小説『ONE PIECE【changed the course of history】』
作者:虹犬()

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【第6話 出会い】





(SIDE ???)

「………ッ。」

なんで……なんでこんなことになったの……?
明日は皆でシャボンディ諸島に買い物に行こうって…約束してたのに……
大切な、本当に大切な日々だったのに……



―ドンッ、何か重い物で叩いたような音がして目が覚めた。
その後、さらに何かが割れる音がして父親の大きな声が聞こえたから不思議に思い、
私はリビングに向かって歩き出す。
こんな時間に起きているのを怒られるのは嫌だからそ〜っと静かに静かにドアを開ける。
すると、いつもお父さんとお母さんと私の3人でごはん食べる場所が……
少女の大好きな空間が変わり果てた姿で彼女の瞳に映し出される。

「ぅ………。」

ばらばらになったテーブルやイス、割れた食器、蹴破られたドアの破片が床に散らかっている状態を見て危うく悲鳴を上げかけるがギリギリのところで抑える。
しかし―

コンッ。

何か床に転がっていたものに足をぶつける。何かなと見てみると……

「きゃあああああああ。」

そこにあったのはいつも優しい父親の頭だった……
近くには母親の身体が横たわっている。

「お母さん!お母さん!」

近寄って見ようとするがすぐに分かった。母親が死んでいることに…
胸を一刺され、呼吸はすでにない。
呆然としている私のもとに何かが近寄ってくる足音が聞こえる。

「おい、こっちから声が聞こえたぞ!お、いたぞ!」

「……れ……だ…ぜ。」

そう言い、こちらを見つけ何かを言ってくるが理解できない。
もうなにがなんだかよくわからない。

「………ッ。」

もうどうでもよくなった…
これは夢なんだ…もう寝よう。
次に起きたらまた穏やかな一日が始まるんだ……
そういって、少女の意識は深く落ちっていった……




(SIDE マサヤ)

「いやあ、暇だ……つか、だりぃ……」

人攫いを探すためよく出没されている島の周辺を航海というか張っている所だ。



―あんた、人攫いっての潰してみない?


あの後、いろいろとその人攫いの情報を聞いてみたのだがどうやら、略奪、強盗等も
しているらしく、そのついでに人攫い的なことをやっている集団らしい。

まあ、いつかは海軍とかに捕まりそうな奴らだけど、早いうちに潰しといた方が世の中のためだろうってことで引き受けたのだが……

海賊旗とか付けてるわけでもないので区別がしずらく探すのがとても大変なのだ…

「ん…?あれ、さっきからあの船止まってね…」

一見、普通の小船に見えるんだが…先程から全然動いていないしなにか騒がしい雰囲気が…

「ん…ちょっと、行ってみるか…」





(SIDE ???)

夢じゃなかった…
昨日の出来事が悪夢ではなかったことにショックを受けながら少女は考える…
……私はこれからどうすればいいんだろう………

「よお、嬢ちゃん 。気分はどうだい?ヘヘヘ。黙っちゃって可愛いな。」

男が厳つい手を伸ばし顔に触れる。私は嫌がり、顔を背けようとするがあまり意味はない。
男もそれを気にした様子もなく、仲間に話しかける。
私は今、手をロープで縛られている状態…動きたくても動けない。

「やっぱり、こいつは高く売れそうだぜ。そうだ、あれを食わせようぜ。」

といいながら何か近くにあった箱を手に取りそこからなにやら変わった形の果物が取り出される。
そして、それをこちらに放り投げてきた。
わけがわからず、男の方を向くと

「食えよ。腹が減っただろう?ああ、そうか、ロープが邪魔で食えねえよな!今、ほどいてやるから暴れるんじゃねえぞ?」

といい、近づきロープをほどく。
たかだか10歳ぐらいの少女なのだ暴れられたところでなにも恐れることはないのだろう…
まあ、そもそも親を殺された直後だ。
元々、拘束しなくても十分なくらいの放心状態だったわけなのだが…

自由になった少女は言われた通り、近くに落ちた果物を手に取り、口に含む。
もう、何も考えたくない。といった様子で無機質な表情で口を動かし実を飲み込む。
味なんてわからない……味覚まで壊れてしまったんだろうか…
一瞬そう考えるがすぐにどうでもよくなる……

「おい、なんか変化はあったか?確か、超人系、ブキブキの実だったよな?」

「ああ、物や自分を武器に変えてしまう能力だったよな。おい、嬢ちゃん。ちょっと、これになってくれや。」

といい、腰から剣を抜き少女に向ける。

「イヤッ―」

少女は剣を見て怯えそして走り逃げようとする。

「おい、待て―」

―ザシュッ―

逃げようとした少女の手を掴んだ瞬間、男の頭が身体から離れ頭は自由落下し、身体も傾き血を吹き出しながら床に倒れた。





(SIDE マサヤ)

小船に乗り込む。甲板には誰もおらず、船内からはどなり声が聞こえた。
何かが起きているようだ……
手に付けたブレスレットをいじくりながらどうするか考える…
あ、そだ…言い忘れていたが今、自分がいじっているブレスレットは海楼石でできている。
これも例のショップで買ったものだ。え?なんで付けてるって?
今回はレンの能力だけを使ってみようと思ったからな。
…でも、予想以上に……ダルいわ、これ……。
まあ、行くか。誰か、襲われているんならのんびりしている暇はないしな。
いつもより重く感じる身体を引きずり船内に足を踏み入れる。

「どうもこんにちは〜、みなさん、元気ですか〜?」

「な…、誰だてめえ!」

「あ〜、どうも。はじめまして。カミクラ マサヤっていいます。ちょっと、聞きたいんですけどあんたら…人攫いですか?」

そこにいたのはいかにもガラの悪そうな男が3人。
その奥に10歳くらいの少女が呆然自失といった感じで突っ立ていた。
そして、その足元にこいつらの仲間と思わしき男の遺体が……身体と頭が分断されている。
まるで、重圧監獄 前奏曲を喰らった、いや…ギロチンにかけられたような……
よく見ると少女の足元には他に奇妙な果物ってか悪魔の実が落ちていた。
それも、少し食べた後が…

「マサヤだと!金狼が何の用だ?俺達は懸賞金なんてかかってないぞ?どうするつもりだ?」

「ん?そりゃ、潰すにきまってんだろ。あ、いや、今日は潰せねえか…つか、そこにいる子あんたらの子供ってわけじゃないよな?じゃ、現行犯で抹殺しま〜す。」

思考を中断されたのと、少女の状態から何があったのか推測し気分が悪くなったのと
これから起きる出来事を彼女には見せたくなくて最初から全力を出す。
もう一言もこいつらには喋らせない。

「な」

一番近くにいる男の傍により剣で相手の首を叩き斬る。

「に」

さらに、その横にいる男にも剣を返す形で切る。

「を」

剣をそのまま放し、一番奥にいる相手に近付き気を込めた寸剄を心臓に叩きこむ。
この間、1秒足らず。

『相対虚空 (ウィ・アーカーシャ)』

クロクロの実:超人系 クロック人間(ネズミ)。
クロック(動作や現象)の速度を操作する。
操作できるのは加速と減速のみで止めることはできないが
限りなく0に近付けることは可能というレンの能力を使った技である。
ちなみに植物の成長とか毒の効果とかも遅らせたり早めたりできる。

自分の脳と身体の動作の速度を早め、
さらに相手の脳と身体の動作を遅めて体感速度的な物を操り相対的に
時が止まった状態にしてしまおう的な発想で考えた技なんだが……
相手が複数人だと少し効果が薄れるというか今回が初めてだったからか3文字も喋らせてしまった…もう少し練習しないといけないな……

「っと……忘れてた。」

少女にこの光景を見せたくなかったので彼女の動作も送らせていたのだ…

「大丈夫?」

「………」

呼びかけに答えずずっと焦点の合わない瞳で何もない空間を見つめている少女。
ちょっと、心配になり少女に触れようとするが―先程のことを思い出す。
自分がこの船内に来た時には既に男たちの内の一人が死んでいた……
そして、少女の足元にある悪魔の実。
このことから察するに余興か何かで悪魔の実を食べさせたが
いつまで経ってもこんな状態の少女に業を煮やし何かして能力で返り討ちにあったとかかな…
だとしたら、無闇に彼女に触るのは……あっ……
腕に付けているブレスレットを思い出す。
お互い、子どもの身体で歳もそんなに離れていないし、
この時期の子供は女子の方が背が高いこともある。
まあ、実際にそんなに違いないしな……悔しいけど……
ってことで身に着けていたブレスレットを外し、『相対虚空』起動、慎重に少女にブレスレットを付ける。そして、元の位置に戻り、『相対虚空』解除。

「大丈夫?ほら、怖くないよ。」

「………。」

猫をあやすように近づいていくが何も反応がない。
う〜ん…てか、気絶してね?
傍に寄ってみても何も反応はなく、手で触れてもノーリアクション……

「さて…どうしよう……?」

-7-
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