小説『なんやかんやで赤龍帝』
作者:黒鋼()

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ダラっと行きましょう。





第三話「なんやかんやで冥界侵入」



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5歳である。

誰が何と言おうと5歳である。

今現在、冥界にいるらしい。

家のドアを『どこ○もドア』にしてやろうと思い、魔力を込めたら次元の壁を超えた次第である。



紫の空、禍々しい森、不気味な鳴き声、ヨダレを垂らして俺を見つめる化物。

ふむ、美味しく頂かれそうである。



俺の後ろには、同世代くらいの紅髪の少女と黒髪眼鏡の少女、二人を守るように立ち塞がる銀髪のメイドさん。

闘うメイド、何ともシュールである。



『ほう、あの銀髪の女悪魔、かなり出来るな』



強いの?

俺くらい?



『そんな訳無いだろう、何と言っても相棒は頭がイカレてるほど意味不明な強さなんだぞ?』


真っ赤なトカゲをシバき回したくなる今日この頃、化物と女子供の間に現れてしまった俺。

どうしてくれようか?

メイドさん、俺を見てビックリである。



「何故人間の子供がこんな所にッ!?」



俺も聞きたい。



『込める魔力量を間違えたな、有り得ないほど多過ぎだ』



ですって。

失敗を糧に成長するのが人間なのである。

次は頑張りたい。



『魔法陣によって構築した魔法で次元の壁を越えたのでもなく、

 ただ馬鹿げた量の魔力で次元そのものを捻じ曲げてしまったようだな』



魔法陣はあった方がいいの?



『効率も良いし、少ない魔力でも魔法が使用可能だ。 まぁ、ふざけてるほどの魔力を持つ相棒には関係無いか』


いちいち言葉に刺が感じられる

後でたっぷりと愛嬌(暴力)を混じえたお話(折檻)をしよう。



会話を楽しもうかと思った俺であったが、化物が痺れを切らせて向かってくる。

堪え状のない獣である。

少し躾をしようじゃないか。



「伏せ」



ぐちゃっ、と小気味良い音を立てて平伏す化物。

こう、上から抑える様な雰囲気で言っただけでミンチになってしまった。



『相棒、先程も言ったが一回に使う魔力が馬鹿げたほど多過ぎだ。 かなりのショッキング映像だぞ』


だろうね。

後ろの女の子二人、気絶してるもん。

(※イカレた量の魔力の重圧に気絶)


でも、魔力を出した覚えはない。



『無意識に垂れ流している魔力量でアレか? さすが相棒、イカレてやがる……』



トカゲちゃんは後で地獄を見せるとして……。

エグい光景を目の当たりにして、唖然としていたメイドさんだったが、俺に警戒心を向けてくる。



「あなたは何者ですか……?」



――ぐぅぅぅぅぅ〜――



「………」

「お腹空いた」

「………」



警戒心も霧散して、キョトンとした顔で俺を見る。

メイドさんもお腹空いたのかな?



『あまりにも場違いな相棒の反応についていけてないだけだ』



あえて言わなかった事実、トカゲに指摘されちゃったぜ。

俺もコレは『ねぇな』と思ったけど、ホントなんだから仕方ない。



「……とりあえず、お屋敷に来ますか?」

「逝く」

『相棒、何かニュアンスが違うぞ』



メイドさんのありがたい申し出、断るはずがない。

だって、ここ何処よ?

帰り方どうやんの?

お腹ペッコペコだよ?

どうしてくれやがる、ドライグ。



『俺のせいなのか!?』



とりあえずメイドさんが魔法陣を出したので、絶賛お寝む中の二人を連れて行く。

移動用の魔法らしいので、俺も便乗する。


とりあえず、お屋敷とやらにGOである。








-3-
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