Life.1〜転生、新たな世界〜
昴side
「ん・・」
目を覚ますとそこには見知らぬ天井があった。俺は何やら見知らぬ部屋のベッドで横になっていた。
「ここは?」
俺はベッドから身体を起こした。
「?」
俺は自分の身体から違和感を感じた。
身体がやけに軽い・・、いや、身体から力が溢れてくる。
俺はベッドから降り、部屋に備えつけられていた等身大の鏡の前に立った。
「!? これは・・」
鏡を覗きこんだ俺は驚愕した。何故なら・・。
「若返って・・る・・?」
そう、身体が若返っていたからだ。俺はかの創造主の元へ行く直前は筋力は衰え、顔は皺だらけ、髪はほとんど白髪の歳相応の老人だった。だが今の俺は見かけは15〜18歳くらいで、ヘアカラーは若き頃と同じ黒のロングヘアーで、当然皺もない。
「そうか、だから力が溢れているように思えたのか」
これはあの創造主の仕業だな。
「・・・さてと」
まずは現状を把握しないとな。ここが何処で、ここがどの時代なのか、調べなきゃならない事は山ほどある。
「まずはこの建物から調べるかな」
俺は部屋を出た。
※ ※ ※
「広いな・・」
建物の探索をしてみると、意外にこの建物がかなりでかい事が分かった。全部で3階建てで、至る所に空き部屋があった。探索の結果、この建物は生活を目的としただだっ広い屋敷ようだ。
「ん?」
1階のリビングに入ると、備えつけられていたテーブルの上に1通の手紙があった。中を開いて見ると・・。
『やっほー! この手紙を読んでるって事は無事に転生出来たみたいだね♪』
・・・何とも軽い文面から始まってるな。
「自称創造主か・・」
続けて読んでみると内容は俺の今の状況に関することだった。
この世界は20XX年、平成の日本で、ここでの俺は名前は御剣昴、これは前世と一緒だ。現在の年齢及び身体は15歳で、俺はとある資産家の家に産まれ、両親はすでに他界、親戚もおらず、天涯孤独の身。両親の遺産を引き継ぎ、現在はこの家で一人暮らし・・、という設定らしい。創造主からの計らいで生活に必要な物はすでにこの家に揃っており、現金なんかは資産家の遺産を引き継いだという名目でとんでもない額の金額が置いてあった貯金通帳に記されていた。
「なるほど・・」
さらに続きを読んでみると、現在は3月で、1ヶ月後の4月には学校に進学する事になっているらしい。
進学する学校の名は私立駒王学園・・。
正直面倒だと思ったんだが、今の俺ぐらいの子供は学校に通うのが通例なので、通っておかないと何かと目立つ上に色々都合が悪いので通う事に決めた。
「状況はだいたい理解出来た」
手紙を読んでいくと、最後はこう締めくくっていた。
『状況は理解出来たかな? それじゃあ最後に、リビングの奥の座敷に君の大切な物を置いておいたよ! では、ぐっら〜く♪』
「俺の大切な物?」
書いてあった通りに奥の座敷に行ってみると・・。
「!? おいおい・・」
そこにあったのは俺が前世で共に戦場を駆けた相棒・・。
村雨・・。
全長が150センチと普通の刀より長い大太刀で、俺はこの刀と共に戦場を駆け抜けた。
「まさかもう1度お前に会えるとはな・・」
俺は村雨を手に取り、抱きしめた。後俺は前世で朝陽と夕暮という双剣も使っていたのだが、これはなかった。まああの2本は子供にあげちまったからな。
そしてしばらく前世で共の想い出に浸った。
まあこの時代では刃物を持ち歩けば銃刀法違反で捕まる事に気付いたのはすぐ後の事だった。
「・・・まあいい、この先何があるかは分からないが、第2の人生、精々楽しむとするか」
俺の新しい生活と物語が始まった。
続く