小説『ハイスクールD×D 修羅を宿す者再び』
作者:風薙()

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        五話『盗んだヘリで走り出す〜♪』


「こんばんわ〜不幸じゃなくて、深夜配達の手紙で〜す」

俺は深夜にも関わらず、配達をしている。端から見れば労働基本法とかに反しそうなのだが、企業じゃないから関係ない

「しっかし、朝に寝て夜に起きるってどこのフクロウなのやら」

ちなみに配っているのは、大量のチラシで『あなたの願い叶えます!』と、いかにも胡散臭いものだか、実際に叶うんですね〜 等価交換だけど

「え〜と次は・・・隣町ぃ!?」

※近所迷惑となりますので、静かにしましょう

「電柱やら屋根やらを伝って行った方が早いな」

近くにあった電柱に飛び乗り、もう一本の電柱や屋根に乗って隣町まで、最短距離で向かって行った



「うぬぅ・・・今日も行かねば・・・んんっ・・・」

眠気眼を擦り、体をほぐすために背伸びや肩を回したりする

ちなみに悪魔の弱点は光らしいのだが、太陽の光は慣れれば平気らしいが・・・いつぐらいで慣れるのでしょうか?
話を戻すが、強い光・・・つまり堕天使の光の槍を喰らうと、結構ヤヴァイらしくまともに喰らうと、とりあえず大ダメージらしい

未だ眠気と気だるさを感じながら、部室に向かう


「只今来ました」

そう言い、部屋に入ると俺以外揃っていた

「やっと来たわね」

部長(リアス先輩が、そう呼べと仰ったので)が俺が来たのを確認すると朱乃さんに何やら指示を出し、朱乃さんによばれた

「はい、部長。 暁斗君、魔法陣の中央に来て下さい」

俺は言われた通りに中央に向かったが、一つ疑問が浮かんだ

「部長、チラシ配りは終わりですか?」

昨日までななら部室に来るとチラシ配りに出かけていた。

「チラシ配りは今日でおしまいよ」

「ほぅ、ということは?」

「本格的に悪魔として活動してもらうわ」

「契約取りに参加ってことすか?」

「ええ、まず手始めに、小猫に依頼が二件きてしまったのよ」

「そして俺は、その内の一件を引き受けると?」

「ええ、そうよ」

「よろしくお願いします」

ペコリ と軽く頭を下げる小猫

「・・・ところで部長、契約者って当たり外れあるんですか?」

「う〜ん、希にある程度だから、そんなに気にしなくても大丈夫よ」

希に・・・ですか。 最初の契約取り、当たりであってほしいな・・・

ふと周りを見れば、他の部員は魔法陣の外に出ている。魔法陣の中央にいる朱乃さんが何やら詠唱していた

「えっと・・・何を?」

「朱乃は、今あなたの刻印を魔法陣に読み込ませている・・・って、どこ行くのアキト!」

「あ〜、説明し忘れでしたね。 俺、魔力量0っすから」

その言葉を聞いた部長は唖然とし、朱乃さんは詠唱を止め、キョトン とした表情でこちらを向き、木場と小猫は、信じられない と言わんばかりの目で見てきた・・・ま、それが普通の反応ですわな

「え〜と、理由は、俺が修羅ってことは話しましたね?」

「え、ええ」

部長の顔が僅かだがひきつっている気がした

「修羅は生まれながらなのかは知りませんが、魔力が0・・・そのかわりに「覇気」と言う物が使えます。
と言っても覇気と魔力は性質が違うだけで大方同じだと思うので、物は試しで・・・朱乃さん、二度手間かもしれませんが詠唱お願いできますかね?」

「えぇ、分かりましたわ」

朱乃さんは笑顔でそう言い、再び詠唱に取り掛かった
元浜達が言っていた事が今なら分かる気がする

「アキト、手のひらをこちらに出してちょうだい」

言われるままに手を出すと、部長が俺の手のひらに指で魔法陣らしき形をなぞっていく。
その後、契約に関しての説明、ついでに魔法陣の説明を受けた

「それでは、準備はいいわね?」

「オッケーです。まぁ、外れを引かない事を祈るだけですね」

「それに関してはそうするしかないわ・・・じゃあ、行ってきなさい!」

部長の声が発せられると同時に魔法陣が光だし、跡形も無く消えるように、瞬間移動をした



光が消え、周りを見渡すとそこは部室ではなく、どこかの一室だった

「・・・き、君は誰だい?」

声が聞こえた方向を向くと、そこには痩せ型の男がいた

「お初にお目にかかります。 自分、グレモリー様の下僕、龍ヶ崎 暁斗と申します。この度はグレモリー様の眷属の一人、塔城小猫の都合上、代わりとして参上致しました」

とりあえず部長からは、失礼の無いように と言われたが、ちょっとやりすぎたかな?

「・・・チェンジ」

「それは困りますよ」

前言撤回、どうやら人の親切を受け入れないヤツらしい

「僕、かわいい系のお願いを契約チラシに願ったんだけど・・・」

「まぁ、かわいい新人悪魔ってことで、そこは一つ許してはくれませんかね?」

「・・・ムリ、チェンジで」

「あれー、こんな所にRPG-7がー」

「依頼者に脅迫とか、あんた何者だよ!?」

「・・・あくまでも執事ですから」

「いや絶対執事じゃないでしょ!? でも原作面白いよね!」

ぬ、この人とは気が合いそうだが現在仕事上なので、語り合いたい気を抑える

「とりあえずお名前を「森沢だ」 森沢さんは小猫に何を頼みたかったんですか?」

「これを着てもらおうと思って」

分からんが、どこかの女子高生の制服だ

「これは亀屋さんの制服だよ」

あぁ、元浜達が何か言ってたな。

「しかし、小猫が着るにしても・・・少し大きくないか?」

小猫には大変失礼だが、背丈や、その・・・夢が詰まっている部分が足りない気が・・・・・・小猫、後でお菓子持っていくから許して・・・

「そこは、小猫ちゃんが気にしながらも着ているのがいいんじゃないか!・・・だからこそ、これを着てほしかったんだよッッ!!」

小猫、こっちを受けなくて良かったな・・・この依頼者はドの付く程の変態だ
しかしあれだ・・・こうなると可哀想に思えてくるな・・・しゃーねぇ、一肌脱いでやりますか!

「・・・分かりました、その制服・・・俺が着ましょう!」

「殺すぞ!・・・・・ふむ、案外イケるかもしれん・・・よし、着てみてくれ」

前言撤回、脱がなきゃよかった



渋々制服を受け取り脱衣所を借り、出来れば一生着たくなかった女子の制服に袖を通した

「でーきまーしたー」

脱衣所を抜け、黒のヘアゴムを外して森沢さんの元へ向かった

「どうでございやしょうか」

「・・・」

森沢さんは呆気に取られているのか、返事が無い

「おーい、聞こえてますかー」

目の前で手を振ると、急に正座になり土下座をし始めた

「一生のお願いが二つある」

一生のお願いって、お願い一個じゃなかったっけ?

「まず一つ、写真を撮らせてくれ」

「はあ、まあいいですけど」

森沢さんは俺の返答を聞くと、素早い動きでカメラを取りに行き、撮り始めた

              〜5分後〜

「・・・うん、今までで最高の物が撮れたよ。ありがとう」

ただ突っ立っているのも味気ないので、テキトーにポーズをとったら、シャッターを押す速度が上がって驚いた

「最後のお願いですね、なんですか?」

「ああ・・・頼む、お姫様抱っこしてくれ!」

「なあ森沢さんよ、それは男としてどうかと思うが・・・」

普通は女性が抱えられ、男性が抱える物なのだが・・・どうやら世界は広いらしい

「頼む、この通りだ!」

「ああもう! 分かった、やりますから早くして下さい!」

土下座をし始め、段々面倒になってきたので自棄になりながらも、森沢さんを抱える

「・・・感無量だ」

今更だが、こんなことで悪魔を呼んでいいのだろうか・・・?
初めての契約仕事は成功と呼んでいいのか、不安に思った



「只今帰りました」

部室に戻ると部長と朱乃さんだけで、木場と小猫は帰ったらしい

「お帰りなさい。で、契約の方はどうだったの?」

「まぁ、失敗はしていません。 あ、あとこれ、お礼が云々だとかそうで」

ある一枚の色紙をテーブルに置いた

「あら、これは?」

「え〜と、確か、とあるイラストレーターが限定一名に非公開の絵を描いた色紙らしいです。オークションに出せば5か6桁は行くとかなんとか」

詳しくは知らんが取りあえず、お宝ゲット

「あふ・・・遅くまで俺を待っていてくれたんですよね? 有り難う御座いました。」

軽く欠伸をし、体を伸ばし、部室を出た



「・・・まったく、あの子には叶わないわね」

「ええ、もしかしたらサーゼクス様を越える子になるかもしれませんわね」

暁斗の事を待っていたのは、本当だった。 別に私一人でもよかったんだけど、朱乃も残ると言い、二人で待っていた

「・・・あれ? 何か落ちていますわ」

朱乃が扉の近くで、何かを見つけたらしい

「朱乃、何を見つけたの?」

私も気になり、朱乃の側に駆け寄る

「・・・これ、誰でしょう?」

「・・・分からないわ、見たことのない制服だし」

見つけたのは、一枚の女子生徒の写真
赤みかがった黒のロングで、青のスカートと白を基調とした制服・・・どう見てもうちの学校ではない

「明日、聞いてみましょうか」

「ええ、今日はもう遅いしね」

次の日、あの写真がアキトがコスプレを頼まれた写真だと聞いた時は、驚いた
ちょっと、女としての自信が失せかけたしね・・・

-6-
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