小説『ONE PIECE【changed the course of history】』
作者:虹犬()

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【第19話 白蛇の伝説 前篇】






「おし!じゃあ、探索しますか!」

ここはアマゾン・リリーの周辺にある名もなき島…とはいっても白蛇の伝説の地と言われている場所である。

ハンコックをアマゾン・リリーに連れ帰ってから1年が経った。

その間、ハンコックや他の人たちの熱心な指導により俺は、武装色の覇気を百錬自得の極みと見聞色の覇気を才気煥発の極みと区別して使えるようになった。
まぁ、威力的にはどちらとも後者の方がいいんだけど、覇気の方が体力消費が少ないので使う機会もあると思う。

というわけで、あれ?っと思った人もいるかもしれないが…俺は覇王色の覇気が使えない。
まあ、覇道ってのは他者を武力によって制圧するようなイメージだし、俺あんま好きじゃないんだよな。孟子の覇道と王道だったら王道の方が好きだし…
まあ、俺は王道でもないよな…多分、自己完結型というか……
まあ、だからこそ、天衣無縫の極みが使えるんだろうな…手塚部長だって自分のためだけに楽しいテニスをプレイして天衣無縫の極みを開いたんだから。

というわけで、俺のことだけじゃなくて他の人のことも説明しておくと先代の皇帝は恋煩いで倒れてお亡くなりになられました。誰に恋煩ったんだろう……?
ハンコックもなったのだが、一晩看病してなんとか乗り切ってくれた。
まぁ、その後、すぐに告白されたんだが…まあ、今のところ保留にしている。

で、原作通りハンコックは皇帝兼九蛇海賊団船長として遠征に出て8000万ベリーの懸賞金を……てな感じで七武海入りを果たしたわけだ。
後は、まだ子供のマーガレットに知り合って遊んであげているうちに結構懐かれたんだが……マーガレットって名前に…苦手意識があってだな……うん……お兄ちゃんって言ってくれるんだけどマサヤって呼ぶようにって注意している……

ま、そんな感じかな……っと俺は、目の前の光景を見る。
森の中に朽ち果てた建物があり、大昔に人が住んでいたことがわかる。
ただ、ここにはルフィが修行したルスカイナ島とは違い、凶暴な動物や激変する気候はなく自然の恵みは十分にあり、人が生きていくには最適な環境だろう…
人が滅んだ原因としては異常気象により環境が急変してとか色々と考えられるがその1つとして語り継がれているのが白蛇の伝説らしい。
まぁ…全部、今、俺の横にいるハンコックから聞いたことなんだけどね……

「マサヤ、これからどうするのじゃ?先程も言ったとは思うがわらわ達もこの島は既に探索しておる。それでも、この島を探索するつもりか?」

「うん。迷惑掛けてごめんな。でも、俺もちょっと気になることがあってさ……。ここまでありがと。二、三日はここで野宿しながら探索しようと思ってるから、それが済んだらまた、アマゾン・リリーに寄るよ。じゃあね。」

といい、ハンコックを見送ろうとしたのだが……

「待って、マサヤ。」

「「姉様!」」

と言い、船から降りてくるハンコック。
そのハンコックに向け慌てた様子で呼び戻そうとするサンダーソニアとマリーゴールド。

「ん?どうしたの?」

「わ、わらわも一緒に探索したい…のだが……」

とモジモジとしながらいってくるハンコック……破壊力高すぎる…石になりそう……

「駄目です!姉様。」

「見送りだけという約束だったじゃないですか!」

俺が答えるよりも早く、ハンコックを連れ戻そうと呼びかける二人。

「ほら、二人もああ言ってるしさ、2,3日野宿するっていっただろ?危険はないと思うけど、夜は寒くなるだろうし……」

「大丈夫じゃ!わらわだって野宿ぐらいしたことはある。…それとも、わらわと一緒にいるのが嫌なのか?」

と上目遣いでこちらを見てくるハンコック……反則だろ、それ。

「わかった…俺から離れるなよ。そっちの二人もごめん。こうなったら聞きそうにないから、諦めてくれ。ハンコックは俺がちゃんとみとくから3日後にまたここに迎えに来て」

「「わかりました…よろしくお願いします。」」

と言い、船を出す二人。結構、早い納得にあの二人も、まあ、こうなるとは思ってたんだろうな……としみじみと同情する俺。
そして、その横ではハンコックが

「”離れるな”と言われた……もしや!これが結婚!?」

と放心状態になっているのでそのうちに地図を取り出すとそれはすぐに消えてしまった。
そう、これはナゴミの時と同じ裏ボスの地図だ。
ナゴミの時も実はそうだったのかもしれないが裏ボスの地図は特定の場所で開かなければ効果を発揮しないようになっているらしい。
シャボンディ諸島で開いたら白蛇の伝説という字だけ浮かび上がっただけで何も起きなかったからなぁ…
まあ、とりあえず、調査を開始するか…フラグも立ったはずだし…

「ハンコック、行くぞ。」

「はい。旦那様。ハンコックはどこまででも付いていきます。」

「いや、さっきの結婚じゃないからな……逸れないように側にいろっていっただけだから」

「……そ、そうか…。」

残念そうな顔をするハンコック。
てか……うん。ここでは俺とハンコックしかいないから放心状態になった時に俺が突っ込み入れてないと話が進んで大変なことになるからすぐに突っ込んどいた方がいいんだな……大変だ……というか凄く悲しそうな顔……やばい、可愛い……じゃなかった……どうしよう……少し考えた後、

「ほら、ハンコック。」

と言って手を差し出す。

「?」

と首をかしげるハンコックに、

「ほら、離れないように手を繋ぐぞ。」

と強引にハンコックの手を握る。
……ってこれ、小さい子への対応じゃね?さすがにこれは……と思っていたのだが……

「う、うん。……わかった///」

と言って手を握り返してくるハンコック。
まあ、相変わらずハンコックは

「手を繋いで歩く……これが”駆け落ち”……」

とか言ってるんでどっちかというと、デートだと修正しておいた。
まぁ、間違ってはいないだろうしな……それにしても、遺跡デートか……なんか新鮮だな……と思いながら森の中へ進む。
ハンコックは元々運動神経もいいし、賢いので俺の意図を察して動いてくれるので手を繋ぎながらでもそんなに歩きにくいということはなかった。



というわけで、島の探索を始めたのだが、ハンコックが教えてくれた通り、ここには海側と山側にそれぞれ集落の跡があった。
で、そのちょうど中央に位置する場所には祠のようなものが立ってあり、俺たちは今、その祠を調べているわけだ。

「ハンコック。そっちに何かあったか?」

「いや……何もない。すまぬ……」

気落ちした感じで答えるハンコック……遺跡について調査したいから繋いだ手を離してからずっとこのテンションだ……
まぁ、仕方ないかとため息をつき、俺は『見聞色の覇気』を発動させる。
すると、祠の端っこにある大きな岩からなにかの気配がする。

「ハンコック、ちょっと下がってて」

と言い、俺はその大きな岩に両手を付き両掌底に高密度の気を溜めそれを叩き込む。
今回は岩がばらばらになるように気を拡散して叩きこんだんだから『双撞掌 拡』とでもしとこうか、反対に収束するのは『双撞掌 収』ってことで。
岩は砕け跳び、その下には地下への隠し扉が……ベタな展開だなぁ…と呟きながらも扉を開け先に進む。

暗いので火を灯し、注意しながら進んでいく。
ちなみにハンコックと逸れないようにまた、手を繋いだ。

「マサヤ、あれはなんじゃ?」

少し進んだところにあった台座を見つけハンコックは声を上げる。
俺も気になり、近づいてみると……

「これは……貝?」

台座には一つの貝と二つの貝の形をした窪みがあった。
…ゲーム的にはあれだよな。ここに二つ貝を置けばさらに先に進めるはずだよな……
とりあえず、今ある貝をみてみるか……と貝を台座から取る。
するとその瞬間、周りが光に包まれた……

「うわッ!」

目を開けるとそこは真っ白な空間。
そして、手を繋いでいたはずのハンコックはいない。
つまり、ここには俺一人というわけだ……いや、目の前にいる白い大きな蛇をいれると一匹と一人か………

「えっと…なんか用?」

う〜ん…向こうからしてみればこっちの方がいきなり来やがってなんの用だよ…って思ってるかもしれないけど、仕方ないじゃん?というか…相手、蛇なのに話せるのか…レンに通訳してもらうか……
いや、ネズミと蛇って会話できるのか……等とどうでもいいことを考えている俺の脳に…

『そなたにやってもらいたいことがあるのじゃ、カミクラ マサヤ』

「ふ〜ん。ってかその喋り方ハンコックと被るからやめてくれないか?もっとフランクに……ってなんで、俺の名前知ってるの?」

『そなたの横にいるハンコックという女の記憶からお前に関する情報を探ったんじゃ。』

「で、なんで俺だけなの?というかハンコックはどこにいるんだ?」

『彼女には…いや、この世界の大半の人間には我の姿は見えぬ。なので別の空間にそなた
を呼び寄せたわけじゃ。何もないところに話しかける変人を作らぬためにな』

といい、少し笑ったような気配が伝わってくる。

「なるほど、で、俺に頼みたいことって?」

「それはな……あの台座の先に続く部屋におる。少女を救ってやって欲しいのじゃ。」


………なるほど。
とりあえずは話を聞くか…伝説の白蛇に関する言い伝えの真実を……


-20-
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