小説『「夏の日と、幽霊と、かみさま 」』
作者:hj()

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二章



何千回もの肯定を繰り返してきた。

きっとお互いに、存在の有と感情を確かめ合ってきたんだろう。
僕は学校ではいつも一人だった。
少女は僕と出会うまでは誰にも気づいてもらえない存在だった。
お互いに自分の居場所がほしかったのだろう。結果として、それは掛け替えのない、大切な居場所になったのだから。
僕にとっても、そして多分、彼女にとっても。

幼い頃の僕等は、空を仰ぎ、祈り続けた。
何千年、何万年、何億年、何光年も先も、ずっとここに居れたらと。
今思えば光年って距離なんだよな。まあ、数年前の話だ。勘違いもある。
それほど、僕はその居場所を、少女のことを大切に思っていたのだ。
それこそ、まるで恋人のように。

そうだ、そうなのだ。

多分、あれが自分にとっての初恋だったのだ。

-5-
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