三話『輪廻転生?』
小鳥がさえずり、犬の散歩をしているのだろうか、犬の声が聞こえてくる
それに起こされるかのように目を覚ます
「ん、朝・・・え?朝?」
本来なら朝なんて来るはずもなく、見えたとしても死者の山ぐらいだろう
大方目と頭が覚め、考えを止め辺りを見回し確認する
「俺の部屋・・・でも何で?・・・ッ!?昨日の傷は!」
今日の明け方の出来事を思い出し、胸の傷を確かめるがーー
「嘘だろ・・・消えてる・・・何があった」
あれほどの大怪我の領域を超えた傷を負ったのだから、助かる筈もない。仮に助かったとしても、傷跡一つすら見あたらない
「つことは、現実なんだよな・・・でも今日、俺は死んだ・・・何が何だか分からねえ」
五感もちゃんと反応してるし、体温も通常通りだと思う
いまいちこの現状を受け止められていないが、時計を見ると7時半をまわっていた
「・・・とりあえず学校、行きますか」
制服に袖を通し、その上に薄手のパーカーを羽織る
そこまで校則は厳しくないらしいので、この格好で登校している
「カロメを持ってと・・・んじゃ、行ってきますか」
そう言い、玄関のドアを開けるが・・・
「・・・目が、目がああぁぁ!・・・なんて事はないがちょいと今日、朝の日差し強すぎでは御座いませんか?」
某ムスカさんの真似で大袈裟に言ってみたもの、太陽の日差しが珍しく少し辛い気がする
◆
「あ〜ダリ〜、何もする気が起きん・・・どうした俺の体?」
教室に着いてすぐさま机にひれ伏し、その日の殆どを睡眠に費やした
「どうした暁斗、そんなにグッタリして? 性欲でも持て余しているのか?」
そう話しかけてきたのは、松田。その隣に元浜が立っていた
「うるせえ、お前等みたいに年がら年中持て余してる奴等と俺を比べるな」
何せコイツらは、普通に教室のなかでソッチ系統のDVDや本を何の躊躇いもなく広げる奴らなのだ・・・
二人がなにやら反論しているみたいだが、この際無視
「・・・いいや、帰ろ」
変態二人の罵倒を無視し、帰路についた
◆
「安売りしてたから思わず寄って買ってきちまったが、もう夜か」
あの後帰り道を歩いていると、いつもお世話にになっているスーパーで肉やら魚やら野菜やらが安売りしていたのを発見し、買ってしまい現在に至る
「・・・しっかし、これだけ持ってもそんなに重くない・・・何故に?」
朝や昼とは打って変わって五感がいつもより冴え、力もいつもよりある気がしてならない
「家に荷物を置いてきて・・・一応確かめるために、公園に来るか・・・」
明け方に起こった出来事が、どうにも気になっていた
◇
「やっぱ何かおかしい・・・」
スーパーから家、家から公園まで走ってきたが、疲れや息切れすらしない・・・運動は結構できる方だが、普通にこの距離を走れば息切れの一つや二つは普通に出るのにな・・・
体の異変に疑問を抱きつつも、公園の周辺を見回す
「視界もおかしい、1k先まで見えるとかしゃれにならんぞ・・・」
公園には幾つか電灯が立っており、その周辺は軽々見えるのだが、明らかに灯りが届かない場所でも楽々見えてしまう
「地面に血痕はない・・・あれだけの出血量をこうも簡単に消せるものなのか?」
唯一の証拠も、跡形もなく消えていた
「はぁ、素直にソッチ側の人にでも聞けば良かったのか?・・・リアスさんとか蒼那会長とか・・・」
急な出来事が多すぎて整理が追いつかない・・・身体能力の変化、証拠の完全除去、明け方の出来事・・・何が何なのか
考えている時、その瞬間ーー
ヒュンッ!
何かが俺の頬を掠めた
飛んできた方向をみるとそこには、黒い羽を広げた男が飛んでいた
「ふむ、外したか・・・まあいい、次はこの手でしとめる」
男はそう呟くと、片手に光の槍を形成し、突っ込んでくる
「・・・チッ、次から次へとおっさんに掴まるこっちの身にもなれよっ!」
地を蹴るが、それほど力は要らなかった。地面を軽く蹴るぐらいでいつもの距離ぐらいだった
男は槍で貫こうとしたが、軽く避ける
「ふむ、瞬発力も上々・・・イケるか!」
「ガッ!?」
驚く表情に、重く膝蹴りをくらわせる
男は顔を押さえ、軽くよろめいている
「力量も上がってる・・・何なんだ」
未だ疑問を抱きながらも、気は緩めない
「くっそがああああ!!」
男は再び槍を形成し、突っ込んで来るが
「動きが単調・・・ちったあ戦い方の勉強でもしてこい」
半身でそれを避け、裏拳、腹部にストレート、アッパーカットをくらわせ、男は宙を舞い、地面に叩きつけられた
「ふむ・・・」
暁斗は自身の手を開いたり閉じたりしている
瞬発、力、視覚などの異常な発達・・・まさかな
「ぐっ!貴様ぁ・・っ!?」
「今すぐ死にたいなら殺してやる、嫌なら無抵抗で帰る・・・どちらを選ぶ」両足で腕を抑え、首を掴み手刀を喉元に突きつける
「くっ! ・・・後者だ」
男はそう答え、首と腕の拘束は解くが手刀は首に添えたままだ
「この屈辱、忘れはせん! 再び相見える(まみえる)際、この手でお前の骨すら残さず消し去ってくれよう!」
そう捨て台詞を残すと男は睨み殺すかのような顔で睨むと、羽を展開させ飛び去っていった
「三下発言ドーモ・・・・・・さて、俺の予感は大方当たっていると見て良いんですね?リアスさん」
背後の木陰に語りかけると、リアス・グレモリーが歩いてきた
「凄いわね、まさか気づかれるとはね」
「五感も異様に良くなってますし、ずっと見られてれば気づきます」
「へぇー、そう・・・」
目を少し細め、薄笑いするリアス
「今日の深夜の猫、あれも貴女の眷属の使い魔ですよね?」
「あら、何故そう思うのかしら?」
「触ったとき、僅かでしたが魔力を感じました。 可愛い猫でしたけどね」
軽く笑ってみせ、本題に入る
「それで、俺の身に起こったこと・・・本当の事を話してくれますか?」
「・・・ええ、勿論話させていただくわ。でもこの時間帯だし、明日でいいかしら?」
「分かりました、明日ですね。 ではその時に・・・」
「では明日放課後で、それではごきげんよう」
そう言うと、彼女の足元から魔方陣のようなものが現れ、地面に飲み込まれるかのように消えていった
ハッハー・・・ファンタジーって、案外体に良くないんだね・・・それより明日、予想・・・外れててほしい事を願うばかりだな
「日常から非日常へ本格的移行、か・・・これ前にも言った気が」
うん、気のせい気のせい。
改めて帰路に着き、自宅に帰った
夕食をとり、すぐに眠りにはいった・・・・・・わけもなく
「うるせえ・・・オヤジ吐くな! チャラ男うぜぇ! 猫共集まって合唱すんなああ!!」
夜なため五感の一つの聴覚が鋭くなっており、嫌でも(つか本当に嫌)外の音が聞こえてきてしまうのである
そんな暁斗の悲痛(?)な叫びもむなしく届かず、結局眠りにつけたのは午前3時だったとか
ーーー後書きーーー
只今、大幅に修正もとい改変しておりますが、疑問に思った部分、誤字脱字がありましたらコメントお願いします
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改変完了まで大幅に時間がかかりますが、出来るだけ急ぎ、改変していきたいと思ってますので、話の進行は暫くお待ちいただければと思います