気づけば俺は、崖っぷちに立っていた。
隣には俯いて何かをしているウリアが居た。
「うろろろろろろろろろ」
「吐いてんのか!!」
ウリアが履いている原因は、昨日俺が道化師の帽子に入った時のパーティーで飲んだ酒のせいだろう。
だが今はそんな事を言っている場合ではない。
目の前にはクエストの目的、畑を荒らしている集団達が居た。
行き成り第三の腕を使うのは、なんだかやる気が起きないため、始めは滅竜魔法で良いか。
「金龍の咆哮!!」
俺はブレスを放った。
この咆哮と共に放たれている、きめ細かな金。
その金は、人のありとあらゆる隙間に入り込み、皮膚呼吸を出来なくする。
だがそれ以前に、ブレスの火力だけで倒せるだろうが・・・・・・
結局集団は数百キロ程吹っ飛んだ。
追っ払った後、俺は俯いてるウリアの背中を摩り、吐き終えるまで待った。
今回のクエストの報酬は少ないが、病院で払っていない分の金は払える額だった。
「ウリア、さっさと帰るぞ!!」
既に治っているウリアの肩を掴むと、
「触れてんじゃねぇ!!」
俺の手を薙ぎ払った。
だが、その薙ぎ払う時の力が有り余り、崖から真っ逆さまに落ちて行った。
「うぎゃあああああああああああああああああああああ!!」
俺は一つため息を付き、後を追う様に落下した。
崖の麓は流れの激しい川が流れており、奥を見ると滝になっていた。
俺は一旦第三の腕を出し、腕で崖を掴み落ちるのを止めた。
「どうすっかな〜」
適当に考えているが、自体は申告だった。
だがそう考えている内に、ウリアは滝まで行ってしまった。
「話はえーよ!!」
俺は誰に突っ込んでいるんだ・・・・・・
そしてウリアは滝に落ちてしまった。
俺は諦めて滝のある方に行き、ウリアの生存を確認しに向かった。
「ウーリアー!!」
手を口の横に添えながらウリアの名前を叫ぶ。
だが返事は無い。
諦めて依頼主の所に向かおうとしたら、
「敵に背を向けるなど、殺してクレと言ってるも同じ!!」
草陰に隠れていたウリアが、俺の背中に向かって飛び蹴りを仕掛けてきた。
予想内の出来事だった。
その為俺は第三の腕を出し、ウリアを数メートル突き飛ばした。
「阿呆かお前は」
吐き捨てる様に告げると、ギルドに向かって俺は歩いた。