今回は遂にあのカードが使用されます。しかし辻褄合わせの為とはいえ、あの最強のカードを使ってしまうとは…
「先行は俺か。」
デュエルディスクが俺の先行を決定する。初手の五枚とドローの一枚を見て考える。
「さて、どうしたもんか…」
ライトロード・ビーストウォルフ
ライトロード・マジシャンライラ
ソーラー・エクスチェンジ
クリッター
王宮のお触れ
死者転生
「まあ取り敢えず引いてから考えるか。『ソーラー・エクスチェンジ』を発動。手札のウォルフをコストにして、デッキから二枚ドローして、デッキトップを二枚墓地に送る。」
引いたカードはルミナスと…お?来たか、レン。
『私が来たからのはご主人様の勝利は目前です!あのご主人様に色目を使ってくる忌々しい女も最後が近いですよ!』
なんか知らんがテンションが高いな、レン。まあいいや。
クリッターで『オネスト』をサーチしておくのも有りか?しかし…
「最初だし無難に行っておくか…『ライトロード・サモナールミナス』を召喚して効果を発動!手札一枚をコストにして、墓地からレベル4以下の『ライトロード』を特殊召喚する。俺は今墓地へ送ったライラを特殊召喚!」
俺の場に二体のライトロードが並ぶ。これで初ターンは良いだろう。
「カードを一枚セットし、ターンエンドだ。」
万が一相手がカウンター系や『スキルドレイン』なんか使ってきたら困るため『お触れ』をセットしておく。
「エンドフェイズにルミナスとライラの効果が発動する。」
デッキから3×2で6枚のカードが墓地に送られる。
場 ルミナス ライラ 手札三枚
伏せ 1枚(お触れ) 墓地 10枚
「フフ…一気に2体並べるなんてなかなか刺激的じゃない。楽しませなさい?私のターン、ドロー。」
ところで話は変わるが、俺はタッグフォースをプレイしたことがない。有名なキャラの名前くらいは知っているがどんなデッキを使うかまでは知らない。何が言いたいかって言うと…
「私は『マンジュ・ゴッド』を召喚して効果を発動するわ。デッキから『破滅の儀式』を手札へ…」
儀式デッキ相手にお触れを伏せたことを今まさにスッゲェ後悔してるってことです。これなら死者転生のコストの為に持っておいた方がよかった…
「さらに『おろかな埋葬』を発動するわ。デッキから『儀式魔人 リリーサー』を墓地に送って…これで準備は整ったわ…儀式魔法『破滅の儀式』を発動。場のマンジュ・ゴッドと墓地のリリーサーを生け贄として、手札から『破滅の魔王ガーランドルフ』を儀式召喚!」
†
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守2000
儀式召喚を行う場合、その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、
自分の墓地のこのカードをゲームから除外できる。
また、このカードを儀式召喚に使用した儀式モンスターがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手はモンスターを特殊召喚できない。
儀式魔法
「破滅の魔王ガーランドルフ」の降臨に必要。
自分の手札・フィールド上から、レベルの合計が7以上になるように
モンスターをリリースしなければならない。
また、自分のメインフェイズ時に墓地のこのカードをゲームから除外する事で、
このターン自分フィールド上の儀式モンスターが戦闘によって破壊したモンスターは
墓地へ送らず持ち主のデッキの一番上に戻る。
†
儀式・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2500/守1400
「破滅の儀式」により降臨。
このカードが儀式召喚に成功した時、
このカードの攻撃力以下の守備力を持つ、
このカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊し、
破壊したモンスター1体につき、このカードの攻撃力は100ポイントアップする。
藤原の場に凶悪な姿の儀式モンスターが現れる。あれ…?コイツの効果って確か…
「ガーランドルフの効果を発動するわ。フィールド上のこのモンスターの攻撃力よりも低い守備力のモンスターをすべて破壊する…『ディアボリック・エミッション』」
俺のモンスターの守備力は…うん、余裕で破壊されてしまう、と。
ガーランドルフが両腕を掲げ、力を開放すると同時に俺のモンスターたちが苦しみだし、破壊される。
「ク…?!俺のモンスターが…」
「さらに破壊したモンスターの数だけ攻撃力がアップするの。今回は2体だから200アップね。」
ガーランドルフ
atk2500→2700
(やばい、やばいぞ…)
『ご主人様?何がそんなにまずいんですか?強いと言っても攻撃力は2700です。私には及びません!次のターンで私が出れば…』
(馬鹿!リリーサーの効果で俺は特殊召喚が出来ないんだよ!)
『…へ?…え〜っと?つまり…』
(お前を出すことができないってことだ…)
『…ウソダドンドコドーン!!』
やかましい。ネタを解ってくれる人がいるか怪しいことするな。
「行きなさい、ガーランドルフ!『ダークマター』」
藤原の指示にガーランドルフが従い黒い波動のようなものを放ってきた。
「…っく…!?」
遊希LP
4000→1300
俺のライフが大幅に削られた。
「フフフ…私はこれでターン終了よ。もっと楽しみましょう。それとも…もう終わりかしら?」
場 ガーランドルフ 手札 3枚
「冗談言うなって。ここから逆転するさ。俺のターン、ドロー!」
ドローカード 光の援軍
「よし、俺は魔法カード『光の援軍』を発動!デッキトップを三枚墓地に送って、デッキから『ライトロード・ハンターライコウ』を手札に加える!」
因みに墓地に落ちたのは
死者蘇生
ウォルフ
ゴーズ
…何でこんな時にウォルフが…
「モンスターをセットして、ターンエンドだ!」
場 伏せモンスター 手札 三枚
伏せ 1枚(お触れ) 墓地 16枚
「私のターンドロー。確かライコウはリバースでカードを破壊する効果があったわね。」
ちぃ!?きっちり把握してやがる…
「そうだが…どうする?このままじゃお前の切り札のガーランドルフが破壊されるぜ?」
ガーランドルフさえ居なくなればレンを召喚して一気に優勢だ。このまま攻撃してくれればいいんだが…
「あら…いつガーランドルフが私の切り札何て言ったかしら?」
「…何?」
藤原が手札1枚を持ちながら挑発するように言う。まさか…もうアレが来るのか…?
「まずは『強欲な壺』を発動して二枚ドロー。フフフ、見せてあげるわ…私の切り札を。儀式魔法『エンド・オブ・ザ・ワールド』を発動!場の『破滅の魔王ガーランドルフ』と手札の『儀式間人ディザーズ』を生け贄に捧げ…」
先ほどまで場で威圧感を放っていたガーランドルフと手札からモンスター一体が生け贄となり、ガーランドルフを遥かに超える巨体が姿を現す。
「儀式召喚…現れなさい、『終焉の王デミス』!!」
†
儀式・効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2400/守2000
「エンド・オブ・ザ・ワールド」により降臨。
フィールドか手札から、レベルの合計が8になるよう
カードを生け贄に捧げなければならない。
2000ライフポイントを払う事で、
このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。
「デミスの効果ならあなたのライコウも効果を発動させずに破壊できるわ。どうやらここまでのようね。」
「それはどうだろうな?」
「あら…まだ秘策があると言うの?」
「さあな。案外心理戦かもしれないぞ?このモンスターがライコウじゃないかもしれない。『クリッター』辺りもあり得るな。」
「……面白いじゃない…良いわ、デミスの効果を発動するわ!ライフポイントを2000支払い、このカード以外をすべて破壊する!『エンド・オブ・ザ・ワールド』!」
藤原LP
4000→2000
藤原の宣言と共にデミスの効果が発動する。フィールドが強大な力の渦に飲み込まれ、収まった後には巨大な影…デミスしか残っていなかった。
「どうやらあなたの伏せモンスターは普通にライコウだったようね。」
「正解。流石に騙されないか…」
「フフフ…私の勝ちね。デミスで直接攻撃、『終焉の宴斧』!」
明日香達、女子は藤原の勝利を確信した。翔は退学を覚悟した。だが十代は遊希の勝利を疑っていなかった。そして遊希自身も敗北は微塵も考えていなかった。
「『ネクロ・ガードナー』の効果発動!!」
ガァン!
遊希が宣言すると、半透明の戦士がデミスの斧を受け止めた。
「嘘…いつの間に…?」
「最初のターンのエンド時に送った内の一枚だ。」
藤原雪乃は信じられなかった。普通ならガーランドルフの攻撃の時に使っていた筈。なのに何故…?
「言っただろ?心理戦かもしれないって。俺はガーランドルフが切り札だなんて思ってなかったよ、最初から。ずっとデミスを警戒して残しておいたんだ。」
遊希は特殊召喚できないという厄介な効果を残していたガーランドルフを消すためにライコウをサーチし、デミスを誘った。それを理解したとき、藤原の心に悔しさは無かった。
「良いわ…遊希…私を手玉に取るなんて大したものよ。」
あったのは高揚感。自分に惑わされず、それどころか自分を惑わしてくる『天道遊希』と言う人間に対するライバル心とでも言うのだろうか。
「私はカードを二枚伏せてターンエンド。さあ、私に遊希…あなたのすべてを見せなさい。」
場 デミス LP2000
伏せ 二枚
「俺のターン!」
遊希がカードを引く。引いたカードを一瞥すると別のカードを手に掴む。
「俺は『死者転生』を発動!手札の『クリッター』を墓地に送り、モンスターを手札に加える。そして…墓地から光属性『ウォルフ』と闇属性『クリッター』を除外し…」
遊希の場に二本の光の柱が現れる。一本は白、もう一本は黒の光の柱。その二つが重なり合って混沌の渦が現れる。そしてその渦から一人の剣士が現れ…
「特殊召喚!『カオスソルジャー-開闢の使者-』!!」
「罠発動!『激流葬』!」
『ご主人様ぁぁぁぁ!!??』
…ると同時に激流に飲み込まれ破壊された。
「残念ね、あなたの切り札の事は私も知ってるわ。そして私のデミスはディザーズの効果で無傷。今回の心理戦は私の勝ちね。」
†
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 200/守 200
儀式モンスターの儀式召喚を行う場合、
その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、
墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事ができる。
このカードを儀式召喚に使用した儀式モンスターは罠カードの効果を受けない
「ほう…?誰が俺の切り札が『開闢の使者』だけと言った?」
「え?」
「残念だったな、藤原。俺の勝ちだ。俺の墓地にライトロードが四種類以上いる時、このモンスターは特殊召喚できる!」
遊希が一枚のカードをディスクに乗せる。そして現れたのは…
「来い!『裁きの龍』!!」
デミスをさらに上回る巨体の、神々しささえ感じさせる龍だった。
†
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2600
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の「ライトロード」と名のついた
モンスターが4種類以上の場合のみ特殊召喚できる。
1000ライフポイントを払う事で、
このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。
また、このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
自分のエンドフェイズ毎に、自分のデッキの上からカードを4枚墓地へ送る。
「攻撃力…3000!?(いえ、まだよ。私の場には『聖なるバリア-ミラーフォース-』が…)」
「『裁きの龍』の効果発動!ライフを1000支払い、このカード以外のフィールド上のカードを破壊する!」
「なんですって!?」
デミスと同じ効果、しかもコストはデミスの半分。ライトロード専用とはいえ藤原にとっては規格外の化け物だ。
「『龍星群』!!」
光流れ星のように降り注ぎ、視界を覆い尽くす。そして光が晴れるとそこにいるのは悠然と佇む巨体の龍だけだった。
「終わりだ、藤原。『ディバイン・ジャッジメント』!!」
「あぁん!!」
藤原LP
2000→-1000
デュエルは終了した。
「ありがとうッス遊希君!!おかげで退学にならずに済んだッス〜」
「流石だぜ、遊希!あんな切り札を隠してるなんたな。」
「ガーランドルフがでた辺りは少し焦ったけどな。」
遊希が十代達と話ていると明日香と藤原がやってきた。
「遊希、まさかあそこから逆転するとわ思わなかったわ。」
「ああ、明日香の方もなかなかすごかったぞ。俺にはサイバーエルフのデッキは扱いきれないだろうしな。それから藤原も…」
「雪乃よ。」
「え?」
「私の事は藤原ではなく雪乃と呼びなさい。」
「あ〜、雪乃…でいいか?」
「ええ、遊希、これから宜しくね。」
「雪乃?どういうつもり?あなたが名前で呼ばせて名前で呼ぶなんて…」
「あら?私が遊希を名前で呼ぶことに問題でもあるの?」
「そういう訳じゃないけど…」
「なら良いじゃない。私は遊希が気に入った。それだけよ。」
何処となく機嫌が悪そうな明日香と上機嫌な雪乃だった。
そして遊希の後方でブツブツと呟いている少女?が一人…
『良いですよ。どうせ私は場に出ることもできない役立たずですよ。出てもジャッジメントさんの為の囮ですよ。やっぱりご主人様はあの女みたいに胸が大きい方がいいんです…』ブツブツ
これからどうなる事やら……
最強カード『強欲な壺』を使ってしまった…この世界では制限なんですよ。でも極力使いたくない…
自分ポケモンでも極力600族とか伝説を使わないようにしてるんで…え?関係ない?…そうですね。