小説『ひぐらしのなく頃にin北条悟史』
作者:厨二万歳!()

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第五話 共通ルート5


Side園崎詩音


スーパーでのこと…。

〜野菜売り場〜

「えぇと、ブロッコリーとキャベツとほうれん草と」

「って、それカリフラワーと白菜と小松菜!」

「あれ?」

〜肉売り場〜

「牛肉、豚肉」ポイポイポイ

「って、そんなにお金足りるの!?」

「あ」

〜レジ〜

「えっと、財布財布…あれ?」

後ろの人(イライラ)

「っと、あったあった…えぇっとってあぁ!」チャリリィィン

後ろの人(ギリギリッ)

「はい、お釣りとレシートです」

「どうも…ってあぁぁ」チャリリリィィン

後ろの人(メキメキッッ)

……


「悟史くんの買い物ってなんだかとてもスリリング〜♪」

野菜をことごとく間違え、量を考えずにカゴに入れる。
レジでは財布を見失い、見つけたと思ったら小銭をバラまき、お釣りをもらってまたバラまく。
本当に不良相手に大立ち回りした人とは思えないダメっぷりだった。

「まぁ、見てるこっちは楽しかったけどさ」

「むぅ(悟史の記憶共有からなんかひどくなってるような…ハァ)」

「って、豆腐は後!牛乳パックをしたに入れるの!豆腐はビニールで包んで!」

「あ、うん。えっとパックが先で。……なんか今日の魅音はいつにも増して厳しいなぁ」

「ほらほら、さっさと入れる」

「むぅ」

悟史くん独自の唸り声をだしながら指示通りに入れている悟史くんを見ながら前日のことを思い出す。
こんな要領悪い子なのに、一体どこにあんな大立ち回りできる要素が含まれてるんだろ?

(謎だなぁ)

「ねぇ、魅音。今なんかそこはかとなく僕のことバカにしなかった?」

「え?なんのこと?」

「まぁ、いいけど」

「(意外と鋭いんだ)…んーっ」

袋に詰め終えて、出口に向かう途中にあった掲示板の張り紙に目が止まった。
野球のチーム募集…。

「雛見沢ファイターズって悟史くんの野球チーム?」

私の言葉に反応して、そっと出ていこうとしている悟史くんを見て思ったことを口にした。

「悟史くんは思った。頼むから魅音、野球やってるとこまで来ないでくれよ〜」

「むぅ〜」

(練習場所は…興宮のグラウンドかぁ)

場所をしっかり確認して、デパートを出る。
そして、彼と道中で別れてちょっと進んだ時だった。
彼が私のことを呼んだ。

「ねぇー!」

「何〜?」

なんだろう?ちょっと考えてみるが、呼び止められる意味がわからなかった。

「ホントの魅音は僕のことをくん付けで呼ばないんだよー!」

「なっ!?」

頭の中ではずっとくん付けだったから無意識だった。
というか、つまり私のこと初めから魅音じゃないって気づいてたってこと?!

「それだけぇ! じゃぁね!泣き虫お嬢さぁーん!!」

「ッ、だからぁ!あれは嘘泣きだって言ってるでしょーーー!!!」

笑顔で走り去っていく姿を見ながら思った

(最後の最後にしてやられた…というか、気づいてたなら最初から言ってくださいよ。
…ていうか、悟史くんの中で私は泣き虫認定されちゃってませんか?)

次はもう普通に自己紹介しよう。そう思った


Side out

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