小説『遊戯王の世界にやってきました』
作者:ガウェイン()

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どうも、ガウェインです。今まではカードの説明をキャラクターの口で説明していましたが、分かりにくい物も今後出ると思うので今後はマイナーと思われるカードに関しては一度だけデータを載せることにします。ん?何で今までしなかったかって?ぶっちゃけメンド…ゲフンゲフン。時間の都合です。あ、それから友人に見せたところ開闢ちゃんの言葉がマスターよりご主人様の方が受けがよかったので(マスター)を無しにします。(作者としても楽。)

遊希side

現在時刻は23時32分、俺は部屋の片づけをしている。本来ならとっくに終わらせていた筈なのだが手伝っていたレンが何かする度に高確率でドジをするからなかなか進まないのだ。ああ、レンってのは開闢の使者の個体の名前なのだそうだ。まあ確かに、知っている人は知ってるがゲームでも同じブルーアイズでも名前が違うので、一言に開闢の使者と言っても、違うカードなら違う名前になっているらしい。

「よし、もう少しで…」

「はう!!ご主人様〜助けて下さぃ〜」

……ついさっき片付けた棚にぶつかって落ちてきた中の物の下敷きになっているレンを見て一瞬デッキから開闢を抜こうか、と考えた俺は決しておかしくない筈だ。

「レン、お前はもう休んでもいいからって、さっき言ったよな?」

助けながら俺は自分の記憶に間違いがないか確認する。

「は、はい…でも、私が散らかしてしまったのに自分は休んでご主人様だけに働かせるなんて…」

真面目なのはいいことだ。でもな…

「はっきり言っておくぞ。レンが手伝っていなければ、片付けはとっくに終わってる。お前はこの作業が向いていない。」

「うぅ…ごめんなさい…」

ぐぅ…そんな申し訳なさそうにされると罪悪感が…

『pipipi pipipi』

PDA(パーソナル・デュエル・アカデミア)から電子音が鳴り、メールの着信を知らせる。誰だ?

『やあ、ドロップアウトの天道 遊希。昼間の決着を付けようじゃないか。今夜0時丁度にデュエルリングに来い。互いのベストカードを賭けてアンティだ。』

「ご主人様?どうしましたか?」

「いや、デュエルの誘いだ。」

ドンドンドン!!

俺がレンに答えるとほぼ同時にドアがノックされる。このタイミングからすると十代か?

「レン、精霊化しろ。」

十代だけなら問題ないが翔がいたらまずい為レンに精霊化するように指示する。

「了解です!!」

レンが精霊化したのを確認してから俺はドアを開ける。

「遊希!」

「このタイミングってことはお前も万丈目から?」

「お前もってことは…」

「ああ、俺もだ。」

『クリクリ〜』

「おい相棒、遊希に迷惑だぜ?」

ハネクリボーが出てきて俺の顔を真正面から覗き込んでくる。しかし十代よ、俺には見えてるから良いけど他人からしたらお前、ただの変人だぞ?

「こらハネクリボー、普通は見えないからって、そうまじまじと覗き込むな。」

「ほら、遊希もそう言って…なに!?遊希も精霊が見えるのか?」

「まあ一応な。レン!挨拶しろ。」

『はい!いつもニコn…』

「普通に、だ。」

『……………初めまして、カオスソルジャー-開闢の使者-の精霊のレンです。』

えらく間があった。どうやら普通の挨拶を考えるのに時間がかかったようだ。こいつ本当にデュエルモンスターズ史上最強のモンスターの精霊か?

「俺は遊城十代だ、宜しくな!…ん?」

「どうした?」

十代がレンの自己紹介を聞いて名乗り返した後に一瞬間を開けて疑問符をうかべる。

「カオスソルジャーって…女の子なのか?」

なるほど、理解できた。確かに普通はそう思うな。

「他はどうか知らないがレンは女の子だな。」

『ぁぅ…ご主人様が女の子って意識してくれた…』

一瞬レンが何か言ったような気がしたが聞かなかったことにしよう。

そのまま、十代と共に万丈目が待つデュエルリングに向かう。

「遅かったな!まあ、逃げなかったことは誉めてやろう。」

「デュエルの誘いなら受けない手はないぜ!」

「別に逃げる理由もないしな。」

実際に負ける気は一切ないし実力の違いを実戦で解らせた方がいいだろう。アニメGXの事は殆ど覚えていないが万丈目は後半になるといいキャラになる筈だし。

「十代、俺からデュエルしていいか?」

「な!?クッソ〜…仕方ねえな、早い物勝ちって言うし。それに、言い替えれば俺は強い方と戦えるってことだしな!」

なんだ。十代って頭悪いって訳じゃないんだな。

「フン!俺はどっちでも構わん。天道遊希、貴様にはあの『カオスソルジャー』を賭けてもらうぞ!」

「厳密には…『ええええええ!!??』…『カオスソルジャー-開闢の使者-』だ。」

(いきなりどうした!?)

『だってご主人様!万が一負けたら私あんなのの手に渡っちゃうんですよ!?』

あんなのって…哀れだな、万丈目。こんなの(レン)にそんな扱いされるとは…

(勝てばいいんだろ?それにレン、俺が負けると?)

『ううう…わかりました、ご主人様を信じます。絶対に勝ってくださいね!』

レンも言葉に頷き万丈目の前に立つ。互いにデッキをカットしてディスクを構える。

「「デュエル!!」」

互いに声を出す。今回は相手が先行か。

「俺は『ヘル・ドラゴン』を召喚!」

(ヘル・ドラゴン/Infernal Dragon)
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守 0
このカードは攻撃した場合、そのターンのエンドフェイズ時に破壊される。
フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、
自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースする事で
このカードを特殊召喚する事ができる。

万丈目の場に黒いドラゴンが現れる。見た目はなかなかに格好いいが効果に癖があるモンスターだ。

「さらにカードを一枚セットしてターンエンド!」


『ヘル・ドラゴン』
魔罠
リバース×1

俺のターンが回ってくる。そこに…

「あなた達!何やっているの!?」

やってきたのは皆さん予想通りの天上院明日香その人。

「お、明日香!」

「明日香、今は外出禁止の時間だぞ。」

上が十代、次が俺。

「分かっているわよ。て言うか現在進行形で禁止時間を無視しているあなたに言われたくないわ!万丈目君もよ!」

「天上院君、こいつらには礼儀を教えなければ今後困るだろうと言う俺の心遣いさ。とめないでくれたまえ。」

親切心でアンティとは、笑わせるな。

「俺のターン ドロー」

初手は…
光の援軍
ライトロード・モンク エイリン
冥府の使者ゴーズ
ライトロード・エンジェル ケルビム
サイクロン
???

見て分かるようにライトロードの闇の混合デッキ…所謂【カオス・ライロ】だ。これならGXの時代にもあり、無理なく開闢を組み込める。まあ、少し俺なりにネタ要素を仕込んではいるがな。

「まずはサイクロンでセットカードを破壊する。」

「ちぃ!?『奈落の落とし穴』が!」

サイクロンの効果で万丈目のトラップが破壊される。っていうか怖!奈落とかガチだ。

「続けて『光の援軍』を発動!コストでデッキトップを三枚墓地に送りデッキから『ライトロード』の下級モンスターを手札に加える。俺は『ライトロード・パラディン ジェイン』を手札に加え、そのまま召喚する。」

俺の場に白い甲冑を纏った中性的な風貌の騎士が現れる。

atk1800

「そのままバトルだ!」

「馬鹿め!攻撃力は此方が上だ!」

死亡フラグをありがとう。

「ジェインの効果により、モンスターに攻撃する場合はダメージステップの間攻撃力が300アップする。」

「なに!?ぐ…」

ヘル・ドラゴンがジェインの攻撃によって破壊され万丈目がダメージを受ける。

万丈目
LP4000→3900

「俺はカードをセットして、ターンエンド。この時ジェインの効果によってデッキトップのカードを二枚墓地に送る。」

お、こいつはラッキーだ。

「そして墓地に送られた『ライトロード・ビースト ウォルフ』の効果を発動!このカードがデッキから墓地に送られた時、このモンスターを特殊召喚する。」

俺の場に逞しい体格の狼男が出現する。しかしエンドフェイズなので…

「ターンエンド!」

特に何もすることなく終わる。


ジェイン ウォルフ
魔罠
リバース×1  墓地 6枚

「俺のターン、ドロー!」
万丈目がカードを引き、手札に加える。

「俺は手札を一枚捨て、魔法カード『ライトニング・ボルテックス』を発動!お前の表側のモンスターを破壊する!」

俺のモンスターは二体とも表側表示、つまり二体とも破壊される。ああ、ウォルフ出ただけで…

「く!?」

「俺は魔法カード『死者蘇生』を発動する!今、コストで墓地に送った『炎獄魔人 ヘル・バーナー』を特殊召喚だ!」

(炎獄魔人ヘル・バーナー/Infernal Incinerator)
効果モンスター
星6/炎属性/悪魔族/攻2800/守1800
このカードを除く自分の手札を全て墓地に捨て、
さらに自分フィールド上の攻撃力2000以上のモンスター1体を
生け贄に捧げなければ通常召喚できない。
相手フィールド上モンスター1体につき
このカードの攻撃力は200ポイントアップする。
このカード以外の自分フィールド上のモンスター1体につき、
このカードの攻撃力は500ポイントダウンする。

ゴーズを出してもこっちのモンスターが増えるからカイエントークンでも倒せないし…仕方ない。

「『死者蘇生』にチェーンして罠発動!『デビル・コメディアン』!」

「……お?」

「……え?」

「……何?」

上から十代、明日香、万丈目。確かに結構マイナーだけど…その反応は無いだろ…

(デビル・コメディアン/Fiend Comedian)
通常罠
コイントスで裏表を当てる。
当たりは相手の墓地のカードを全てゲームから除外する。
ハズレは相手の墓地のカードの枚数分、
自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。

「効果処理を続けるぞ。俺は表を選択する。」

「そんなギャンブルカードに頼るようでは貴様の底が知れるな!」

なんとでも言え。どっちの効果でもライトロードではメリットなんだよ。

「これで当たればお前の『死者蘇生』は不発で俺が有利だ。確率は二分の一、どうなるかな?」

立体映像でコインではなくイラストの悪魔たちが出てくる。これってどうやって判定するんだ?

そんな事を考えてるうちに片方の悪魔が勿体ぶって口を開く。

『ドカンガ・・・バクハツシタ・・・ドッカーン・・・』

空気が凍った、気がした。

「……」
「……」
「……」
「……」

絶句。最早なんていえばいいのか、何が正解なのか理解できない。そして相方であろうもう一人の悪魔が動きだし…

『…』
ドス!

無言で突っ込んだ。これって…

「…ハズレ…だな。」

俺のデュエルディスクから墓地にカードを送るように指示が出ている。

「ふ、ふん!どうやら運にも見放されたようだな!俺は墓地から『炎獄魔人 ヘル・バーナー』を復活させる。出でよ!ヘル・バーナー!」

atk2800

だが…俺にとっても完全にハズレって訳じゃない。

「『デビル・コメディアン』の効果で墓地に送られた『ライトロード・ビースト ウォルフ』守備表示で特殊召喚!」

俺の場に本日2回目の登場のウォルフさん。

「フン!だが俺の『ヘル・バーナー』には敵わない!いけ、『ヘル・バーナー』!≪ヘル・フレイム・ブレス≫!!」

ヘル・バーナーがウォルフを焼き尽くさんばかりの威力で攻撃してくる、が。

「墓地の『ネクロ・ガードナー』の効果を発動!このカードを除外して、攻撃を一回無効にする!」

ウォルフの前に半透明の戦士が立ちはだかりヘル・バーナーの攻撃からウォルフを守る。万丈目も予想外だったのか一瞬フリーズする。

「ク…だが、貴様がモンスターを出せばヘル・バーナーの攻撃力も上がる。お前の負けだ!カードを伏せターンエンド!(仮に超えることが出来てもこのセットカードは『聖なるバリア-ミラーフォース』…返り討ちだ)」

万丈目はカードを伏せターンエンドする。見事に敗北フラグを打ち立てて。


ヘル・バーナー
魔罠
リバース(ミラーフォース)

「俺のターン、ドロー。」

『お待たせしました、ご主人様!』

(お、来たか。)

引いたのは『カオスソルジャー-開闢の使者-』。フィニッシュターンで来るとは…こいつ、狙ってるのか?

「俺は、ウォルフを生け贄に捧げ、『ライトロード・エンジェル ケルビム』を召喚!」

ああ、ウォルフが若干寂しそうに見える。今回の出番は出てきて破壊されて、出てきて破壊されかけて、最後は生け贄…いかん。なんか罪悪感が…

ケルビム
atk 2300

「なんだ、何が来るかと思えば攻撃力たったの2300では俺のモンスターには勝てない!」

自分の勝利を確信している万丈目。こいつの効果言ったらどんな反応してくれるかな…

「ケルビムの効果発動!『ライトロード』を生け贄にしてこのカードが召喚された場合、デッキトップを四枚墓地に送ることで相手フィールドのカードを2枚まで破壊する事が出来る!ヘル・バーナーとセットカードを破壊だ!」

「なんだと!?」

俺の説明に万丈目の顔が驚愕に固まる。やべ、楽しい。

「だが、そのモンスターの攻撃を受けてもまだライフは残る。そしてお前はもう通常召喚を行った!次のターンで逆転勝利だ!」

「残念ながら…墓地の光属性『ライトロード・パラディン ジェイン』と闇属性『トラゴエディア』を除外し…」

あ、万丈目の目が死にかけてる。

「特殊召喚!『カオスソルジャー-開闢の使者-』!」

atk 3000

「万丈目、俺の勝ちだ。ケルビムでダイレクトアタック!…え〜と…≪エンジェルフェザー≫!」

困ったときのテイ〇ズネタ。コレ〇ト可愛いよね。個人的にはプレ〇アも好み。

「ぬぁ!?」

「止めだ。『開闢の使者』でダイレクトアタック!≪カオス・ブレード≫!」

「うわぁぁ!!」

万丈目
LP3900→1600→-1400

ディスクが俺の勝利を知らせる。いや、意外と楽しめたな。

「あなた…ほんとに強かったのね…万丈目君相手にライフを減らさないなんて。」

「なに、今回は運がよかった。『デビル・コメディアン』のハズレが結果的に大当たりだったわけだしな。」

「なあ、遊希!次は俺とデュエルしようぜ!」

十代の言葉でそういえば勝ったほうとデュエルするんだったと思い出して準備する、が。

「待って!警備員が来るわ、逃げましょう!」

「ちっ!仕方ない。」

「俺まだデュエルしてないのに〜!」

その後、俺たちは何とか警備員の目を掻い潜り脱出に成功する。

「何とか脱出できたようね。」

「ああ、流石に入学早々退学は嫌だしな。」

「俺はまだデュエルしてねえぞ!」

三者三様の言葉を漏らす。こんな時でもそんなことを言える十代はさすがと言うべきか。

「十代、寮に戻ったらデュエルに付き合ってやるから、戻るぞ。」

「お、そう来なくっちゃな!じゃ、早速戻るぜ!じゃあな、明日香!」

「明日香、今日は助かった。お前がいなかったらいきなり退学もあり得た。感謝するぞ。」

「ええ、私もあなたには興味がわいたわ。何時かデュエルしましょう。」

「そうだ、これ。俺のPDAのアドレスと番号だ。そのうちデュエルにでも誘ってくれ。中身のない雑談でもいいぞ。」

「あら、ありがとう。じゃあ、私のも渡しておくわ。」

俺は明日香と連絡先を交換して別れる。さて、戻って十代の相手をしないとな。

「ところで、何でそんなに不機嫌なんだレン?」

『ご主人様のせいです!』

え〜?

遊希SIDE OUT

明日香SIDE

私は今日であった二人の男子生徒の事を考えながら歩いていた。

「遊城十代、そして…天道遊希。」

十代も入試試験でクロノス教諭を倒したことから実力はあるのは間違いない。そして…

「遊希に至っては万丈目君を相手にパーフェクト勝利…伝説のレアカードを持ち、しかもそれを使いこなしている。それに・・・」

あのライトロードと言うデッキも興味深いわ。デッキを破壊する代わりにハイスペックなカードが多い。扱い辛そうだけどその特性を理解して普通は使われないようなカードまで使いこなす。

「フフ…デュエルできる日が楽しみね…」

何か不自然じゃない口実はないかしら?

明日香SIDE OUT





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