小説『ONE PIECE【changed the course of history】』
作者:虹犬()

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【第22話 フーシャ村】






「野郎ども!飲め飲め!今日はとても気分が良い日だ!」

俺の横で言葉通り、機嫌よく酒を呷る麦わら帽子を被った赤髪の青年―シャンクス。

ここはドーン島のフーシャ島。マキノさんの酒場だ。

「どうした?マサヤ、今日はお前が主役なんだからパッーといけよ。」

「いや、俺、こんなに騒ぐキャラじゃねえし……見てるだけで楽しいからいいよ。」

と、まあ…断っとく。
凄い勢いで、飯や酒を喰らい、踊り、歌い、はしゃぐ、凄い楽しそうな奴らだよな。
ルフィが海賊になりたがるのもわかる気がするわぁ……

「にしても、こんな所でお前に会うとはなぁ……」




今から1時間前のこと―


「ここはどこだろう?」

アマゾン・リリーを出て、3カ月ほどが経った。
カームベルト(凪の帯)を抜け、無事、イーストブルーの島々を探検して、現在はほどほど大きさの島の小さな港町に着いたわけだ。
ショップで買おうと思っていたのだが忘れていた地図の存在が凄く恋しい存在になっている今日この頃…
とりあえず、あれだよな。
フーシャ村だっけ?ルフィのいた村に行ってみたいと思ってるんだが…ここがそうなのかな?なんか風車見えるし…まさかね……
この世界に来る前は地図を見なくてもなんとなく適当に歩いてたら目的地に着くという体質だったんだが……こんな広い海でまさかぁ……とフラグを立てておく。

「にしても…腹減ったな……」

とりあえず、探索でもしてみるかということで歩きまわったんだが…
本当に小さな村だな。
で、その先は山……なんか見たような気がするんだけどな……
とりあえず、そこの酒場に行くか。

「お邪魔しま〜す。」

「あ、いらっしゃい。」

かなり可愛い部類に入る女の人が出迎えてくれた。
村を探索してた時は周りから注目されて結構居心地が悪かったんだが、この人は特にそんなこともなくニコニコとしている。
ワンピースの女店主ってみんな可愛いよな。
ポーラ(ミス・ダブルフィンガー変装?)とかマキノさんとか…シャッキーは……
というか、この人マキノさんに似てね……

「すいません。俺、カミクラ マサヤっていいます。今日、ここに流れ着いたんですけどここって何処なんですかね?」

「あ、私はマキノといいます。ここで酒場の店主をしています。ここはドーン島のゴア王国 フーシャ村です。」

よし!ビンゴ。さすが、俺の方向感覚。というわけで

「何か食べ物とお酒……いや、オレンジジュースあればそれください。」

そういや、俺まだ、19だもんな…後一年我慢しようぜ……

「わかりました。少し時間がかかりますけど待っててくださいね。」

「はい。」

それから食事が出るまでの間、最近の出来事や自分の周ってきた島々の話などをしていたのだが…

「……達が帰ってくるらしいぜ」「そうか!じゃあ、迎えに行こうぜ!」「俺も」

「ああ、今日、帰ってくるんだ。じゃあ、ご飯、作らないと」

「えっと、何かあるんですか?」

「ええとね、最近とはいっても半年以上前からかな…この村を拠点にしている海賊さんがいて、その人達が今日帰ってくるみたいなの」

…どう考えてもシャンクスだよな……今、どの辺なんだろ?ルフィが顔に傷作る前なのか?

「えっと…その海賊さんはとても良い人達なんで危険はありませんよ?」

俺が黙って考え込んだのを海賊と聞いて気分を悪くしたと思ったのだろうかマキノさんがフォローを入れる。

「そうですよね。こんなに村の人たちに好かれている人が悪い人なわけないですもんね。一度会って、話でもしてみたいですね。」

「じゃあ、兄さん。話でもするか?今日は宴だから、おごるぜ?」

「おう、サンキュー。ありがたく集らせてもらうぜ、シャンクス。」

入口に立つシャンクスに振りかえり、笑顔を向ける俺、身体の記憶がとても懐かしがっているが俺自身は初対面なんでとても不思議な気分だ……





という感じで今に至るというわけだ。

「まあ、適当にイーストブルーを周ってたらここに来てさ。いやあ、世界は狭いな。」

「……まったくだ。」

まあ、実際、会えればいいな程度の気持ちでフーシャ島目指してたから、ほんとにラッキーだたんだろうな。

「で、お前はこれからどうするつもりなんだ?金狼さんよ」

「ああ、俺は冒険家として世界を周ってみようと思ってな。まぁ、賞金稼ぎは生計を立てるためのもんだし…あんたらに興味はないよ。……それに…」

「それに……?」

「俺にとって、兄弟ってのは喧嘩はしても殺し合いはしないんだよ…」

「だっはっは!やっぱ、昔から思ってたが面白いなお前!マサヤ、俺の所に来いよ!」

「いや、俺は……」

「だーーーーー!そんな奴よりも俺を連れて行けーー!」

いきなり店に入りシャンクスの隣の席(俺じゃない方)に座る少年。
まぁ、わかるとは思うがこの少年がモンキー・D・ルフィ。まだ、頬に傷がない。

「ルフィ、いきなり来て、何だ?俺達は大事な話をしてるんだ。」

「そんな奴よりも俺の方が役に立つぜ。だからさ、シャンクス俺を次の航海に連れっててくれよ。」

「まあ、その子もそう言ってるし、俺は諦めるよ。」

「おう!お前、良い奴だな。俺はモンキー・D・ルフィ!よろしく!」

「俺はカミクラ マサヤだ。よろしく。」

シャンクスの目の前で握手する俺達。

「というわけで、シャンクス。俺を連れて行ってくれよ。」

「お前、カナヅチだから駄目だ。泳げるようになってから言うんだな。だっはっは。」

連れて行けとシャンクスに迫るルフィとそれをからかいながらいなすシャンクス、漫画で見た光景だな。定番となっているのか、他の海賊たちもそれを見て笑っている。

「なあ、今回の旅の話を聞かせてくれよ!」

「おう……じゃあ、………。」

諦めてはいないんだろうが旅の話も聞きたかったみたいでルフィはシャンクスの話に夢中になっている。

「となり、いいか?」

「ああ。」

俺はシャンクスの隣を離れ、奥で静かに煙草を吹きながら飲んでいるベン・べックマンの横へ座る。

「元気な少年だな。」

「ああ、なかなかおもしろい奴だよ。それにしても…」

「ん?」

「いや、シャンクスが弟分だと言ってた金狼がこんなところに来てたとはな……」

シャンクス、俺のこと他の人に言ってたんだ……なんか感動ものだな。
まぁ、逆に言われてなければルフィはあんなに触れまわってたのに…俺だけ……とか落ち込みんでただろうな、俺。

「ああ、東の海(イーストブルー)でちょっと修行をしようと思ってな。」

「あん?なんでこっちで修行なんだ?偉大なる航路(グランドライン)の方が骨のある奴いるだろ?」

「そういう修行じゃなくてな…能力の制御っていうかな…ほら、あそこは磁場とか滅茶苦茶だからやりにくいんだよ。」

「あぁ…そういうことか……。能力者だったんだな、お前。」

「まぁ、当たらず遠からずと言ったところかな。」

「………?」

「お〜〜い!!マサヤ。お前もこいつに旅の話聞かせてやれ!っとおい、ルフィ、俺の肉とるな!」

「はぐ…んぐ…むぐ…マサヤも海賊だったのか!?」

「いや、海賊じゃないけど…まぁ、似たようなもんかな。冒険家といって世界を旅してるんだ。」

肉を頬張りながら聞いてくるルフィ。
なるほど、これは気にいるわけだ、表裏がなく思ったことを口にする。
原作通りの性格、まあ、たまにムカつくときもあるけど主人公って感じで面白いしな。
え?俺?まあ……ほっとけ(汗)

というわけでルフィや赤髪海賊団の面々、フーシャ村の人たちと仲良くなった俺はここにしばらく滞在することにした。

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