第19幕 マスター、それツンデレみたいです。
居間であろう畳が敷かれた部屋は今現在、大変重苦しい雰囲気に包まれていた。
そこでは凛、そしてセイバーはその顔に怒りをにじませた笑顔を浮かべている。
元々整っているその顔は、怒りという装飾を際立たせていた。
それをテーブルをはさんだ真正面から受ける士郎の視線は泳ぎ、わずかに脂汗がにじんでいる。
そしてアーチャーはボリボリと煎餅を口にしながら、我関せずとテレビを見ていた。
………………とりあえず、この家の家主は士郎であることを明記しておく。
「はああぁぁぁ、まったく。サーヴァントを助けようとするマスターなんて、前代未聞よ?しかも、命を懸ける……なんて次元じゃなくて命を捨てるようなやり方でなんて…………」
しばらくして、凛が大きなため息をひとつ吐き出してから言葉を紡いだ。
その自身の行為を根底から否定されたような言葉に、士郎はわずかに顔をしかめる。
「そんな言いか」
「もしあんたが死んでたら、セイバーは消えてしまってたってこと、わかってる?」
思わず士郎の口をついて出た文句を遮ったのは凛の言葉だった。
士郎は、その言葉に本当かとでもいうように顔をセイバーに向け、それを受けセイバーは肯定の意志を首を縦に振ることで示す。
凛の正論を受けた士郎の顔は、しかし複雑だ。
俗にいう、頭で理解していても心が納得していない状況……とでもいうべきだろうか。うんうんと唸りながら頭を掻き毟っている。
そんな士郎を凛は頬杖をつきながら呆れた様子で、セイバーはただ静かに両の手を膝の上に置いた正座で見ている。
その姿は、金髪碧眼の外国人然とした外見による違和感を生じさせず、むしろ芸術じみた美しさだ。
その証拠に、バカーチャーの視線はテレビからセイバーへとシフトしていた。
「やっぱりあのアホ…ゲフン、くせ毛すげぇ気になる……」
……………………前言撤回。美しさとか関係なかった。
「まぁ、とりあえずそれは置いといて。これからどうするかを考えましょう。衛宮君はどうするつもり?」
今までの怒りを孕んだ笑顔が嘘のだったように、凛は話を変えた。
少なくとも士郎が自身の行為がどういうものかを頭だけでも理解した様子に、矛を収めたようだ。
反面、セイバーは今だ怒り冷めやらぬようだが、凛の提示したこれからについての話をすべきと思ったらしく、口を出さずにいる。
「…………俺はただ、十年前の出来事を繰り返したくないだけだ。聖杯なんてものに興味はない」
士郎がこの聖杯戦争に参加する決意を固めたのは、教会で監督役である言峰綺礼から十年前の惨劇……冬木市の新都で発生した大火災が聖杯戦争に起因すると聞いたからだ。
士郎にとっては……とある夢を受け継いだ身としては、そんな身勝手を許すことはできないし、許すつもりもない。
だからこその言葉だった。
「……申し訳ありませんが、シロウ。いくらシロウがマスターとはいえ、さすがにそれは承服しかねます」
「…………セイ、バー?」
故に、セイバーの口から出た強い拒絶の言葉に、呆気にとられた。
「はぁ、言うと思った…………。セイバーに感謝なさい?普通なら、その場で殺されても文句はいえないわよ」
頬杖をついていた左手を、自然に出来ていた眉間の皺を伸ばすように額に当て、特大のため息と共に多分の呆れを籠めた言葉を口にする。
「どういうことだ、遠坂?」
まるで何のことかわからないと、顔にでかでかと書いているかのように困惑に満ちた顔を士郎は凛へと向けた。
「まったく、あんたはサーヴァントが無償で人間に従うと…………思ってたんでしょうね、その顔は。そんなわけないでしょう?……聖杯は手に入れたものの望みをかなえる、それはサーヴァントも例外じゃない。サーヴァントが召喚に応じるのは、自らも聖杯を手にしたいがため。それぞれかなえたい願い、望み、欲望があるのよ」
「聖杯の為に、セイバーは………………?」
「はい。私には叶えたい……いや、叶えなければならぬ願いがあります。だから、聖杯を求め闘うのです」
強い意志。セイバーの言葉には、その瞳には、確かにそれが宿っていた。
その様子に士郎は頭を抱え、勢いよく音をたてテーブルに手を叩きつけ口を開く。
「それでもッ!!セイバーは人間だ!!昨夜だって、あんなに血を…………」
「お言葉ですが、シロウ。私のこの身はサーヴァント。故に生死などなく、例え絶命しても元の場所に戻るだけです」
「だからって、殺し合うなんてッ!!」
「それ以前に……」
士郎の言葉に、目を瞑り淡々と言葉を返していたセイバーはその目を開き、士郎を見据え口を開いた。
「人間かサーヴァントかである以前に私は戦士として、騎士として闘いの場にて生きたものです。シロウの言葉は私の人生を、誇りを貶すものにしかなりません」
「………………ッ!!」
その言葉にその瞳に、その意志に。士郎は息を言葉とともに詰まらせた。
セイバーの言葉に、瞳に、すべてに宿るは幾度の闘いを超えた戦士の……騎士の誇り。
それを突きつけられた形の士郎に、返す言葉は見つからず。
しかし、その心はやはり納得していなかった。
なぜ殺し合わなければいけないのか、誰も傷つけずに叶えることは出来ないのか。
士郎の頭を駆け廻る思いは、しかしセイバーの強い意志の前に言葉にならない。
「それに、衛宮君。ほかのマスターを放っておけば、罪のない人が死ぬことになるわよ」
「………………ッ!!」
そこにかけられた凛の言葉に、士郎はグッと息を呑む。
事実、自身は死にかけた。殺されかけた身であるからこそ、実感を持てる言葉だ。
「いい?サーヴァントの燃料は魔力よ。蓄えれば蓄えるほど彼らは生前持っていた力をはっきできるようになるわ」
「…………なにが言いたいんだよ」
だが士郎の予測とは異なる、サーヴァントの特性を説明するかのような凛の言葉に士郎は疑問を投げかける。
「彼らは霊体。魂を食べてしまえば栄養がとれる」
「………………ッ」
「魔力を補強するためにサーヴァントに人を襲わせ、魂を喰わせるマスターもいるってことよ」
「サーヴァントが…………人を喰うッ!?」
凛の言葉に、士郎の頭にセイバーが過ぎる。
「そんな……違う…………」
首を巡らせセイバーを、そしてアーチャーを視界に収める。
「おっ、茶柱だ。ラッキー」
なんか湯呑片手に呟いていた。その姿に知らず士郎の身体に走っていた緊張とそれに伴い身体に籠っていた力が抜ける。
「はあぁぁぁ、あんたは相変わらずね。バカーチャー」
「マスター、ため息つくと幸せが逃げやすぜ」
「…………逃げたからついたのよ。それと、心配するならため息の原因の大半を担っていることに気付きなさいよね」
先程までの重い雰囲気はどこへやら。
バカーチャーと凛の掛け合いで、ガラリと変わった雰囲気にセイバーも士郎も着いていけない。
「ていうか、あんた人んちでくつろぎ過ぎじゃない?」
「それだけはお互い様と言わせてもらいやすぜマスター」
―――あぁそうだ、とアーチャーが士郎へと顔を向ける。
「ちょっと聞いていいですか?」
「あぁ、なんだ?…………えぇと」
「呼びやすいようにどうぞ。アーチャーでもバカーチャーでもあっちゃんでも」
「…………あっちゃん?」
「すんませんなんでもねぇです。流してください」
「わかった。アーチャー、それで?」
どこかとぼけたやり取りを交わし、バカーチャーはようやく本題へ入るようだ。
「士郎さんはあの時、命をドブ川に捨てるような真似をした時何がしたかったんですか?」
再度急激に、ガラリと雰囲気が変化する。
アーチャーの側に変化はない。
雰囲気を変えたのは、士郎の方だ。
「何がしたかったって、なんだ?」
つい先ほど、凛に非難されたせいかもしれないがどこか固い受け答えだ。
「なんだって、そのままですよ。あのときどんな結果をもたらしたかったか、ですよ」
そんな士郎の様子にも、アーチャーの様子は変わらない。やはりどこか飄々と答える。
「そんなのッ、助けたかったからに決まってるだろッ!!」
「それは、セイバーさんを?それとも、セイバーさんの命を?まっ、どっちにしろ褒められたもんじゃねェですけどね」
「どういう……意味だ?」
アーチャーの言葉にいまいちピンとこないのか、士郎は再び尋ねる。少しばかり不満気なのは、助けたいという思いを、褒められたものじゃない……という言葉で片づけられたからなのだろう。
「う〜ん、だって助けようとした誰かが、自分を助けて死んだりしたら極端な話心が死ぬかもしれませんぜ?」
「それは……」
―――どういう意味だ。
そう続くだろう言葉は、遮られる。
「少なくとも俺は、一カ月は気に病むと思いますぜ。自分を助けるために誰かが身代わりになったりなんかしたら。最悪自分を責めて自殺する人だっているかもしれない」
「………………ッ」
「命と引き換えに……なぁんて美談みたいですけどそんなもんですよ。そもそも数式や数字に命当てはめるみたいで個人的には嫌な感じですけど。」
「普通なら、普通の良識ある人なら、そのやり方じゃ人を助けたことにはならないですね。喜びを持って明日を生きれはしない」
「だから、人を……誰かの明日を救ったことにはならない。そのやり方で喜びを持って明日を享受できるのは、人なんてどうでもいいって考えの人か…………いや、言い過ぎですね。すんません、どうしようもない状況以外でって話にしといてください」
士郎が息を呑むのも気付かず、いやおそらく気にせずに話したアーチャーは話を一旦区切り湯呑のお茶を口にする。
丁寧に入れられたお茶の味を楽しむためではなく、乾いた唇を潤すために。
そして再び、口を開く。
「さて、あの時一体誰を、何を助けるつもりだったんだい?衛宮士郎?」
「それは……………………」
士郎は、答えられない。アーチャーの言ったことがわからないわけではない。
言ったことに思い至らなかったことが理由ではない。
そのことに、目を向けなかったかもしれないと思ったからだ。
「まぁ、つまり言いたいのは。…………だからですよ、怒ってたのは。セイバーさんとマスターが」
「セイバーと、遠坂が?」
「そっすよ。セイバーさんは命懸けで守ろうとした士郎さんが自分の不覚のせいでってのも合わせて、マスターは闘いを目撃しちゃった士郎さんを保護しにいったのに自分から命捨てるような真似されてってのもあるでしょうが、ね」
士郎の言葉に、アーチャーはくつくつと押し殺したような笑いを交え答える。
「ちょ、ち、違うわよ!!私はただ衛宮君が見てて危なっかしいからってだけであって……」
「マスター、ツンデレッぽいですぜ。そのセリフ」
「んなわけあるかぁぁぁ!!!!」
やはりどこか漫才じみたやり取りを繰り広げる凛とアーチャーを尻目に、士郎はセイバーに向かっていた。
「アーチャーの言ってることは、あってるのか?」
「まぁ大体は、といったところでしょうか。ですのでシロウ、今後はあのような無茶はしないでください」
「……うん、まぁ、善処する」
「むぅ、その言い方は信用していいものなのでしょうか」
セイバーと士郎の間に流れる空気は、先ほどと比べ幾分か柔らかになっていた。
「あっ、セイバーさんも士郎さんに無茶させたくないなら無茶はしない方がいいよ。うん。今はとりあえずそういう風に考えといたほうがいい」
―――あんたまだ話は終わってないわよ!!……と響く凛の声を背にアーチャーはセイバーに声をかける。
「…………しかし私は剣であり盾であるサーヴァントです。例え命しか救えなくとも、シロウを死なせるわけにはいきません」
返す言葉はもっともだった。
されどもアーチャーの調子は崩れない。
「まぁ、どうしようもない時ってのはありますからね。でも、一時的な同盟とはいえ仲間なんすから頼って欲しいってこってすよ、はい。少なくとも疑心暗鬼で両方ズタボロ、結果漁夫の利なんて漁師しか笑えない状況よりはある程度弱みを知られる覚悟で信用する方がいいすよ」
軽い言葉で結構なことを口にする。
だが昨夜、アーチャーの英雄としての一面を垣間見た者にはその調子とは裏腹な重みを感じさせた。
「……そう、ですね。これからは頼みます」
わずかな思考の後に、セイバーは了承する。
同盟の理由には自身も同意できるものがある。
…………そして言葉や普段の様子はともかく、自身が苦戦したバーサーカーを完全にとはいかずとも打ち倒した戦士……英雄なのだ。
いわれずともそれなりに信用するつもりであった。
「で、どうしようかしら。衛宮君」
「どうするもなにも、もしも他のマスターがだれかを傷つけるなら止めるだけだ」
「…………自分からマスターは倒さないけど、他のマスターが悪事を働いたら倒すっていうのね。…………自分が矛盾してるってこと、分かってる?」
「都合がいい考えなんだろうってのは分かってる。でも、俺にはこれ以外の方針は思いつかない…………」
一通りの問答に、凛はずずぅとお茶を口にし乾いた唇を潤す。
「そう。でもね衛宮君、はっきり言うわ。バーサーカーのマスター、あいつは必ず来るわ。明確な殺意を持ってね。その時はどうするの?」
「それは………………」
「バーサーカー、あれは桁違いのサーヴァントよ。うちのバカーチャーが一度殺したけれど、後11回殺さなければならない。真名を言われた時は馬鹿にされたと思ったけど、あれは分かったところで大した手は即座には出せないわ。なにもせずにいたら間違いなく殺されるわよ、あんた」
「真名……そうだ、セイバーの真名は」
「あんたは知らない方がよさそうね、ポロッと他人に教えそうだもの」
「他人って…………遠坂か?」
「同盟を結んだ覚えはあるけれど、そんな致命的な弱みを知られてもいいほどの関係になった覚えはないわよ?」
「………………………………………………」
濃い緑の瞳から自身へと向けられる強い視線に、自身の迂闊さを身に染みて思い知った気持ちの士郎だった。
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「それじゃ、そろそろおいとまさせてもらうわね」
「結局、特に方針とか決めてないけど……いいのか?」
「かまわないわ。とりあえずは昨日のことに関してだけで十分よ。それに私たちには学校もあるわけだし、勝手に休んで目立ちたくはないわ」
「そうか。なら、送ってくよ。」
「いや士郎さん、俺のこと忘れてません?」
「あっ、いや、忘れてないぞうん」
「本来なら見送りもいらないんだけどね。それと」
凛はくるりと振り返り。
「同盟を結んだのに言うのもなんだけれど、これからは私のこと人として見ないようにしないと……………………やってけないわよ」
そう告げる凛のその顔は、どこか機械のような人形のような……とにかく冷たい印象を与えるものだった。
「んじゃ、士郎さん。言ったこと、忘れたりせんといてねぇ〜」
「バカーチャーあんたちょっと黙ってなさい」
やたらとフレンドリーなバカーチャーの言葉によって、その冷たい印象はすぐに崩れてしまったが。
そして、アーチャーの姿が霊体化によって消え、開かれた引き戸から凛は遠ざかって行った。
それを見送る士郎の頭に先ほどの凛の言葉が反響し繰り返し響く。
―――喜べ少年、君の願いはようやく叶う。
「………………っ」
不意に。
どこか胡散臭かった監督役である神父の言葉が蘇る。
それと同時に、強烈な吐き気が襲う。
まるで歪な、醜悪な何かを見せつけられたように。
「シロウっ!?」
「………………大丈夫だ、なんともない」
突然うずくまった士郎に声をかけるセイバーを手で制し、声をかける。
「そう、ですか。ところでシロウ、すこし相談があるのですが…………」
「なんだ、えぇと……セイバーって呼べばいいのか?」
「えぇ、それで………………」
少々もじもじとしたセイバーに、士郎は首をかしげながら言葉を待つ。
そして。
「おむすび、というものが食べたいのですが……」
と、セイバーは伝えた。
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(よかったんですかい、マスター)
(……なにがよ、バカーチャー)
(いや、マスターがいいなら俺は何も)
凛は自身の家への道を歩いていた。
時間帯が早いせいか辺りに人影は見えないが、それでも念を入れ念話を使っている。
(それにしても、他人事みたいに言いましたね)
くつくつと、押し殺すような笑いを含んだ念話にわずかに凛の顔が反応する。
(一体何のことよ?)
(いや、人喰いのことっすよ。清々しいほど他人事みたいに言い切りましたね)
(他人事なんかじゃないわよ、まったく。迷惑極まりないわ、ほんとに)
(いや、そうじゃなくてですね)
(…………?それじゃなによ)
(あの言い方、まるで自分はそんなことしないって風に聞こえましたぜ。少なくとも俺には)
(………………それはどうかしら?あんたがあんまりにも弱いと、ひょっとしたら命令するかもしれないわよ?)
(まっさか〜。わざわざ同盟をご破産させるようなこと、マスターがするわけないでしょ。それに俺はしろって言われても令呪でも使われない限りやりませんからね。安心しましたよ。言うこと聞かないで険悪な仲にゃなりたくねぇですから)
(…………あんたねぇ)
―――どの口が言うのよどの口が。
そう続くだろう念話は、途切れた。
差し掛かった曲がり角。
そこから現れた少女の姿を、凛が視界に捉えたことを切っ掛けに。
「お、おはよう桜」
「おはよう、どうしてこんな時間に?」
どうやらこのおとなしげな少女と面識があるようだ。互いにあいさつを交わす。
だがどこか違和感がある。
距離感を図りかねているような、そんな少しぎくしゃくした会話。
「散歩よ、散歩。それじゃあね」
その終わりも、やはりどこかぎこちない。
(マスター、あの子は?)
(間桐桜。後輩よ後輩。そう、ただの、後輩……)
(…………そっすか)
―――桜、ねぇ。
普段は、よほど親しい間柄でもどこか一線を引いた付き合い方をすることをそばで見ていて把握していたアーチャーには、ただの後輩とは思えない親しさと距離感を持っていたな……と感じる不思議な受け答えだった。
―――まるで、仲良くしたいのに踏み込んじゃいけない関係みたいな……まさかね。
アーチャーは、自身のまるで憎愛が入り混じった昼ドラの設定じみた思考を、念のため頭の片隅に保存しておくことにして話を変えることにした。
少なくとも聖杯戦争の間しか存在できない自身が関わっていいとは思えない問題なのだろうから、と結論づけて。
(マスター、それより腹減ったんですけんど)
(言うこと聞かずに険悪になりたくないって言った口が言うセリフじゃないわよ、それは)
(えぇ〜、だってスキルの関係上なんか腹入れといたほうがいいじゃないですか〜)
(………………スキル?)
(あれ、言ってませんでしたっけ?)
(…………初耳よ)
(ア、アハ、アハハハハ…………)
(バ カ − チ ャ − ?)
(すんまっせんしたぁぁぁ!!!!)
…………昨夜の様子はどこへやら。
どこか抜けているバカーチャーである。