する!
  舞い戻れ、『ジャンク・バーサーカー』!」
 ジャンク・バーサーカー:DEF1800


 だからこそ今度は遊星が動く。
 目の前の龍に対抗できるのは、矢張り己のエースを置いて他には居ない。

 「ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターは守備力が0になり、効果は無効となり、レベルも1つ下がって表示形式の変更も出来ない。」
 ジャンク・バーサーカー:DEF1800→0   Lv7→6


 「強烈に制限されるが、だが其れも布石だろ?」

 「勿論だ!チューナーモンスター『スターライト・シンクロン』を召喚!」
 スターライト・シンクロン:DEF800


 チューナーを呼び出し、此れで準備は完了。
 其れを示すように、遊星は一気にステラのスピードを上げる。

 「レベル6となったジャンク・バーサーカーに、レベル2のスターライト・シンクロンをチューニング!
  集いし願いが、新たに輝く星となる。光射す道となれ、シンクロ召喚!!」


 ――バサァ…


 「飛翔せよ、『スターダスト・ドラゴン』!」
 『クァァァァァァ…!!』
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500


 眩い星屑の如き光を散らしながら、遊星のエースが降臨。
 その咆哮は閃光竜に負けては居ない。


 『クァァァァァァ…!』
 『グオォォォォォ…!』


 対峙し、威嚇するかのような唸り声を上げる2体の星龍。
 なんとも迫力のある光景だ。

 「来たか、スターダスト・ドラゴン…!燃えてきたぜ!!」

 「俺も一切の出し惜しみはしない!スターライト・シンクロンを素材にしたドラゴン族のシンクロモンスターは攻撃力が500ポイントアップする!」
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500→3000


 「更に、スターライト・シンクロンがスターダスト・ドラゴンのシンクロ召喚に使用された場合、カードを1枚ドローできる!」

 スターダストを強化し、手札も増強。
 抜かりない一手だ。

 「バトル!スターダスト・ドラゴンで閃光竜 スターダストに攻撃!響け『シューティング・ソニック』!!」

 今度は遊星の星龍の一撃。
 強化されたことで、攻撃力は500ポイント上回っている。

 「閃光竜 スターダストの効果発動!フィールドのカード1枚の破壊を無効にする!『波動音壁(ソニック・バリア)』!」

 其れに対し、ゲイルは閃光竜の効果で応戦。
 閃光竜をバリアが包み込み、破壊を回避する。

 「矢張り一種の絶対防御…だが、ダメージまでは無効に出来ないぞ!」

 「流石に其ればっかりは仕方ないぜ…!」
 ゲイル:LP1700→1200


 「カードを2枚伏せてターンエンド。」

 「俺のターン!」


 遊星:SC7→8
 ゲイル:SC7→8


 「『スピードワールド2』の効果発動!スピードカウンターを7つ取り除きカードを1枚ドローする!」
 ゲイル:SC8→1


 ゲイルも手札強化。
 だが、スピードカウンターの減少で減速を余儀なくされ大きく後退し、遊星との距離が開く。

 「リバースカードオープン、永続トラップ『シンクロ・パワーチャージ』!
  俺の場のシンクロモンスターが攻撃するとき、攻撃力は500ポイントアップする!」

 此処で攻撃用の永続罠。
 この上昇値ではスターダストと同攻撃力だが、閃光竜の効果を持ってすれば一方的な戦闘破壊が容易になる。
 ダメージこそなくても、フィールドのアドバンテージで勝る事は可能だろう。

 「閃光竜の効果発動!此れでこのターンは1度だけ破壊されない!
  行くぞ!閃光竜 スターダストでスターダスト・ドラゴンを攻撃!貫け『流星閃撃(シューティング・ブラスト)』!」
 閃光竜 スターダスト:ATK2500→3000


 攻撃時限定の強化がなされた閃光竜の一撃が迫る。


 「そうはさせない、トラップ発動『シンクロ・フェイクシルエット』!俺の場のシンクロモンスターが攻撃対象になった時に発動!
  攻撃対象になったシンクロモンスターと同じ攻撃力と守備力を持つ『フェイクシルエット・トークン』を特殊召喚する!」
 フェイクシルエット・トークン:ATK3000


 「そして、このトークンと相手モンスターをバトルさせる!」

 「一種の攻撃対象変更効果か…!」

 だが、此処は遊星の巧さが光る。
 結局は一方的な戦闘破壊がされるとは言え、スターダストを護る事には成功したのだ。

 「流石だぜ遊星。今の俺の攻撃…読んでたのか?」

 「俺がお前なら、矢張り閃光竜の効果を最大限に利用するだろうからな。」

 「成程な…カードを1枚伏せてターンエンドだ。」
 閃光竜 スターダスト:ATK3000→2500


 「俺のターン!」


 遊星:SC8→9
 ゲイル:SC1→2


 「『スピードワールド2』の効果、スピードカウンターを7つ取り除きカードを1枚ドローする。」
 遊星:SC9→2


 遊星もスピードワールド2の効果でドロー。
 矢張り減速するが、先程のターンでの差が有るのでその差は縮まっていない。

 「バトル!行けスターダスト!『シューティング・ソニック』!!」

 そしてすぐさまバトル。
 攻撃される場合には閃光竜の攻撃力は上昇しないので破壊できなくともライフは削れる。

 だが、この攻撃にゲイルは不敵な笑みを浮かべる。

 「その攻撃は読んでいた!トラップ発動『レベルストライク』!
  俺の場のモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズまでそのレベル×200ポイントアップする!」
 閃光竜 スターダスト:ATK2500→4100


 「なに!?」


 迎撃用のカードで閃光竜が一気にパワーアップ。
 其れと同時にゲイルのDホイールも加速を強め、遊星との距離をグングン縮めて行く。

 そして、

 「行くぜ!『クロス・フィール』!!」

 閃光竜の迎撃と共に遊星を抜き去り、すれ違い様に強烈なフィールを叩き込む。

 「うおぉぉぉぉ!!」
 遊星:LP1400→300


 その衝撃でスピンし大きく後退。
 だが、


 スターダスト・ドラゴン:ATK3000


 「スターダストが無事だと!?」

 スターダスト・ドラゴンは無傷でその場に留まっている。

 「凄まじい一撃だな…だが、俺もこのカードを発動した!トラップカード『金城鉄壁』!
  発動後、装備カードとなり俺の場のシンクロモンスターに装備される。
  そして、このカードを装備したモンスターは1ターンに2度まで戦闘では破壊されない!」

 迎撃される前のカード発動でスターダストを護ったようだ。
 とは言え、この攻撃を潰されライフが残り300になったのは痛い。
 下手をしたら次のゲイルのターンで決着が付くレベルだ。

 「カードを2枚伏せてターンエンド。」

 なので此処は2枚の伏せカードでターンエンド。
 互いにエースを召喚したこのデュエルもいよいよ大詰めと言うところのようだ。

 「俺のターン!」


 遊星:SC2→3
 ゲイル:SC2→3


 「このターンで決めるぜ遊星!スピードスペル『Sp−スピード・エナジー』発動!
  俺のスピードカウンターが2つ以上ある時に発動できる。
  俺の場のモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズまでスピードカウンターの数×200ポイントアップする!
  俺のスピードカウンターは3つ!よって閃光竜の攻撃力は600ポイントアップするぜ!」
 閃光竜 スターダスト:ATK2500→3100


 好機とばかりにゲイルも勝負をかけてきた。
 スピードスペルでの攻撃力上昇、更に攻撃時限定での500ポイントアップ。
 遊星のライフを0に出来るコンボだ。

 「バトル!撃ち抜け閃光竜!『流星閃撃(シューティング・ブラスト)』!!」
 閃光竜 スターダスト:ATK3100→3600


 強化されたこの一撃が通れば遊星のライフは0になる。
 だが、遊星はそう簡単には落ちない。

 「トラップ発動『くず鉄のかかし』!相手の攻撃を無効にする!そして発動後再びセットされる!」

 「…!!ここでくず鉄のかかしだと…!」

 防御の要とも言える、お得意のトラップで閃光竜の攻撃をシャットアウト。
 シンクロを手足の如く扱うタクティクスだけでなく、この防御力もまた遊星の強さだ。

 「まさか此処でそのカードが来るとは……流石だぜ。ターンエンド。」
 閃光竜 スターダスト:ATK3600→2500


 其れに心底感心しゲイルはターンエンド。


 「俺のターン。」


 遊星:SC3→4
 ゲイル:SC3→4


 「さっきのセリフをそのまま返すぞゲイル!このターンで決着をつける!」

 今度は遊星がフィニッシュ宣言。
 当然ゲイルとて黙っては居ない。

 「言ってくれるぜ遊星。来い!!」

 やってみろと言わんばかりだ。

 「あぁ…行くぞ!スターダスト、響け『シューティング・ソニック』!!」

 即時の攻撃。
 ゲイルにはこのターンの攻撃を防ぐ術はないが、閃光竜の効果は使える。

 「閃光竜の効果『波動音壁(ソニック・バリア)』!この攻撃では閃光竜は破壊されないぜ!」
 ゲイル:LP1200→700


 ライフこそ失ったが閃光竜は無事。
 だが、さっきのクロスフィールの時のゲイルのように、今度は遊星が不敵な笑みを浮かべている。

 「その効果の発動を待っていた!」

 「なに!?」

 「トラップ発動『シンクロ・ヘイロー』!
  俺の場のシンクロモンスターがバトルで相手モンスターを破壊できなかった場合、そのモンスターの攻撃力を倍にしてもう1度攻撃できる!」

 「何だと!?」

 完全に遊星が読み勝った。
 閃光竜の防御効果――互いにモンスターが1体のみの状況ならば先ず間違いなくモンスターを守る事を読んでいたのだ。

 だが、其れこそが遊星の狙い。
 『破壊できない』事を逆手に取った必殺の一撃だ。


 スターダスト・ドラゴン:ATK3000→6000


 「ラストバトルだゲイル!スターダスト・ドラゴンで、閃光竜 スターダストに攻撃!『シューティング・ソニィィィィィック』!!」
 『クァァァァァァァァァァ…!!』


 ――ドォォォォォォォォォン!!!


 クロスフィールをも上回る一撃が炸裂し閃光竜を粉砕!
 その衝撃ゲイルを襲い、ライフを削り取る。

 「うおわぁぁぁぁ!!」
 ゲイル:LP700→0


 決着。
 互いに譲らない白熱のデュエルは、最後の最後で閃光竜の効果を逆手に取った遊星に軍配が上がった。

 「ふぅ…又負けたか…。だが、心踊るデュエルだったぜ。」

 「あぁ、其れは俺もだ。」

 全力デュエルは気持ちが良い。
 今この時は渡航者も砕け得ぬ闇も関係なかったのだろう。

 「デュエルは終わったが、お前は如何するんだ?」

 「砕け得ぬ闇は、俺達の存在の固定に必要な物だ……が、全容は不明だからなそっちを調べてみるさ。」

 「そうか…無理はするなよ?」

 「分ってるぜ。…お前は正体不明の渡航者の詮索と闇の欠片の殲滅だろ?そっちこそ気をつけろよ?」

 「あぁ、勿論だ。」

 どうやら遊星にゲイルを確保する気は無いらしい。
 と言うか、別分破壊活動をしていたわけでもないし、そもそもデュエル目的で現れたのだから捕まえる理由も無いのだ。

 「ディアーチェには現地の人に迷惑をかけないようには言っておく…またな!」

 「あぁ、頼むぞ。」

 其れだけを言うと、ゲイルはそのまま走り去る。


 残された遊星は…

 「其処だ…!叩き込め、ジャンク・ウォリアー!!」
 『デァァァァ!!』

 休む間も無くモンスターを召喚し背後から迫ってきていた闇の欠片を粉砕。
 恐るべき素早さだ。

 「今のも俺の記憶から再生された欠片…?巨漢の警察帽…誰だ?」

 今の一撃で消し飛んだ欠片の元は忘却の彼方の存在で有るらしい。

 「他のマテリアルや渡航者ははやて達が対処している…俺は欠片を倒す事に専念した方がよさそうだな。ステラ。」
 『了解。フリーバトルモード、スピードカウンターを12に固定しジャンク・ウォリアーを維持します。』

 戦闘準備を整え、遊星もその場を走り去るのだった。















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 Sp−スピード・エナジー
 スピードスペル
 自分のスピードカウンターが2つ以上ある場合に、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
 選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで自分のスピードカウンターの数×200ポイントアップする。



 シンクロ・フェイクシルエット
 通常罠
 自分フィールド上に存在するシンクロモンスターが攻撃対象になった時に発動する事ができる。
 攻撃対象になったモンスターと同じ種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「フェイクシルエット・トークン」1体を特殊召喚し、攻撃モンスターとバトルを行う。



 シンクロ・ヘイロー
 通常罠
 自分フィールド上に存在するシンクロモンスター1体が戦闘によって相手モンスターを破壊できなかった場合に発動できる。
 そのシンクロモンスター1体の攻撃力を倍にし、このターンのバトルフェイズ中にもう1度だけ攻撃する事ができる。



 レベルストライク
 通常罠
 自分フィールド上のモンスター1体を選択する。
 選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズまで、そのモンスターのレベル×200ポイントアップする。



 金城鉄壁
 通常罠
 このカードは発動後装備カードとなり、自分フィールド上のシンクロモンスター1体に装備される。
 装備モンスターは1ターンに2度まで戦闘では破壊されない。
 又装備モンスターが効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊できる。



 シンクロ・パワーチャージ
 永続罠
 このカードが表側で存在する限り、自分フィールド上のシンクロモンスターは攻撃する場合のみ攻撃力が500ポイントアップする。

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