小説『転生はメリットしかない?現実はそう甘くない』
作者:Ratchet()

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 俺と御神と小太刀2本

 あの後は奴のデバイスに言って結界を解除させて(その時にやけにすんなり指示に従ったから怪しんでいたんだが「マスターを倒して頂いたお陰で多分自身を見つめ直すと思うので。それにこれは此方の責任ですから」とやけに丁寧な物言いで律儀な性格だった)奴、神皇子刹那とか言うらしい、を引き摺りベンチに放置し俺と七夜は戦闘の反省会をしながら帰宅した。











帰宅後はお袋がどんな奴が敵だったかを聞いてきた。

「初対面の奴だった」

「そうかい・・・。まあ、手加減したんだろ?」

「ああ。本気でやったら殺しかねないからね」

「当たり前だ。敵がどんな奴かは知らないがあんたが本気を出せば殺し合いに簡単に発展するんだからね」

・・・そうなのか。俺の実力ってそこまで高いのか。いつもお袋に簡単に倒されるし七夜とも模擬戦は五分五分だから今一分かりにくいな。

でもお袋のお墨付きだからそこそこの実力はあるみたいだな。(※曲里の現時点での戦闘力は魔法を使用しなければ一個中隊位の力です。更に魔法ありなら一個師団と拮抗します。因みに暗殺や撹乱、時間稼ぎなら一個師団を簡単に相手どれます。あくまで正々堂々と行くと実力は落ちます。まあ能力が暗殺・撹乱向きなので仕方ないですね)

で、その後はまたお袋無双が発動しそれに俺と七夜で食らい付きおやつを(お袋特性。かなり美味い)を食べ、なのはが俺の分を凝視するから食べかけだけどあげて(その時になのはの頬が赤く染まっていた)またお袋無双発動・・・と思いきやまさかのなのは無双発動しお袋とタイマンでガチンコバトル(ゲームのテニスのシングルスの事です)が勃発し、お袋をギリギリの所まで追い詰めそれを見て七夜が「もう原作のなのはから遠ざかりまくりじゃん・・・」と何やら黄昏ていた。

そして夕日も落ちてくる6時頃に七夜は一先ずお先に帰宅しなのはは6時を過ぎてから俺が送る事になった。

まあお袋に「まー!なのはを家までおくってやんな!拒否権は無いよ!」と言われたからなのだが確かにこの時間では、少女一人で家に帰るのは危険だろう。

しかしだ。俺もなのはと同じ5歳児なのだがそこの所はどうなんだろうか?

「多分まー君を信用しているんだと思うよ?」

「なのは。お前まで人の心を読むな」

「読まれる方が悪いって潤さんが言ってたよ?」

「お袋に言われた事は真に受けるな。あれはお袋だからまだ許されるけど他の奴がやれば気味悪がれるぞ」

「そうなの!分かったの。これからはまー君にだけするね♪(まー君だけって何か良い気分なの♪)」

・・・こいつ何考えているんだろうか・・・。さっきからずっとニコニコしているが・・・何か良い事でもあったのか?

そんな事を考えているとなのはの家に着いた。実家は喫茶店をしているらしい。しかし今居る所は普通の一軒家だ。

「喫茶店じゃなかったのか?」

「うん。そうだよ。こっちが私のお家の玄関で反対側が喫茶店の玄関なの。お外から帰ってきたらこっちから入るの」

「そうなのか。じゃあまた」明日とは言葉が続かなかった。急に玄関のドアが開いたかと思うとそこには10代中頃と見える黒髪の少年が二本の小太刀位の長さの木刀を持って出てきた。

「なのは!こんな時間まで何処に行ってたんだ!」

「と、友達と遊んでいたの・・・」

「友達だと?そこのお前か!家のなのはをこんな時間まで連れ回していたのは!」

「ち、違うの!なのはが遊んでってお願いして!」

「そんな事はどうでも良い!ほらっ!早く家に入れ!皆なのはが帰って来ないから喫茶店を閉めてまで心配してたんだぞ!直ぐに皆に謝るんだ!」

・・・。目の前のこいつは何を言っているんだ?自分の事を優先しなのはを蔑ろにしていたのに今更兄貴面だ?フザケルンジャネエよ!!

「・・・おい。そこのなのは兄。今すぐなのはから離れろ・・・」

「なに?貴様には関係ないだろう!」

「関係ないだと?毎日毎日自分の事ばかり優先してなのはを一人にさせてなのに怒る時だけ兄貴面かよ。はっ!ふざけんじゃねーよ!」

「何だと・・・貴様。道場に来い!貴様を叩きのめしてやる!」

「はっ!妹と同い年の子供を叩きのめすのかよ。あんた最悪だな。まあ良い。俺もあんたを叩きのめしたいと思っていた所だ。やってやるよ!」

そして俺達は高町家の所有する道場へと脚を運んだ。









高町家全員(父を除く)が何時の間にか着いてきて道場に着き、高町兄は先程からずっと持っている小太刀を構え曲里は懐から小太刀(鉄と銀と重さから長さまで全く同じ模造刀。刃引きはしてある)を取り出し逆手に構え殺気を放ち勝負を今か今かと待っていた。


「恭ちゃん!何でなのはと同い年の子と決闘なんてするの!?それにそこの子も何でヤル気満々なの!?」

「美由希・・・。止めても無駄よ」

「何で!?お母さん!」

「だって二人の目を見ればあなたなら分かるんじゃないの?」

「目・・・?」言われて美由希は二人の目を見てみる。その瞳には自身の持つ価値観を決して譲らないと、そんな主張が見て取れた。

「確かに・・・。これじゃあ引きそうに無いね。でも!それでも危険なんだよ!だから「美由希!早く審判をしろ!」恭ちゃん!!何でこんな事するの!?話し合いで解決しようよ!」

「無理だ!ここで引き下がれば自分の意思を曲げる事になる!それだけは出来ない!」

「こっちも同じだ。今更兄貴面するこいつを叩きのめさないと俺の気が済まないし、何よりなのはが可哀想過ぎる!それでまた悲しんでしまうなんぞ、俺が許すかよ!」

「〜〜〜!ああ、もう!!じゃあ二人とも名乗りを上げて!!」

「永全不動八門一派・御神真刀流・小太刀二刀術師範代!高町恭也!!」

「殺人鬼・少女趣味と請負人・赤き征裁が嫡子!『曲』の名を受け継いだ死神・哀崎曲里!正々堂々と不意を打つ!」

「それでは、始め!!」












先手は恭也がとった。周りの者が視認出来ない速さで動くと右手に持つ小太刀を振り下ろした。美由希のみは未だ見切れていたがこれで終わったと美由希も恭也本人も思っていた。

しかし相手は赤き征裁の嫡子である曲里。早い攻撃など母親の物で慣れている為小太刀を順手に持ち替えクロスさせ接触の際に衝撃を殺し初撃を受けて見せた。

恭也は一瞬呆けたが直ぐに集中し直し連続で小太刀による連撃を繰り出す。しかしそれも曲里の逆手に持ち替えた小太刀に全て防ぐか受け流され有効打を打てない。

それに苛つきを感じた恭也が一度大きく離れた。




「中々やるようだな、哀崎」

「曲里で構わないぜ、高町兄貴」

「そうか、曲里。なら俺の事も恭也で構わん」

「そうかい・・・何故なのはに構わなかった?恭也にとってなのはは大事じゃないのか?」

「そんな訳無いだろう!!」

「なら何故構わなかった!なのはには昨日会った俺だが恐らく毎日一人で公園に居たんだぞ?親子連れを見て悲しそうな、寂しそうな目でそれを眺め良い子にしなきゃと自分に言い聞かせ、寂しさを誤魔化し我侭を言う事も我慢してたんだぞ!」

「それでも!父さんが怪我をして入院している今!俺が!家族を守らないといけないんだ!!」そう叫びながら先程より早いスピードで接近し速い一撃を繰り出してくる。

俺は先程と同じように受け止める。そしてカウンターをしようと腕に力を込めるが入らない!?俺は恭也が次の攻撃を繰り出す前に後方へジャンプして逃げる。

「・・・何をした?」

「これは御神流の技の一つ「徹」と呼ばれるものだ。これは簡単に言えば衝撃を相手の内部に『徹す』技だ」

「・・・成る程」

「何だ。理解しているなら早い。次は受けれるか!?」そうしてまた突っ込んできた為逆手に小太刀を持ち替え振り抜く!中々の速さの抜き打ちが恭也に襲い掛かるが後手で出した恭也の技の方が速く重くて俺の方が少し吹き飛ばされた。

「今のは虎乱と呼ばれる技だ。しかもさっきの徹とこの虎乱は初歩の技だ」

「マジかよ・・・。お前らチートすぎだろ・・・」

「そんな事を言いつつちゃんと防いでいるお前も中々ではないか」

「家の場合はお袋がチートすぎんだよ・・・」本当に家のお袋は何でもありだからな。首に一撃決めたのにそのままカウンター入れて来るとかマジでありえねえ。

「まあ。お前の呼吸はもう読めた。ここからは悪いが一方的に行かせて貰うぞ!!」三度恭也から突っ込んで来て俺はそれを迎撃しようとする。が、「なっ!グッ!」防いだ筈の攻撃がまるですり抜けたかのように俺に当たった。

「これは貫と言う技だ。これは相手の呼吸を体に染み込ませ相手の呼吸をずらし攻撃する技だ」

「ご丁寧に説明どうもっ!」そう軽口を言い反撃するが避けられ逆にカウンターをまた受けた。くそっ!貫厄介すぎんぞ!「さて・・・。どうするか・・・」本当にやばいな、これ。

俺は先程から恭也の貫が当たりまくっているから結構ボロボロだだ。それに引き換え恭也は多少は汗はかいているがほぼ無傷。分が悪すぎるな・・・。そもそもこれは他人の事情だから俺はここまで頑張らなくて良いんじゃないのか?もう十分やったし・・・。

そんな時だった。「まー君!!頑張って!!」なのはの声が聞こえたのは。













  〜〜なのはSide in〜〜

 今私とお母さんにお姉ちゃんの前でお兄ちゃんとまー君が怖い雰囲気を出しながら睨み合っています。

「恭ちゃん!何でなのはと同い年の子と決闘なんてするの!?それにそこの子も何でヤル気満々なの!?」お姉ちゃんが叫ぶのも分かります。行き成り玄関で会ったかと思うとそのまま怖い雰囲気になって道場に来て睨み合っているから。

「美由希・・・。止めても無駄よ」

「何で!?お母さん!」どうしてなの!?お母さん!お姉ちゃんもこう言っているのに何で止めれないの!?

「だって二人の目を見ればあなたなら分かるんじゃないの?」

「目・・・?」目?何で目を見れば分かるの?それにお姉ちゃんも何で分かるの?

「確かに・・・。これじゃあ引きそうに無いね。でも!それでも危険なんだよ!だから「美由希!早く審判をしろ!」恭ちゃん!!何でこんな事するの!?話し合いで解決しようよ!」そうなの!暴力はダメなの!『話し合えば』分かる筈なの!・・・?『話し合えば』?

「無理だ!ここで引き下がれば自分の意思を曲げる事になる!それだけは出来ない!」

「こっちも同じだ。今更兄貴面するこいつを叩きのめさないと俺の気が済まないし、何よりなのはが可哀想過ぎる!それでまた悲しんでしまうなんぞ、俺が許すかよ!」

「〜〜〜!ああ、もう!!じゃあ二人とも名乗りを上げて!!」

「永全不動八門一派・御神真刀流・小太刀二刀術師範代!高町恭也!!」

「哀崎曲里。正々堂々と不意を打つ!」

私が考え事をしている内に始まるみたいなの!

「それでは、始め!!」




「凄い・・・!」その言葉しか私の口からは出ませんでした。何時の間にまー君の前に居たお兄ちゃんの攻撃を簡単に受けてその後の攻撃も全部避けてました。

そうすると一端お兄ちゃんが後ろに下がりました。

「中々やるようだな、哀崎」

「曲里で構わないぜ、高町兄貴」

「そうか、曲里。なら俺の事も恭也で構わん」

「そうかい・・・何故なのはに構わなかった?恭也にとってなのはは大事じゃないのか?」

「そんな訳無いだろう!!」

「なら何故構わなかった!なのはには昨日会った俺だが恐らく毎日一人で公園に居たんだぞ?親子連れを見て悲しそうな、寂しそうな目でそれを眺め良い子にしなきゃと自分に言い聞かせ、寂しさを誤魔化し我侭を言う事も我慢してたんだぞ!」

「それでも!父さんが怪我をして入院している今!俺が!家族を守らないといけないんだ!!」

怖い雰囲気のお兄ちゃんがそんな事を思っていたなんて知りませんでした。その事は隣にいるお母さんやお姉ちゃんも思っているようでしたが、それより驚いたのはまー君が私が思っていた事を知っていた事です。

これにはお母さんもお姉ちゃんももっと驚いたみたいで私の方に顔を向けて尋ねてきました。

「なのは。さっきあの子が言ってた事って本当なの?」お母さんがそう問いかけました。私は少し迷って言えませんでした。

するとお母さんが「・・・。後でまたちゃんと聞くわね?」と言った時にお姉ちゃんが「恭ちゃん!?何で徹なんて使っているの!?」直ぐにまー君に目を向けると何時もは冷静なまー君の顔が少し歪んでいた。


「・・・何をした?」まー君がお兄ちゃんに冷静に聞きました。お兄ちゃんは「これは御神流の技の一つ「徹」と呼ばれるものだ。これは簡単に言えば衝撃を相手の内部に『徹す』技だ」と何だか難しい事を言い

「・・・成る程」まー君は何だか納得しているみたいです。

「何だ。理解しているなら早い。次は受けれるか!?」そう言いお兄ちゃんが突っ込むとまー君が今度は先に攻撃しますがお兄ちゃんに吹き飛ばされました!

「今のは虎乱と呼ばれる技だ。しかもさっきの徹とこの虎乱は初歩の技だ」

「マジかよ・・・。お前らチートすぎだろ・・・」

「そんな事を言いつつちゃんと防いでいるお前も中々ではないか」

「家の場合はお袋がチートすぎんだよ・・・」そう言っていますがまー君の顔は段々と苦しそうな顔をしていました。

「まあ。お前の呼吸はもう読めた。ここからは悪いが一方的に行かせて貰うぞ!!」三度お兄ちゃんから突っ込んで攻撃を繰り出しまー君が防いぎまし「なっ!グッ!」何で!?今まー君はちゃんと防いだはずなのに!?

「これは貫と言う技だ。これは相手の呼吸を体に染み込ませ相手の呼吸をずらし攻撃する技だ」

「ご丁寧に説明どうもっ!」???どう言う事?「ねえお姉ちゃん。今のどう言う意味?」

「今のはね、例えばなのはが右手を出したら私が左手を出して私が右手出すとなのはが左をって何回かやるでしょ?そうすると慣れてくるよね?」

「うん。何回もやってたら慣れてくるよ」

「そうしたら行き成り私がなのはが右手を出したのに右手を出したらどうなる?」

それは「驚いちゃうの!それに折角慣れたのにまた難しくなるの」

「そう言う事だよ。慣れてきた時に少し違う動きをするんだよ。それがあれの説明、かな?」なんだかはぐらかされた気がするの。

それからまー君の方を見てみる。「さて・・・。どうするか・・・」そんな声が聞こえた。何時も冷静で自信がある声が何だか弱弱しくて辛そうな声をしていた。

その顔と声に昨日までの自分が見えちゃいました。昨日、まー君が誘ってくれるまでの寂しい思いをしていた私が。だから元気付けたくって思わず「まー君!!頑張って!!」叫んじゃいました。


  〜〜なのはSide out〜〜








「まー君!頑張って!」弱気になっていたらなのはが俺を励ます為の声援をくれた。くくっ、こりゃあ是が非でも頑張らねえとな!!

「なあ、恭也さん」

「どうした?行き成りさん付けなんてして」

「・・・次の一撃でけりをつけませんか?」はっきり言ってこんな事には乗らないだろう。

当然だ。俺は満身創痍。恭也さんは全くの無傷。普通の人ならまず乗らない。しかし「・・・良いだろう。その申し出受けて立つ」俺は恭也さんが乗ってくれるろ確信した。

理由は刃を交えたからだ。一流の剣士は刃を交えただけで相手の考えを理解できると言う。俺は未だその領域に辿り着いていないし恭也さんだってそうだろう。しかし俺達は先程言葉でもってしてある程度通じ合っている。

だから未熟な俺たちでもある程度相手の考えは読める。そして読んだ結果恭也さんは”家族を父親に代わって守る為”に多少間違えた方向に行ってしまったが根 は誠実な人だから冷静になった今多少の罪悪感が出てきた為短期でけりを付ける為の俺の申し出を受けない筈が無いと予想できた。

そしてそれは見事に命中し恭也さんはこの勝負を引き受けてくれた。・・・ここまで持ってこれたんだ。後は俺が勝つのみ!

「・・・勝たせてもらいますよ、恭也さん」

「・・・ふん。負けてやるつもりは更々無いぞ?」そして俺と恭也さんの集中が極限にまで高まる・・・。

そのまま時間が過ぎていく・・・。一分だろうか?それとも十分?それとも一時間だろうか?はたまた一秒なのかもしれない。

二人が中央にお互いの間合いの半歩外で睨み合ったまま動かない。恭也は順手に小太刀を持ち曲里は反対の逆手で小太刀を持つ。

まさに対照的な持ち手で動かない。

そして外で急に風が吹いた。それは決して強い物では無かったが二人の集中を消すのには十分すぎた。

「うおおおおおおおおおお!!」

「はああああああああああああ!!」二人同時に踏み込み鏡のように恭也が右手の小太刀から、曲里が左の小太刀から二撃放ち二人とも後方に抜け相手の背中にまた二撃を加えようとするが両方の小太刀に弾かれ恭也は右手の、曲里は左手の小太刀が手から弾かれた。

二人はそれを気にせずに本当に最後の一撃を相手に繰り出す!

恭也の繰り出すは平行世界の自分が辿り着けなかった境地。唯『斬る』事に特化した御神の技。その名も『閃』。

曲里の繰り出すは居合い。鞘の変わりに自身の掌で代用し血によって摩擦力を向上させる妙技。本当は太刀で使用する『切断』に特化した居合い術。その名も『抜刀零式・屍』。

そして二人が交差しキンッ、と甲高い音が鳴ったかと思うと恭也の木刀が中頃から切られていた。

「・・・なあ曲里」

「・・・何です、恭也さん?」

「俺の御神流・奥義之六『薙旋』を防いだ技は何て技なんだ?」

「あれですか?あれは二刀術・焔凪と言います」

「そうか・・・。この勝負お前の勝ちだ、曲里」

「・・・・・・そうです、か」そう言いながら俺は倒れこんだ。

地面にぶつかる前に恭也さんが支えてくれてなのは達が来てお姉さんが「勝者!哀崎曲里!」と言った。

俺は薄れゆく意識の中なのはに「なの・・は。言いたい事・・はちゃんと・・声に出し・・て言え・・よ」と言い残し俺の意識は閉じた。
















「・・・・・・。ここは、どこだ?」俺は確かなのはを家に送り兄である恭也さんと決闘して辛くも勝って(?)気絶したはずだ。

なのに今居るのは誰の部屋のベットだ?少なくとも家にこんな部屋は無いはずだ。

そんなことを考えていると「ああ・・・。起きたか曲里」と言われそちらを見ると頭に大きなたんこぶを作っている恭也さんがいた。

「・・・どうしたんですか?そのたんこぶ」

「まずそれを聞くのか・・・。これはな」そして説明された。

あの後倒れた俺を介抱して恭也さんのベットで寝かせ軽く恭也さんに説教があった後家族会議をしたらしい。

そこでなのはが今まで寂しかった事を家族全員に告げ桃子さん(母親の名前らしい)と美由希さん(恭也さんの妹でなのはのお姉さんらしい)が泣きなのはに抱き着きなのはもそれに釣られ泣き出してしまったらしい。

そして俺との模擬戦で目が覚めた恭也さんがなのはに寂しい思いをさせてゴメンと謝ると桃子さんと美由希さんも謝り家族の絆が深まったようだ。

その後俺の家になのはが連絡したんだがお袋がこの家まで来てとり合えず恭也さんを殴り飛ばしたらしい。・・・あの母親は。帰ったら説教だな。

で、桃子さんも謝罪しようとしたんだが、その後桃子さんとお袋の気があったらしく話が盛り上がりお話をした後俺をこの家に泊まらせ自宅に帰ったらしい。

・・・お袋。本当にオボエテオケヨ?



その頃お袋は「zzzはっ!何かまーに説教される気が・・・てかされるじゃん!やばい!・・・とり合えず明日のあたしに丸投げだ!!」とか言ってたとか。


「そうだったんですか・・・。ではこのベットは・・・」

「ああ。俺のだ。序に寝巻きも俺の古だ」

「すいませんね・・・。家の親が」

「いや良い。元々は俺のせいだからな」

「・・・ここで止めときますね。これ以上問答を繰り返すと堂々巡りになりそうなので」

「・・・本当お前頭の回転速いよな。まあ気にせず俺のベッドで寝てろ。俺は客間で寝るから」

「すいませんね恭也さん。・・・ねえ恭也さん」

「ん?何だ?」

「また今度・・・時間がある時で良いので俺と模擬戦してくれませんか?」俺は最近七夜との模擬戦だけじゃダメだと思っていた。手の内は読んでるし読まれているからここらで違う相手が欲しいのだ。

「ダメですか?」

「いや。こちらも最近修行相手が欲しいと思っていた所だったんだ」

「じゃあ」

「ああ。こちらこそ頼む。家の電話番号は知っているな?」

「はい。家のはなのはに聞けば良いので」

「ああ。分かった。では暇な時に連絡する」

「分かりました。ではおやすみなさい」

「ああ。おやすみ」そして恭也さんは部屋を出て行った。

「さて・・・。御神流を少し教えてもらうか・・・」その後俺は恭也さんの好敵手の地位を手に入れるとはこの時の俺は想像していなかった。

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