小説『ONE PIECE【changed the course of history】』
作者:虹犬()

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【第16話 新しい武器】






―アレグレットが海軍に入り2年が経った。



俺はシャボンディ諸島を拠点に賞金稼ぎを続けていた。
アレグレットに続くようにあれから1年後にユサとナゴミが旅に出たんだが…

「マサヤ、私はユサについていくぜ!で、適当に航海の仕方を覚えたら独立するぜ!」

とか言ってナゴミは勝手に付いていった。まあ、そっちのほうが安心な気もするし…ユサもなんだかんだ言いつつ不満はなさそうだったし…いっか。
で、最初は東の海(イーストブルー)に行った。
白ひげの話を聞いて探している物のありそうなところをいくらかピックアップしているらしい。
今まで、賞金稼ぎをして貯めてきたお金のほとんどを使い、買った子船は海楼石を底に敷き詰めているのでカームベルト(凪の帯)も超えられやすくなっているのでまあ、彼らなら心配ないだろう……



というわけで今、俺は一人でトレーニングルームにいる。

―パァンッ!ー

自分から少し離れた位置にある鉄の塊が拉げる。よく見るとそこには拳の後のようなものが見える。

これは遠当といい離れた相手に気を当てるといった技術である。
以前から使用はできたのだが威力がなかったのでなかなか使えなかったのだ…
これだったら……うん。おk。とりあえず、これは『拳弾(ファウストパトローネ)』と名付けておく。
あとは……と、壁に立てかけている2つの剣を見る。一つは小太刀より少し小さいぐらい…ちょっと大きめのナイフと言った感じの剣、もうひとつは長めで変わった形状をした剣…まあ、伝わりにくそうだから例えて言うと天上天下のまどかちゃんの剣だ。両方とも。ショップで無理な機能(電撃を出すとか)じゃなければ素材や形状、仕込みを伝えれば…というか思い浮かべれば作ってもらえるようになっていた。
これも裏ボス…ナゴミを倒した結果だろう……
で、刃の部分を海楼石にして作ってもらった結果……まあ、ユサ達が購入した船とそう大差ない値段になってしまった……
練習がてらに海賊狩りにでも行くかな……
服を脱ぎつつ風呂場へ向かう。遠くでドアをノックしている音が聞こえたのでどうしようか迷ったが……

「まあ、いいや…」

と言い、風呂へ向かう。俺は今、風呂に入りたいいんだ。





(SIDE ???)

「ええ〜っと……ここですよね?」

10分以上ノックし続けて、一言。
軍服を着た少女がマサヤの家の前で別の軍人に問いかける。

「はっ、金狼のマサヤの家はここで間違いありません。サヤネ中佐。」

サヤネと言われた少女――マサヤより少し下くらいで紫のショートヘアー。
この年で中佐というのは異例というか普通はありえないことなんだが部下の表情に不満といったものはない、階級相応の実力を持っていると考えるべきであろう。

「確かに2つの大きな気配はするんですけどな……他にもかなりの数の……」

私、海軍本部中佐サヤネは武器や物の気持ち…というより気配がわかる。
それは能力ではなく生まれつきで超能力みたいなものだと言われた。
上司の話によると中将以上が使用する「覇気」というものにも似たような能力があるらしいのだがあまり覚えていない。
というより、そこまでいけるとも思わないし…いこうとも思わない。

「う〜ん。どうしよう……アレグレットちゃんには悪いけど会えなかったってことで…ん〜。でも、なにか気になるし……」

と、悩んでいると突然ドアが開き……

「え……?」

顔を出してきた青年と目が合う、濡れた金色の髪…急いで着たのか乱れた服の着こなし…、そしてちょっと驚いた表情……女の私が言うのも変かもしれないけど…かなり、セクシーな感じです…
これがアレグレットちゃんの自慢のお兄さんなんだ……と見とれていると、その顔がにこっと笑い……

「……お譲さん。俺のヒロインになってくれない?」

「え………。」

その時、私の思考は短絡(ショート)した。






(SIDE マサヤ)

……やべ、俺、何言ってんだ…?
いやあ、まどかの剣(に似たもの)を持って海賊狩りに行こうと思ってて、とりあえず、さっきのノックが気になって見てきたら、家の前にまどかに似た少女がいた……これは運命?と思い、思わず口に出た言葉がさっきの発言。
……やべえ、やべえだろ。キモすぎる……しかもよく見たら、彼女、海軍の白いコート着てるしさ!……顔赤いし…もしかして…怒らせた?俺、タイホー?……

「って冗談です。海軍さんが何か用事ですか?」

無理やり向こうの本題へ方向をネジ曲げる…というか曲がってくれ!!
と祈るが一向に返事が来ない………ん?

「…む」

「む?」

「むきゅぅ……」

なんか倒れかかる少女。
漫画みたいだなと思いながらも支える。
よく見たら、その後ろにも別の軍人さん(男)がいて心配そうに見ている。

「えっと……、とりあえず、家に入ります?まだ、自分朝食、今から作るんでご一緒にどうですか……?」

この子はなんか応答不可みたいだし。奥の人に聞いてみるとすいません。お邪魔します。
と言ったので、家にお招きする。
なんか、ユサとかナゴミ意外を家に入れることなかったので結構緊張する……
テーブルに座ってもらい、俺もキッチンへ移動する。
まあ、なんで海軍が家に来て、こんな状況になっているのかよくわからないけど……とりあえず、ご飯を食べてから考えよう………






(SIDE サヤカ)

「むぐ……むぐ……お、おいしいです!」

「良かった…気に入ってもらえて。最近、人に食べてもらう機会なんてなかったから心配だったんだよ。」

といい、にっこりと笑うマサヤさん。
本当においしい……さすが、噂のマサヤ兄ぃさんなんだ……
というか……なんで、私、こんなところでご飯なんて食べてるんだろう……
……!そうだ、思い出した。
先程、告げられた言葉が脳裏に甦る……。
そして、同時にここに来る前にアレグレットから言われた言葉を思い出す……

―サヤネ中佐、うちのマサヤ兄ぃはおんなたらしなんで気を付けてください。絶対、中佐、うちの兄ぃのタイプだと思いますから―

と忠告されてたのに……

「い、いきなり、あんなこと言わない方がいいと思います。」

「えっと、ごめんなさい。反省しています。」

素直に謝るアレグレットのお兄さん。そういえば…最初に私の顔を見た時に驚いていたけど……本当に私のような……

「それはそうと、俺はまあ、知っているかもしれませんがカミクラ マサヤです。はじめまして。」

ぁ…、考え事をしていると、自己紹介をし手を差し出すマサヤさん。

「私は海軍本部中佐 サヤネといいます。よろしくお願いします。」

とおずおずとその手を握る。

「で、今日はどういった用件で?」

俺、何か悪いことしたっけなあ……って顔をしているマサヤさん…
少し話して思ったけど見た目通り人柄の良い人でアレグレットの言った通りの人だと思う。
優しいし、料理上手いし、部屋綺麗だし……

「え……っと、別件でこちらに来る予定があったのでそのついでにアレグレットに頼まれて、あなたの様子を見に来ました」

「………え?」

アレグレットの名前を聞き固まるマサヤさん。どうしたんだろ?

「えっと、すいません。うちの妹がご迷惑をかけてしまって。あと、なんか言ってませんでした?女たらしとか…その他酷いことを……」

「いいえ、優しい人だって言ってましたよ。よくマサヤさんのことをお話してるので私もどんな人か気になったから来たので、気にしないでください。」

「そ、そうですか。あいつは元気ですか?」

兄の顔をして心配するマサヤさん。ああ、なるほど…あの妹あってこの兄ありってかんじかな。いいなあ、私もこんなお兄さんほしいな……

「凄い元気ですよ。たまに会う程度ですが、彼女の噂はよく聞きます。あ、良い意味のですよ?成果を上げたとかの。」

「ああ、そうなんですか。よかったです。頑張ってるんですね。」

「本当、妹さんが心配なんですね…あ、そうだ!この家ってたくさんの武器というか刃物?がありますよね?見せてもらっていいですか?」

「え……」

驚くマサヤさん。
…いけない。私のいつもの癖が……
と思ってたんだけど、マサヤさんもなぜか目をキラキラさせながら

「いいですよ。全部というわけにはいきませんが、お気に入りの2つの剣をお見せします。」

やったー!と心の中で喜び、お礼を言う。
あと、部下には帰りの支度をしてもらうために帰ってもらった。

「ありがとうございます。」

……多分、見せてくれるのは強い気配を発する2つの物だろう……
どんなものなんだろう……






(SIDE マサヤ)

武器を見せてくれと言われた時、凄い感動が俺の中に起こっていた。
やばい。リアルでまどか似の人があの武器を持つところが見れる……
この年で本部の中佐ということはかなりの実力だろう能力者か武器の扱いが上手いか……展開的には後者であってほしい……

「これです。知り合いに頼んで作ってもらったんです。破軍っていいます。」

サヤネをトレーニングルームへ案内し2つの剣を見せる。
2振りで『破軍』と名付けている。元々の使い方以外にもカラクリがあるんだがそれはまた今度ってことで……

「凄い……この剣。これを剣と呼んでいいのかわからないけど……マサヤさん。これ、ください!」

「駄目です。」

それはいかん。例え貴女でも……この世界で『破軍』は俺の武器なんだ。

「じゃあ……少し、少しでいいんで使わしてください。お兄さん。」

……オニイサン?鬼井さん?what?それに破軍を使ってるところが見れる……ヤッホーーイ

「いいですよ。ついでに試合でもしてみます?危なかったら止めるんで。」

「ほんとですか!?やったぁ」

年齢相応の無邪気な笑顔を見て心が和む。
きっと、俺も同じような顔してるんだろうな……ドキドキがとまんね〜。



そういうことで…サヤネとマサヤの戦いが始まった……


-17-
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