小説『ONE PIECE 大海賊時代に転生』
作者:ねこぱんち()

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3.ルークについて

SIDEシャッキー
数か月前に拾った少年、ルーク。
おもしろそうだと思って拾ってみたが、私の想像以上のようだ。
ルークは見た目と言動が釣り合っていない。5歳児の見た目なのに、話しているとまるで大人を相手にしているようだ。早熟というよりも…天才児かしら?新聞や本は読むし、分別もある。最近は色々と情報を集めているようだし、何か考えでもあるのかしら?

「ねぇシャッキー。白ひげって知ってる?」
また情報収集の一環かしら?この子が何か聞き始めると長くなるのよね。
「もちろん知ってるわよ。四皇の一角じゃない。」
「じゃあ、赤髪って片腕だったりする?」
「何言ってるの?もちろん両腕あるし、また四皇じゃないの。」
「そっか。ならいいんだ。変なこと聞いてごめんね。」
それからしばらくルークの質問責めにあった私は、解放されるとぐったりしてしまった。
「色々教えてくれてありがとね、シャッキー。じゃあ、俺は店の掃除でもしてくるよ。」
「お願いするわね。カモ(客)が来たら呼んでちょうだい。」
解放された私は、ついついため息をついてしまった。

SIDE OUT

SIDEルーク
この数か月親探しや情報収集をしたが、この世界での俺の親は少なくともシャボンディ諸島にはいないようだ。そして今はまだ原作開始前であると予想される。シャンクスは両腕があるようだし、ルフィのことについては情報がまったくない。
前世の記憶で、ワンピースのことが消えていないのがありがたいが、俺というイレギュラーな存在がどこでどのように変化を起こすかわかったものじゃない。
せっかくこの世界に来たのなら、やってみたいのはやはり…「食べ歩き」!原作介入もしてみたいが、大事なのは食べ歩きのほうだ。
前世での俺はおいしいものが大好きだった。それこそ海外に行って食べ歩きをするくらいに!そしてこんなおもしろそうな世界に来たのなら、やはり未知の料理に出会って食べてみたいものである。しかし危険なこの世界では、今のままでは気軽に食べ歩きなどできない。となればやはり鍛えるしかないが、レイリーは未だ放浪から戻らず。ひとまずシャッキーに聞いてみるのがいいかもしれん。

そしてその日の夜、俺はシャッキーに話してみることにした。
「ねぇシャッキー。俺やりたいことがあるんだよね。」
「あら、突然どうしたの?」
「俺さ、世界中のおいしい料理が食べたいんだよ。だからいつか海に出て、世界中で食べ歩きがしたいんだよね。それに、今はいないけど、いつか大切にしたい人ができたときにその人を守れるくらいには強くなりたい。でも今のままじゃ海に出てもすぐ死んじゃうからさ…俺のことを鍛えてくれるような人を紹介してもらえないかな?」
「ルークが自分から何かをしたいって言い出すなんて、この数か月で初めてね。そうねぇ…紹介してもいいのだけれど、その人があなたを鍛えてくれるかはわからないわよ?それに、私のことは守ってくれないのかしら?」
ふむ…ダメだと言われるかと思ったけど、聞いてみるものだな。それにしても、守ってもらいたいなんてよく言えたもんだな。
「それでもいいから、紹介だけでも頼めないかな?その人がダメだと言ったら、自分で何とかするからさ。それにシャッキーは守られるほど弱くないでしょ。海賊たちをぼこぼこにしておいて、よくそんなことが言えるね。」
するとシャッキーは笑いながらこう言った。
「わかったわ。紹介するのはレイリー。一応この家に住んでいるけれど、あなたも知っての通り、彼は一度出ていくとなかなか戻ってこないのよ。彼が次に戻ってきた時に聞いてみるから、それまでは基礎体力をつけたりして待ってなさい。」

それからシャッキーにメニューを組んでもらい、レイリーが戻ってくるまでは基礎トレーニングをすることになった。シャッキーが話してもいないのにレイリーが「冥王」であることを知っていたらおかしいので、シャッキーの前では冷静なフリをしていたが、実際は嬉しさのあまり大声で叫びだしそうだった。まだレイリーに鍛えてもらえるとは決まっていないが、もし鍛えてもらえればかなり強くなれるはずだ。
まずはレイリーに鍛えてもらえることを祈って、明日からの基礎トレーニングを頑張ろう。

SIDE OUT

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