小説『転生はメリットしかない?現実はそう甘くない』
作者:Ratchet()

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 ・・・二度目の小学生は何か感慨深いな



「ご入学おめでとう御座います。本校では・・・・」

よう。曲里だ。今日は小学校の入学式だ。両親の死から一年経ったが俺は特に変わらず日々を過ごしている。

あ、でも変わった事もある。

まず朝起きた時と外に出る時と寝る時に親父とお袋の遺影に挨拶をしている。

そしてランニングをして朝は親父の遺品である楽器を磨いたりしている。偶にチューニングのために何曲か弾く事もあるが基本は弾いていない。

そして昼は外で七夜となのはと遊ぶか公園で結界を張って七夜と鍛錬をするか高町家に行って道場を借りて剣術の練習のどれかをしている。

そして夕方になると高町家で恭兄と模擬戦をする。・・・最近は彼女が出来たらしくあんまりしてはいない。

そして喫茶店が終わると高町家で夕飯をご馳走になりその後時間が許す限り士郎さんに剣術を見てもらい遅くなったら泊まり21時前だったら家に帰る。

これを週5で繰り返している。因みに土日は鍛錬は基本休みでなのはと遊んだり時々翠屋を手伝ったりしている。

因みに翠屋とは高町家が経営している喫茶店の名前で海鳴市ではかなり有名なお店で土日は特に忙しく、それこそ俺のような幼い子供の手も借りたい位忙しいのだ。(そうは言っていますが曲里は前世のバイトの経験が生かされていますので腕は玄人です。ので桃子さんは本気でなのはの許嫁にして翠屋を継いでもらおうかと士郎さんと話したりしています。恭也君も納得のようなので高町家にして見ればバッチ来い!状態です)

それと能力についてだが進展があった。

まずは七夜の方だが遂に最初から投影できた物の完成度が90%を越えた。更に俺が弓の指導もしているから腕前がワカメ以上桜以下までに成長した。これはまあまだ要練習だが。

後デバイスとのシンクロ率は85%になったらしい。そして新しく修得した燕返しと射殺す百頭はまだ錬度は甘いが何とか実践で扱えるレベルにはなっている。

しかし必殺の一撃のレベルにはまだ到達はしていないが。

黒鍵への魔術付与も以前よりはスムーズに行えているがいまだエミヤよりは上だがシエルのレベルまでは届いていない。

ナイト・オブ・オーナーはあれからあまり試しては居ないがあれは一種のスキルのような物なのでそこまで練習は不要だといっていた。フォー・サムワンズ・グロウリーも同じらしい。

アロンダイトに関しては真名開放を見せてもらったがかなり強力な物で間違いなく必殺を約束できる威力だったがそれでもまだ完全に御しきれていないらしい。

魔法の関しても最初から俺よりも知識があるし完成系も知っている為修得するのは早かった。

・・・しかし投影のデメリットで属性が剣に固定されている為、シューターなども全て剣の形になる為少し想像するのは難しいらしい。

元が円形の物が多いからいきなり剣型で想像するのは普通より時間がかかるから厄介だと言っていた。

そして俺の能力の方だが音使いはほぼ完璧に修得した。後はやはり実践で使えるかどうかだけだ。

曲弦師も高度で扱える。しかし俺には糸で相手を切り刻むよりは拘束や把握が性格に合っている為、そっちを伸ばしていった結果、恭兄を拘束する事に成功した。

士郎さんには通じなかったが「これは十分通用するよ。自信を持っていい」と言われた位の腕前にはなった。

人形師についてだが「自分の体を人形に見立ててやればいいんじゃねーの?」と七夜に言われた為やってみると見事に上達した。

以前よりは遥かに上手く扱えるようになったが依然としてまだ生きているものには使用が出来ず、あくまで無生物のみしか扱えていない。

鋼だがこの前入学する1週間位前に鞘から引き抜いた。そこには綺麗な波紋が刀身に広がっており見ているだけでこの刀で人を斬りたいと思ってしまう位刀に引き込まれていた。

あの時恭兄に声を掛けられていなかったら危なかった。・・・もしかしたら人を殺めていたかも知れない・・・。本当に危なかった。

それから鋼は恭兄と士郎さん、後時々美由希さんが揃っている時だけ抜いている。あれから少しずつ所有者と認められてきたのかそれとも毒に慣れてきたのか前ほど人を斬りたいとは思わなくはなってきた。

しかし士郎さん曰く「慣れて来た時ほど危険だよ。この刀を抜く時は絶対に心を乱してはいけないよ。隙を見せれば刀の毒に飲み込まれるからね」との事だ。

だから今の所は俺は戦闘で使用するつもりは無い。早くても中学までは模擬戦でも使う気は無い。

後射撃の腕も士郎さんに見てもらった。使用したのは「キッド」と「カノン」だ。見てもらった所「クイック・ドロウと補充をもっと早くしたら大丈夫だね」と言われた。

これはまあ非常時の武器なのであまり鍛錬をする気は無い。弾代も馬鹿にはならないしな。

それと無手での戦闘方は模擬戦しかない為色々な状況でやった。

士郎さんと小太刀対無手で道場で。士郎さんと小太刀対無手で山奥で。恭兄と小太刀対無手で闇の中の洞窟で。美由希さんと御神流対無手で早朝林の中で。

色々な所で戦闘をして今では手甲と脚甲を着けて無くてもよっぽどの達人で無い限り不意打ちされても一撃でやられる事は無いと言ってもらえた。

魔法については色々有った。まずは誘導弾系は七夜に教えてもらった物は全て扱えるようになった。しかしアレスに登録されていた物は修得できなかった。

しかしこの前デバイス化に成功した「リン」と「レン」でやってみた所俺の使っている術式が変わり高速弾が修得できた。

なんでも今まで俺や七夜が近接で使ってきた術式は今は使い手が少なくなってきている「ベルカ式」と言うらしくこれはあまり誘導弾や直射弾などとは相性が良くないらしい。

そしてさっき「リン」と「レン」で使った術式は今の主流でミドルからロングレンジの魔法に相性が良い術式である「ミッド式」と言うらしい。

でも七夜はシューターを扱えているからお前もミッド式を扱えるのか聞いた所無理だと言っていた。

あくまで俺はベルカ式のみだと。じゃあ何で使えるのか聞くと「あれは明確には「射出」しちゃいないんだよ。あくまで「投擲」してんだ。だから俺はシューター系も変則的だが使えるんだ。・・・まさかここで属性剣が役に立つとはな・・・」と言っていた。

後「ドライグ」で狙撃もしてみた。結果は今の状態でカートリッジ無しでも1kmは狙い打てる事が分かった。

これでカートリッジもありならどれだけの距離を狙えるのか考えたら少し楽しかった。が、七夜が此方を変な目で見てきたから「烈火」を着けてボディーをしておいた。

後最近、なのはに頼まれた時だけ楽器で演奏をしている。何処から聞いたのかなのはが「まー君!楽器出来るんでしょ!?なのは、何か聞きたいな〜」とおねだりして来たから仕方なく一回だけ弾いたらそれから何回も頼まれて今も弾いている。

そして桃子さんと士郎さんに「「不定期で良いから翠屋でライブをしてくれない(かい)?」」と頼まれたので気分が乗った時だけ演奏をしている。

基本はサックスなどしか弾かないが本当に偶にアカペラで歌を歌う時もある。

まだ声が高いから女性の歌を好んで歌っているとこの中性的な容姿から新聞で「翠屋に不定期で現れる天才音楽少女!彼女の歌声はまさしく天使の歌声だ!」と書かれた事もある。

まあ俺本人は気にはしていない。が、その記事のせいでお客が俺目当てでよく来るようになったらしい。

お客様が沢山来るのは嬉しいが前みたいに休日が取れなくなったと桃子さんと士郎さんが言っていた。

まあ、なのはも今は俺達と良く遊んでいるから大丈夫とは言っていたから大丈夫だろうが。

「・・・ではこれで第○○回、私立聖祥学園初等部の入学式を終了いたします」

考え事をしていたら入学式が終わった。

「曲里。さっさと教室に行こうぜ!」七夜がそう言うので俺達は教室に向かう。

因みに俺と七夜は同じクラスだ。なのはは聞いていないからクラスがどこかは知らない。










「はい!ご入学おめでとう御座います!私は今年一年、皆さんのクラスの担任を務めます山田と申します。よろしくね!では出席番号一番の子から名前と好きな事などを入れて自己紹介してください」

そう言われ教諭が俺のほうに顔を向ける。俺は苗字が「あいさき」だから出席番号は早いほうだとは思ったがまさか一番とはな・・・。

まあとりあえずするか。俺は席を立ち、その場で後ろを振り向く。

すると教室の真ん中の方に見知った顔を見つけた。俺と目が会うと手を振ってきたので俺は薄い笑みを浮かべた。

そして俺は微笑を保ちながら自己紹介をする。

「・・・俺の名前は哀崎曲里と言う。出来れば曲里と呼んでくれ。好きな事は楽器を弾く事だ。これから一年、宜しく頼む」そう言い俺は座ろうとするが

「はい!では、哀崎君に質問がある人〜!」と山田教諭が余計な事を言った。

そして何人かが手を挙げた中教諭が選んだのは「はい・・・。では神谷君!」まさかの七夜を当てやがった・・・。

あいつは立ち上がるとニヤニヤしながら「じゃあここでその得意の楽器演奏を見してもらえませんか?」なんて言いやがった。

周りの生徒もかなり期待しているらしく目がキラキラしている。・・・その中に俺を睨む銀髪の男が居たが俺はスルーした。

「・・・七夜。後で自己紹介で絶対一発ギャグやらす(ボソッ」

「待て。今お前何呟きやがった!すんごく俺嫌な予感がするんだけど!!」

「・・・別に。次のお前の自己紹介の時に俺が指示した事をやるならやるよ」と言うと

「では交渉成立ですね。では哀崎君。おねがいします」

「ちょっ!俺まだ納得してないんだけど!」と七夜が言っても皆無視を決め込み俺のこの場だけのリサイタルが始まる。

「・・・じゃあ時間が無いのでハーモニカの即興曲でお許し下さい」そう言い俺は懐からハーモニカを取り出し弾き出す。

「〜〜〜♪〜〜〜〜♪」そして2分ほどのリサイタルが終わる。

『うわあああああああああああああああああああああ!!』ぱちぱちぱちっ!!

皆からの大喝采を浴び俺は席に着く。

「では次の子、お願いします」そういわれ俺の後ろの少女が立ち上がり言う。

「アリサ・バニングスよ。これから一年宜しくね!後趣味はヴァイオリンを習っているから一応それね」

そう言いバニングスの時は質問タイムは無く次々進んだ。

そしてあの馬鹿の番が来た。

「俺様の名前は神皇子刹那だ!宜しく頼むぜ!後なのはとアリサにすずかは俺様の嫁だから手を出すんじゃねーぞ!!」と意味の分からない事を言っていた。

全員あいつが目を向けていた奴の方に顔を向ける。

俺はバニングスに顔を向ける。

「・・・本当な訳、ないだろ?」と聞くと

「当たり前よ!何で初対面の奴に嫁なんていわれないといけないのよ!」と怒っていたので

「・・・落ち着け。あんまり怒ると余計目立つぞ」と言うと周りを見渡し顔を赤く染め

「・・・ゴメン。落ち着いたわ」と言うとあの馬鹿が

「手前!!何俺の嫁であるアリサに話しかけてるんだよ!!」とほざくので

「・・・うぜえ。さっさと座れ。時間が詰まってるんだよ」とあいつにだけ怒気と殺気を混ぜた物を向けるとあいつは怯んだ様でしかし最後の抵抗とばかりに女子の、特にさっき名前を出した3人に向かって笑いかけると他の女子達は顔が赤くなっていたが3人は嫌な顔をしていた。

そしてその空気を排除すべく俺が七夜に指示を出す。

「・・・七夜。とりあえず次お前の番だからさっさとしろ。序にギャグじゃなくて良いからこの空気を払拭する事をやれ」

「いやお前それなんて無理ゲー!?・・・良いよ!やってやんよ!!」と言うと勢い良く立ち上がり

「俺の名前は神谷七夜!哀崎、いや曲里とは4歳の頃からのダチだ!趣味は人助けとゲーム。特技は大抵の球技が出来る事だ!1年間宜しくな!後俺の事は七夜って呼んでくれ!」と年相応の笑みを浮かべると何人かの女子が少し顔を赤らめていた。

・・・後ろを振り向いていたがバニングスも当てられたらしく耳が赤くなっていたのできっと顔が赤くなっているのだろう。

この一年で七夜の年相応の笑みにやられた少女は結構な数が居る。時々公園で会ったりする少女は皆七夜の笑みにやられた奴が多い(しかし実は曲里君の時々浮かべる微笑にも撃沈させられる少女も多い。更に思わせぶりな事を真顔で言う事も多いので七夜と同じ位撃沈させた少女が多いが本人は気付いていない)。

「では神谷君に何か質問がある人〜!」と山田教諭が言うと女の子が結構手を挙げる。俺も一応挙げてはいる。まあ肘を机につけたまま軽く挙げているだけだが。

「では・・・。哀崎君!」そしてまさかの俺を指名した。

俺は女子生徒の少し恨めしそうな視線の中素知らぬ顔で立ち上がる。

「じゃあ・・・。好きな子が居るかどうかとサッカーが下手だと言う事を明言しようか、七夜」

最初の質問を聞き女子生徒は俺に向かって『分かってるね!曲里君!』と言った。

「おい!何で俺へのやり返しは二つなんだよ!!」

「気にすんな。俺は気にしない・・・。てか早く質問に答えろ。時間が詰まってんだよ」

「くっ・・・!覚えて置けよ!!」

「もう忘れた」

「くそおおおおおおお!・・・。好きな子は・・・今は居ない、な。後球技はサッカー以外は得意だよ!これで良いかよ!?曲里!」そう叫び俺を見るから俺は良い笑顔をして

「ああ。最っ高に面白かったぜ」とサムズアップをしながら言った。

そして次々と自己紹介が続く。

「高町なのはです。これから一年よろしくおねがいします!」

「月村すずかです。一年間よろしくお願いします。後私はあまり騒がしいのは得意ではないですので騒がしい人は少し苦手です」

そして自己紹介が終わる。

「では今日はこれで終わりですので今のうちに友達を沢山作ってくださいね?」と言い山田教諭は教室を出た。

そして七夜となのはが俺の元に来る。

「なのは、大丈夫だったか?」

「うん・・・。大丈夫なの。でも行き成り嫁とか言われて驚いちゃった。それになのははまー君の許嫁だし・・・」と最後はよく聞こえない声で話していた。

「あっそうだ。バニングス。少し良いか?」と後ろの席のバニングスに聞く。

「別に良いけど?何の用?」

「いや、俺の親友でも紹介しようと思ってな・・・。こいつは七夜。さっきも言ってたが俺とは4歳の頃からの親友だ」

「宜しくねバニングスさん。俺のことは七夜って呼んでくれ」

「宜しく七夜。なら私の事もアリサで良いわよ。哀崎もね」

「そうか?じゃあよろしくなアリサ!」

「俺も曲里で良い・・・。宜しくなアリサ」

「む〜。なのはも入れてなの!私は高町なのはです!なのはって呼んでね?よろしくバニングスさん!」

「ええ。よろしくねなのは。私もアリサで良いわよ?」

「そう?ならよろしくなのアリサちゃん!」

「後は・・・。彼女も連れてくるか・・・」俺はそう言い教室の真ん中で一人で座って本を読んでいる月村さんの方に行く。

「・・・なあ月村さん」俺がそう言うと本からゆっくり顔を上げ俺を見つめる。

「何かな?哀崎君」

「曲里で良いよ。・・・俺と友達にならないかい?」と言うと驚いた顔をして

「私・・・お喋り得意じゃないよ?それに・・・何時も本読んでいるから暗い子だって思われるよ?それでもいいの?」

「・・・別に、気にしないけど?てか俺も読書は好きだし騒がしいのもあんまり好きじゃないしな。静かな所とかクラシック音楽が流れる所でゆったりと読書している方が好きさ・・・」

そう言うと顔を綻ばせて「・・・ふふっ。本当に似合いそうだね、哀崎君に・・・。趣味も合いそうだね・・・?此方こそ、友達になってください、哀崎君」

「・・・曲里で良い。月村」

「じゃあ、私もすずかで良いよ、曲里君」

「じゃああっちにいる俺の友達も紹介するから行こうぜ」

「うん・・・」

そしてすずかを連れて来て皆に友達になった事を言い紹介する。

なのはとアリサとすずかは女の子だけで話している。これでなのはにも同性の友達がやっと出来た。

そして俺は七夜と話しているとあの馬鹿が俺たちの元まで来てなのは達に笑いかけながら話に入っていった。

すると全員が嫌な顔をして俺たちに助けを求めてくる。

俺は七夜と顔を見合わせた後に二人で殺気を馬鹿目掛けて放つ。

するとビクンッと驚き後ろを振り返り俺たちを見ると怒りだし

「手前等!!俺様の邪魔ばかりしやがって!!モブキャラは引込んでろっ!!」と言い出した。

俺等は別に気にしていなかったがなのは達が

「まー君となー君に何でひどいこと言うの!?」

「そうよ!!あんた七夜達に謝りなさいよ!!」

「そうだよ!失礼だよ!!」と怒り出しあの馬鹿に言うとあいつはうろたえ

「く、くそっ!!覚えてろよ!!」と言い立ち去った。

そして俺と七夜は3人の元に行き

「ありがとな!!なのは、アリサ、すずか!!」

「・・・。ありがとな3人とも」とお礼を言うと3人は顔を赤らめ顔を俯かせた。

そして入学式の日は新しく二人の友達が出来た事以外には変化は無かった。

・・・それから毎日と言って良いほどなのはとアリサにすずかを賭けて、あの馬鹿に絡まれ勝負する事になるとは、この時の俺も七夜もそしてなのはやアリサにすずかにも分かる筈が無かった

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