小説『超短編集3『憂鬱サンタの優雅な休日』』
作者:加藤アガシ()

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【可燃トマトジュース】



今日は燃えないごみの日デスか?




そうです。燃えないごみの日です。




では、私はこれを捨てます。



あなたは何を捨てるんですか?



秘密です。

秘密ですか?



そうです、秘密です。





ところで、あなたのゴミ袋、くさくありませんか?




臭いですか?



はい、臭いです。



そうですか。

何が入っているのですか?









秘密です。




秘密ですか?




はい、秘密です。


ところで、なぜアナタの服に血が付いているんですか?



これはトマトジュースです。



トマトジュースですか。



はい、私はトマトジュースが好きです。



そうですか。



そうです。




・・・・。



・・・・。





なぜあなたは泣いているのですか?



私は泣いていません。




泣いてますよ。



泣いてません。



いや、泣いてますよ。



そうですか?



そうですよ。




・・・。



・・・・。







今、思い出しました。さっきまで玉ねぎを切っていたのです。




そうですか?


そうですよ。




・・・。


・・・。



ゴミ捨てなくていいんですか?もう収集車が来てしまいますよ。



捨てますよ。




そうですか。




そうですよ。




・・・・・。



・・・・・。




捨てないんですか?



・・・・。




本当は捨てたくないんです。




・・・・。



・・・・。






その袋の中には何が入っているんですか?





・・・。


・・・・。





大事な・・・大切なモノです。


・・・。





・・・。





そうですか。




そうです。


・・・。


・・・・。






それでいいと思います。






え?






あなたが捨てたくないなら、捨てなくていいと思います・・。





え?


え?

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