小説『ONE PIECE【changed the course of history】』
作者:虹犬()

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【第9話 シスコンの怒り】





アレグレット誘拐事件から2カ月が経った―

「ユサ、あんた帰りなさいよ!マサヤ兄ぃは今日、私と買い物に行くの!」

「いいや!マサ兄は俺と修行するんだよ!買い物ぐらい一人で行って来い。」

ここはお馴染みシャッキー\'S ぼったくりBAR。

「はぁ………」

俺の目の前で言い争いをしている二人の子供。
それを見ながらため息をつく。
一人は金色の髪にくりくりしたエメナルド(グリーン)色をした瞳、俺の妹のアレグレットだ。
そして、もう一人、白、黒、翠、黄、赤というわけのわからない髪の色をしている少年、自称:俺の弟、アレッサンドロ・D・ユサである。


アレッサンドロ・D・ユサ――俺が無人島からこの島に帰ってきて1カ月ほど経った頃に出会った少年である。
まあ、よくある海賊に襲われている所を助けたって展開である。
……こいつの場合、海賊狩りを行って返り討ちにあってたわけだから自業自得なんだが……でも、こいつ、戦闘能力はそこそこあるから相手が能力者じゃなければ俺の出番はなかったんだっけどな…


で、それからまあ、勝手に弟子入り、特訓に飛び入り参加、海賊狩りについてくる等といろいろと付きまとわれるようになって現在に至る…というわけである。
まあ、なかなか面白い奴だし気に入っているから俺の方からも特訓に誘ったり、二人でテニヌをしたりすることもあるんだが…

「ユサ、今日はアレグレットと買い物行く約束してたんだ。修行ならそのあと付き合ってやるからちょっと待ってろ」

「なんだよ〜。最近、アレグレットばっかりかまってさあ、そんなんだから町の人に『シスコン』なんて言われるんだ」

いや、それはしょうがねえじゃん?
あれから…アレグレットが普通に生活できるように能力制御の特訓を行って、
…やっとのことで、触れても人を傷つけることがなくなり、海楼石を身につけなくてもよくなった…
だけど、心配なのは変わらない……まあ、だからシスコンって言われても……って…ん?

「シスコン!?誰がそんなこと言ってたんだよ?」

いやいや、なんで俺が町公認のシスコンにならんといかんのだ、『金狼のマサヤ』でさえ少し恥ずかしかったのに『シスコン』のマサヤとかほんと…なんかもう……勘弁してください………

「いや、町の殆どの人が言ってたよ。『あれが【シスコンのマサヤ】?結構、かっこいいわね』とか…」

うわ……まじで…?なんかもう……これどうしたらいいの?
そうだ…もう、旅に出よう!人の噂も75日とかいうし半年ぐらい雲隠れすれば……
って……

「誰だ?……んなこと!言いふらしたのは!」

「俺だよい。」

横を見るとカウンターに腰かけ酒を飲んでいる海賊の姿があった。
……え〜っと確か………

「マルオ?」

「マルコだよい!」

ああ、マルコね。白ひげの1番隊隊長のね……って白ひげ!って毎回、このパターンだな俺……。

「マルコってあの白ひげ海賊団のか!?」

俺の代わりに、ユサが驚いてくれる。

「ああ、そうだねい。お前がマサヤか?一緒に白ひげの…」

「違うだよい。おれぁ、アレッサンドロ・D・ユサよい。マサヤはそこの男よい。」

と言って、ユサを指さす。
もう、面倒なことなんてこりごりなんだけどなあ……

「そうか。悪いことしたよい。人違いなんか……ってなんでや!」

「おお、すげえ。ノリ突っ込み。白ひげのとこは突っ込みも一流なんだな…」

変なところで感心してるユサ。こいつも変な奴だよなあ……

「マサヤ。お前に白ひげの親父の所まで付いてきてほしいよい。」

「はぁ…、わかったよ。まあ……ただ…」

ちらりと後ろを見てみるとやはり…、ユサが目を輝かせてこちらを見ていた。

「ユサ、お前、行きたいんだろ?」

「おう!一回、白ひげと話してみたいと思ってたんだ!」

「ちょっと、待つねい。親父が呼んでいるのはマサヤ。おまえだけだよい……」

「マルコ、お前さ……謂れ無い噂流して人のことを「シスコン」扱いしやがって俺の心を傷つけやがって、そんなこというのか?それが天下の大海賊の隊長なのか?」

「謂れのないってお前…広場であんなでかい声で堂々とあんなことしてりゃ、俺が言わなくってもそうなっていたよい。」

俺とアレグレットはそれを聞いて顔を真っ赤にする。
前者は怒りで…後者は恥ずかしさで……
つか、なんかムカついてきた…こいつの顔、いっぱつぶん殴りてぇ…よし!

「じゃあ、お前あれだろ?ユサが白ひげに会うほどの力を持ってるって証明できたら別に問題ないよなあ?」

「ま、まあ、それなら親父の場合、会いたがるだろうし、問題ないよい。」

「よし!じゃあ、こいつがお前と闘って一発でも顔面ぶん殴れたら連れて行け………」




というわけであれから1時間……
ところ変わらず、ここはシャッキー\'S ぼったくりBAR。

「まあ、そういうわけでこれから特訓するか!」

「ッこん…の!バカ兄貴!!何勝手に決闘申し込んでるんだよ?しかも戦うのおれって!相手は白ひげの隊長だぞ?」

「大丈夫だ。お前、覇気使えるし。一発ぐらい、当てられるさ。それにさ……」

「あ?」

まあ、当然だがいきなり明日、白ひげの1番隊隊長と決闘することになったユサはマサヤに切れかかるが、マサヤは気にしたふうもなく言葉を続ける。

「お前、白ひげに冒険の話を聞いてみたいって言ってたじゃん?お前の夢なんだろ?冒険家。海賊も似たようなもんだし白ひげのおっさんは世界の海を渡ってきた男だ。なんか刺激になるはずだぜ?」

ユサの夢は冒険家になってある物を探し出すこと。
ある物がなんなのかは教えてもらえなかったけどユサにとってとても大切なものなんだろう……

「まあ、ちょっとぐらい八割ぐらいは俺の私怨だけど…お前のことを思って持ちかけたんだぜ、この話」

「前半がなけりゃ、感動したんだがなぁ」

「まあ、納得したとこで行くぞ。明日までもう時間ねえしさ……」





「で、どうするんだ?」

ここは俺の家、海賊狩りで得たお金をつぎ込んで作ったトレーニングルームだ。
壁や床は鋼鉄でできており、ちょっとやそっとじゃ壊れない作りになっている。
…まあ、それでも最近はちょっと加減してるんだけどな……
と思いながら、壁に出来た穴を見る。
………いや、何も見なかったことにしよう…
ってことで、

「ああ、訓練の前にお前に渡したいものがあるんだよ。」

ほらっと言いながらある物を放り投げる。






(SIDE ユサ)

「で、どうするんだ?」

まあ、今回のマサ兄貴には少し驚いたけど、正直悪い気はしていなかった。
まあ、2割くらいでも俺のことを思って交渉してくれたのは素直にうれしいし、
マサ兄にいろいろ特訓してもらってからはどんどん力が付いてきて楽しかった。
まあ、練習相手はレイリーとかマサヤといった怪物なんで相対的には変わってないように思うんだが、今回、違うレベルの奴と闘うことで自分がどの辺りにいるのかとか知ることができる……
ま、相手が白ひげの隊長なんだから化け物だろうけど…マサ兄が大丈夫って言ったからきっと大丈夫だ。
あの人は無茶は言うし、させるけど、無謀なことは言わないしさせない。
できるって信頼されてるんだからそれに応えないとな……

「ああ、訓練の前にお前に渡したいものがあるんだよ。」

「……?」

「ほらッ」

といい、投げられたもの。
それは変わった形の食べ物、かの有名な悪魔の実であった。

「これは?食べろって?つか、何の実?」

別に、泳げなくなるのが怖いわけ……ではあるけど、海に落ちないように気を付ければいいだろうし…まあ、食べることに抵抗はないけど…どんな能力なのかは気になる。

「ああ、それはな…」

マサ兄は実をしげしげと見ている俺を見て、にやりと笑い……

「それはポジポジの実。お前の無限の可能性を与えてくれる能力だよ…それを使いこなせればお前は最強だ………まあ、俺を除けばな(笑)」



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