小説『ハイスクールD×D 修羅を宿す者再び』
作者:風薙()

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               七話『はぐれ討伐開始〜♪』


アーシアと合ったその夜、部長に説教を受けた。なんでも、今回のシスターへの道案内は運が良かったのだろう・・・厚意を素直に受け止めてくれた天使さんが、光の槍を投擲しないでいてくれた・・・らしいが、いつも監視されているらしいので、光の槍の雨が降ってくるかも分からないらしい。

二つ目に忠告されたのは、教会の協力者に関わるな だそうで。
そこにーー

「あらあら、お説教は済みました?」

「おおぅ」

気配もなく俺の背後に朱乃さんが立っていた。いつもの笑顔で

「朱乃、どうかしたの?」

部長の問いに朱乃さんは少しだが表情を曇らせた

「討伐の依頼が大公から届きました」



はぐれ悪魔、それは主を裏切り、または主を殺して主なしとなる事件が希に起こるようだ。
悪魔の力は人間と比べると、天と地の差である
要するに、「リアス・グレモリーの活動領域内に逃げ込んだから、危険だから始末しといてちょ」 と言うわけである

時間は深夜、灯り一つとない漆黒の世界・・・悪魔なので、周囲には木が生い茂り、遠目で廃屋となっている建物が見える

「・・・血の臭い」

小猫はそう呟き、制服の裾で鼻を覆った
血の臭い? んなもん嗅ぎなれた・・・とっくの前にな

「・・・敵、約二時の方向・・・敵との距離、約数メートル」

気配で敵の大体の位置を確認する。 幾らか前に出来るようになった

「アキト、いい機会だから悪魔としての戦いを経験しなさい」

「無論、と言いますか、それも含めて俺を連れてきたんでございましょ?」

「・・・何で最近の子は、妙に鋭いのかしら・・・?」

いやいや、悪魔でも執事ですから

「そういえばアキト、下僕、駒の特性、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の説明は理解出来てるの?」

「ええ、少し前にちょっとした知り合いに教わりまして」

つかアイツ、近々こっちに来る みたいな事言ってたげど、本当じゃないだろうな・・・ッ!?

すぐさま思考を変え、敵意や殺意を感じた方向を睨みつける

「不味そうな臭いがするぞ? でも美味そうな臭いもするぞ? 甘いのかな? 苦いのかな?」

そう姿を現したのは上半身は女性の裸体、下半身は化け物としか言いようのない姿をしたはぐれ悪魔だった
下半身には四本の太い足を生やしており、両手に槍らしき獲物を持っている。爪も鋭く、尾は独立して動いていた

「はぐれ悪魔バイザー、あなたを消滅しに来たわ」

・・・俺もはぐれになると、あんなんに成っちまうのかな〜?

「主の元を逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れるまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」

「こざかしいぃぃぃ! 小娘ごときがあぁぁぁ! その紅の髪のように、お前の身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁ!」

・・・どーして俺の周りには、こういう三下発言をする輩が多いんでしょうねぇ?

「雑魚ほど洒落のきいたセリフを吐くものね。 祐斗!」

「はい!」

近くにいた木場が部長の命を受け、飛び出す。おぉ〜、結構速いねぇ

「まぁ、復習も兼ねて説明するわよ」

さあ、みんな集まって〜ちびmゲフン! リアス先生の授業が始まるよ〜

「祐斗の役割は『騎士』(ナイト)、特性はスピード。『騎士』となった者は速度が増すの」

部長の言葉を聞きながら木場の様子を見ていたが、徐々に速度を増していき、ギリギリ目で追えるか追えないぐらいの速さになっていた
バイザーも槍を振り、攻撃するが全くと言って良い程、当たっていない

「そして、祐斗の最大の武器は剣」

木場は一度足を止め、西洋剣らしき物を握っていた。 そしてそれを鞘から抜き放つ。銀色の閃光を放ちながら、長剣が抜き身となっていた
フッ とその場から消えた木場・・・次の瞬間、バイザーの悲鳴が木霊した

「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!」

バイザーの両腕が槍と共に胴体と別れていた・・・そして血が噴水の様に勢いよく吹き出す

「これが木場の力ですか」

「ええ、目で捉えられない速力と達人級の剣捌き。この二つが合わさることで、あの子は最速のナイトとなれるの」

木場には少し劣るが、アイツもなかなかの速さだったな〜

悲鳴をあげている最中、その足下にいる小猫を発見した

「小虫めぇぇぇぇ!」

バイザーは大きな足を上げ、小猫を踏みつぶす・・・はずたった

「小猫。あの子は『戦車』(ルーク)の特性はーー」

小猫は、大きな足を少しずつ持ち上げている

「『戦車』の特性はシンプル。バカげた力。そして、屈強なまでの防御力。 無駄よ、あんな悪魔の踏みつけぐらいでは小猫は沈まない」

グンッ! と完全に足を持ち上げ、退かす小猫

「・・・ふっ飛べ」

小猫は軽くジャンプをし、バイザーのどてっ腹に拳を打ち込んだ

ドォンッ!

重い一撃を喰らったバイザーは後方へ吹っ飛んでいった
うん、見た目で判断しちゃいけないね

「最後に朱乃ね」

「はい、部長。あらあら、どうしようかしら」

朱乃さんがうふふと笑いながら、倒れ込んでいるバイザーの元に歩いて行った

ピクリ・・・

その時、木場が切り落とした一本の腕が動いたと思うと、意思を持ったかのように動きだし、部長に襲い掛かった

「ッ!? 部長!!」

木場がそれに気づき、剣を手にかけた。がーー

グシャッ!

手に覇気を纏わせ、手刀の形で腕を切り、手のひらを貫いた

フッ と下に向けて、手を払うと微動だにしなくなった腕だった物と一緒に血が飛び散る

「へ〜、悪魔の腕って切り落とされても動くもんなんすね〜」

手の血を払いながら言う

「ま、取り合えず念のためと言う形で」

落ちている腕を拾いーー

「えいっ」

軽い声で、粉々に握りつぶした
肉片やどこかの部位が血と共に飛び散る

「部長、怪我はありませんか?」

俺がそう問いかけると、思い出したような反応をし

「え、えぇ、大丈夫よ」

と、何処か戸惑っているような返事をした

(あの反応速度・・・下手をしたら僕より速い・・・)

(・・・手刀であそこまで・・・それと、覇気は興味あります)

「ん、どったの二人とも?」

「いや、何でもないよ。ありがとう、部長を守ってくれて」

木場はいつものスマイルで返してくる

「・・・ありがとうごさいます」

小猫はいつも通りの感じで返してくる

「褒められることじゃねーよ。当たり前の事をしたまでだ」

「朱乃」

部長が朱乃さんに珍しく、低い声色で声を掛ける

「はい、部長・・・あらあら、部長に手を出した愚か者さんにはお仕置きを受けていただきませんと」

朱乃さん・・・何故、そんな不気味な笑顔をしながら歩み寄って行くのでございましょうか・・・?

「朱乃は『女王』(クイーン)、私の次に強い最強の者。『兵士』(ポーン)、『騎士』(ナイト)、『僧侶』(ビショップ)、『戦車』(ルーク)、全ての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」

その刹那、カッ! と空が光を放ち、バイザーに雷が落ちた

「ガッガガガガガガガッッ!」

(化け物が) 上手に焼けました〜♪

・・・魔力使えるようになりてえぇぇ!!

「あらあら。まだ元気そうね? まだまだいけそうですわね」

そして再び、雷がバイザーに向かって放たれる

「ギャァァァァッァァ!」

その後朱乃さんは何度も雷を相手に浴びせ、恍惚の笑みを浮かべていた

くわばらくわばら っと・・・

「・・・あのー部長、朱乃さんって、もしかして・・・」

「えぇ、彼女は究極のSよ」

Sとかに究極なんてあるの!? つか、大体の予想は出来てたけど・・・

「つまり朱乃さんは、魔術を中心とした戦いをするんですね?」

「そのとおり」

そして朱乃さんが雷を数え切れないほど放った後、地面に倒れているバイザーに歩み寄っていった

「最後に言い残す事はあるかしら?」

部長の問いにバイザーは・・・

「殺せ・・・」

「そう。なら消し飛びなさい」

部長が手のひらを翳すと、大きなドス黒い物体のような物をつくりだし、それを相手に向かって放った。
するとバイザーは、塵一つ残さず消滅した
こうして、はぐれ悪魔討伐は幕を閉じた

「終わったわね。皆、ご苦労様」

うん、特に何もやってないけど、眠い・・・

「まぁ、俺は『兵士』(ポーン)と言うことっすね・・・すいませんが先、失礼します・・・ふぁ」

軽く欠伸をしながら部員たちに背を向け、帰路についた




           〜後書き的な何か〜

この後のレイナーレ戦が微妙で、合宿を飛び、ライザー戦の事が先に出来てたりしたりします(苦笑)
原作と比べるとTV番は「え・・・ドウシタラソウナルノ?」と言うぐらいでしたし、焼き鳥嫌いなんですよ・・・あ、ライザーの方ですよ? 食べる方は好きです。

あ、以前にアンケートを取ったアッチ方面は後に書くので、心配しなくても大丈夫ですよ?

オリキャラ二人目をいつ出すか迷走中(汗)

-8-
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