あの一通のメールから、サイトからは何も知らせが来なくなった。
最初のうちはビクビクして、10日位経つと安堵し、
そこからは、あんな赤いメールなんて忘れてしまって、
何事も無いような生活に追い立てられていた。
その日が来るまでは。
その日も何事も無く、一日が終わろうとしていた。
「♪♪♪♪♪」
携帯の着信音が聞こえてきて、慌てて鞄から取りだし、
メールを見る。
と、そこには。
忘れていた矢先の事に手が、全身が震える。
持っていた携帯はカタカタと音をたて始める。
ー!?
もう一度、携帯がバイブと共に鳴りながら震える。
電話の着信が来ている。
ー誰からだろう....?
不安に包まれて、ビクビクしながら名前表示を見る。
そこには、
彼の友達の電話番号が表示されていた。
ほっと一息し、電話に出る。
「もしもし?どうしたの?」
普通に何時もの調子で呼び掛ける。
だが、相手は録に返事を返してこない。
「ねぇ?大丈....
「なぁ。」
言いかけの言葉を遮り、話し出す声は、少し震えていた。
「お前にも来たのか?このメール。」
そう言ってあのサイトからのメールについて話し出す。
全て話終わったところで妙な連帯感を覚える僕らは、
なんとか落ち着き、これから巻き込まれるであろう未来をどうするか考える。
「行ってみるか。」
先程までの震えも収まり、むくむくと心の底からは好奇心という名の
怖いもの知らずのようなものが顔を出す。
「え。」
友達の言葉に少しの動揺は隠せない。
だが、巻き込んでしまった手前、行かないとは言えない。
ー僕はほとんど無意識に頷いた。