チュンチュン、チュンチュnピチューン!
どこからか、鳥の鳴き声と一緒にどこか聞き覚えのある音が聞こえきた。
(……知らない天井?)
目が覚めると、そこは見たことない部屋だった。
「……ふみゅ」
(…………ん?)
目覚めたばかりで、ちょっとお間抜けな声が出た。それはいい。ただ、声がおかしい。そう、まるで女の子のような…
(ちょっとまって、女の子みたいなこえ!?)
この事で完全に目覚めた僕は慌てて辺りを見渡し、ベッドの近くにあった大きな姿見に自分を映してみた。そこにいたのは
「…え?フラン?」
そう、そこにいたのは東方に出てくる悪魔の妹、フランドール・スカーレットだった。
(ちょっと神様、これは一体どういう事!?)
前世ではよく男の娘男の娘と言われたが、少なくても「男」だったからまだよかったけど…
(はぁ、これは完全に女の子になっちゃったよ…)
多少おちこんだが、すぐに気を取り直し今度はゆっくりと部屋を見渡してみる。するとベッドの近くに小さいながらも高級感溢れるテーブルがあり、その上に数枚の手紙が置いてあった。
「うわ、なにこれ…」
その手紙の差出人はそのまんま「神様」と書かれており、その内容は大半が上司のグチで所々転生時の特典等が書かれていた。
重要な所だけ抜き出すと、
・容姿と性別はフランと同じだが、狂気は無し
・魔力、気力、神力、霊力を持ち、ランクはFateでいう所のEX
・吸血鬼だが真祖なため、吸血鬼の弱点や吸血衝動は無し
・さらに最上級悪魔で、眷属持ち
・能力はもちろん「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」
・今いる屋敷の名は「紅魔館」で屋敷の正面に正門と庭園、むかって右に「ヴワル図書館」、左に「博麗神社」がある
・四人の魔王とはお友達
手紙を読み終えると、この世界のフランの記憶が激しい頭痛と一緒に一気に押し寄せてきた。
「ひぐぅぅぅぅぅ…さ、さくやぁ…」
「お呼びですか、おjy…お、お嬢様!?どうなさったのですか!?」
必死に頭痛に耐えながら、自身の眷属の一人である侍従長の名を呼ぶ。
すると、次の瞬間完璧で瀟洒なメイドが現れ、始めは完璧に返事をし途中からあわてて僕をささえる。
「ふう、やっと落ち着いた…」
「大丈夫ですか、お嬢様?本日はもう少し寝ていらしたらどうでしょう?」
数分後、ようやく頭痛がおさまり、その場で一息ついていると目の前のメイドがそういってきた。
「もう大丈夫だよ。ありがと、咲夜」
「いえ、申し訳ありません、お嬢様。お嬢様が大変な時に私は何もできませんでした。これでは、メイド失格です」
「だから大丈夫だって!それに咲夜は完璧なメイドだよ!…ところで朝ごはんは?」
「はい、用意は出来ており、皆様食堂でお待ちです」
そう咲夜がいうと、僕はすでに見たことのあるフランの服に着替えさせられ、咲夜の手には水の入った洗面器と清潔そうなタオルがあった。
「申し訳ありませんが、本日はこちらでお顔を洗ってください」
そのことに了承し、すぐに顔をあらって皆の待つ食堂へむかうのだった。