プロローグ 小さい頃は幽霊が見えた。 信じられないかもしれないけれど、確かに小さい頃、僕は幽霊と一緒に遊んでいた。 同じ年くらいの、着物を着た長い黒髪の、かわいい女の子の幽霊だった。 今は少しも見えないけれど、確かに彼女はそこにいたのだ。 数年前のあの夏の日。あの場所に。 だから僕は、今から一つ物語を語ろうと思う。 そんな幽霊と僕の物語を。