小説『IS インフィニット・ストラトス 〜超常の力を持つ者たち〜』
作者:黒翼()

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Episode1『親』



Side〜主人公〜

終焉(シエン)、君もお兄ちゃんになるぞ」

臨也(イザヤ)。 終焉に言ってもわかりませんよ」

(すみません、わかります。 前世の記憶あるから普通にわかります)

俺が生まれて約半年。
俺はお兄ちゃんになるみたいです。
ああ、そういえば俺の名前を言っていなかったっけ。
俺は折原 終焉(オリハラ シエン)
実に厨二な名前だが、俺の親がかの変人、折原 臨也(オリハラ イザヤ)なのだから仕方が無い。
母親は折原 火織(オリハラ カオリ)
旧姓は神裂(カンザキ)だ。
わかる人はわかるだろうが、俺の父親は『デュラララ!!』の折原臨也。
そして、『とある魔術の禁書目録』の神裂火織だ。
ちなみに、その作品の登場キャラもいるが、学園都市は無いようだ。

「いいや。 この子はきっと理解しているよ。 そんな気がする」

流石人LOVEの変人。
当たっています。

「親バカですね」

「そう言う火織もだろ?」

「ふふっ、そうですね」

ちなみに、今の話題にはまったく関係ないが、俺は神に物申す。
俺が要求したのは常人離れした『身体能力』と『脳』、『七天七刀みたいな刀』なんだが、どうしてまったく身に覚えの無い能力が増えているんだ!?
神が能力についての記憶を埋め込んでくれていたんだろうけど(そうとしか考えられない)、『能力(スキル)を創る程度の能力』や『想像を設計図に変える程度の能力』、『リング召喚』、『(ボックス)召喚』って何!?
超チートじゃん!
ってか、『能力を創る程度の能力』はまだいいとして(実際よくは無い)、『想像を設計図に変える程度の能力』って何?!
何か造れってこと!?
……俺はもう、考えることを諦めた。
なるようになる……多分。

「終焉、貴方がこの子を守ってくださいね」

「まだ早いよ。 けど、いつかこの子を中心に、世界が動くだろうね」

きっと動きます、はい。
こんな化物能力を持っていては、絶対普通には生きれません。
ってか、俺を狙って世界が動くでしょう。
……できるだけばれないようにしなければ……。

「二重聖人……しかも、アックアすらも比ではないほどの聖人……ローラ・スチュアートは完全聖人って言っていたっけ。 絶対、狙われるよね」

多分、もう自衛できます。
『能力を創る程度の能力』は満月の時にしか発動できない。
しかも、それを逃せばまた次の満月まで使えない。
この能力の試しに(何度か失敗あり)創ったのが、『一方通行(アクセラレータ)』。
能力のON/OFFは自由自在だから、普段は隠しているのだが、これを使えば核爆弾の直撃でも傷一つ付きません。

「まあ、終焉は俺たちで守ればいい」

「そうですね。 今の私はあまり力になれませんが」

「火織はその子を産んでくれ。 俺は俺のやり方で、終焉を、火織を、お腹の子を、俺の大切な物を守るから」

「お願いします。 最悪、あまり好ましくはありませんが、天草式や必要悪の教会(ネセサリウス)の方々の力を借りましょう。 ローラ・スチュアートならば、終焉の重要さを理解しているはずですし、臨也がいれば手を貸してくれるでしょう」

多分、折原臨也の手によって脅されるのだろう。
この世界の折原臨也は、原作臨也よりもずっと性質の悪い情報屋だ。
世界中のお偉いさんの弱みを大抵握っている。
多分、ローラ・スチュアートも何か弱みを握られているのだろう。

「うん、そうだね。 にしても火織。 君も随分俺に染まってきたね」

「臨也と結婚して、臨也の子供を生んで、まったく影響を受けないはずがないでしょう」

「それもそうだね」

この二人は仲がいい。
年の差はあるし、反りが合わないと思っていたんだけど、この世界の二人は滅茶苦茶仲がいい。
多分、いろんな意味でこの世で一番敵に回してはいけない夫婦だ。

「あぅ〜」

「おや? 終焉は眠たくなったみたいだね」

まだ身体が子供の所為か、よく眠くなる。

「では、私たちは静かにしていましょうか」

「そうだね」

あー、ねむ……。


Side〜終焉〜out



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