四章 現在、僕はその神社の鳥居のところにいる。 今は高校二年生。気づけば少し背も伸びたし、声も変わっている。あの頃、僕らが祈ったことはどうやら神様まで届かなかったらしい。 これから、僕は、僕らの中で大切だった何もかもを忘れていくのだろう。 何千回の後悔を繰り返しながら。 何千回の肯定を繰り返して。 何千年、何万年、何億年も前からも。 小さく弱い僕は、絶対の肯定を求め続けてきたんだろう。