小説『ひぐらしのなく頃にin北条悟史』
作者:厨二万歳!()

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第四話 共通ルート4


Side園崎詩音


今日あったことをお姉に報告した。
金髪の少年に助けられた上に魅音じゃないことを看破され、頭を撫でられたことなど。
お姉は聞き覚えがあったようですぐに答えてくれた。

『あ〜、そりゃ悟史だよ。北条悟史。
気安く頭を撫でるクセなんか間違いないね。
…にしても、詩音を助けようとしてねぇ。いつも窓の外か妹のことを気遣ってるとこは見たことあるけど、
まさか不良…それも複数相手に喧嘩売って勝つなんて。やる時はやるもんだねぇ』

「ふぅん…北条悟史くん、かぁ」

頭を撫でられた感触を思い出しながら一人呟いた。

………
……


数日後

「よし、カンペキ!
これでどう見ても魅音だね」

前日揃えておいた変装用の服を着て、鏡の前で確認する。
本当はもう数日部屋にいなきゃいけないんだけど…。

(ジッとしてるなんて落ち着かないって。それにこれじゃぁ引きこもりだもんね)

ついでに数日分の買い物も済ませるために財布を持って外に出た。

(あとバイトにも顔出しとこっと…ん?あれって)

目の前を歩く金髪の少年。
ズバリ、北条悟史くんだった。

(…北条家、か)

数日前に聞いたお姉の話を思い出す。
祟りで死んだと言われているダム賛成派だった夫妻の息子
叔父夫婦のところで暮らすという話があったが、その夫妻とあまりうまくいかず、ついには殴り合いの喧嘩で勝利してアパート暮らしを認めさせたという。
そのため今は妹と昨年両親が死んでしまった古手梨花と一緒に暮らしているとか…。

(私は魅音、私は魅音…よしっ!)

自分に簡単な暗示をかけ、歩く速度を早めて悟史くんの肩を叩いた。

「へーい、こんなとこでどうしたの?」

「…魅音」

「あれ?元気ないね。悩み事?」

「いや、別に大したことじゃないよ」

「何?おじさんじゃ力になれないと思ってるわけぇ?」

「ん〜、そう言われてもねぇ。魅音じゃ無理じゃないかな?」

「(ムカッ)へ〜、私ごとき女の手は借りたくないって事?」

あまりに頑なに言わない悟史くんにカチンときて強気な口調で言ってしまう。
まぁ、言わない悟史くんが悪い。うん。

「いや、そういうわけじゃ」

「じゃぁ何さ」

「あ〜。はぁ。ちょっと最近忙しくてね。野球辞めよっかなって」

(そういえば昼は学校、早朝と晩はバイトをしてるって…学校が休日の日も一日中バイトをしてるとか)

そんな中で野球チームにも所属してたら、そりゃ忙しいよ。
というか何時野球やってるんだろ?

「ん〜、悟史くんは野球やめたいわけ?」

「いや、良いストレス発散になるからできれば続けたいけど…」

「だったらチームの監督に話つければいいんだよ。もうちょっと練習量減らせませんかって」

「う〜ん、そうだね。ちょっと相談してみるよ。ありがとね、魅音」

「ッ!」

そう言って笑顔で優しく頭を撫でてくる悟史くん。
…思わず頬を染めるのは仕方のないこと。うん。仕方ない仕方ない…。

「ところで魅音は何をしに?」

「え、あ、スーパーで買い物を」

「へ〜。…あれ?家政婦がいるって言ってなかったっけ?」

「(しまったっ) いや、たまには家事の真似事でもしようかなってさ」

「ふ〜ん。珍しいこともあるもんだ。明日は雪かな?」

「ぶ〜、失礼しちゃうなぁ〜〜」

そんな下らない事を言い合いながらスーパーへと足を向けた。


Side out

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