小説『超短編集3『憂鬱サンタの優雅な休日』』
作者:加藤アガシ()

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【主観的クリーム解釈】




今日、僕はクリーム色の電車に乗って旅に出ました。

電車の中は、顔のない腐りきった人たちがいっぱい乗ってて、あー!とか、うー!とか、呻いてた。


僕は冷たい人間だから、人のことなんか知ったこっちゃない。

人が何を話そうが、聞き取れない。

聞きたくない。アー!



しばらくすると、電車は『女子高校生の国』に着いて、いっぱい女子高校生が乗ってきた。

彼女たちは大人になったら、どこに引っ越すのだろう?
居場所なんて誰も見つけられやしないのに。



にぎわいだした電車の中で、知的障害の子が大声で笑いだした。
周りの人たちよりも、ずっと楽しそう。

キミが不幸だなんて、キミ以外の誰が決めるのさ?



そうして、僕は『無料動物園駅』で降りた。


もちろん、『パンダさん』はいない。
僕の動物園じゃ、白黒なんて関係ない。

変色するカメレオンくんが重宝される。


そして必要なのは、無料であることと、良い天気であること。


この二つで、世界は正しく、激しく歪む。



メガネをはずせよマジョリティ。

近視の方が世界は美しいのだろう。

矯正された世界はいらない。


矯正された『ソイツ』が欲しいのだ!!


さぁ、さぁ、ご飯ですよ!!



みんな行こうぜ!『アルマジロの国』へ

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