7.5話『転校生? へぇ〜・・・え?』
「うむ、今日も絶好の昼寝日和だな」
「それ教室来る度に言ってるだろ?」
何を言うかこのハゲは・・・。 丁度良い所に暖かい日差しが当たる・・・これを寝ずとしてなんとする!
それに昨晩のことがあって、睡眠時間が多いとは言えなかったからな
そこに・・・
「おい暁斗。今日、日直だろ? 号令頼む」
これからって時に、担任の教師が教室に入って来た
今日だっけ? まあいい、号令だけだし
「起立、礼、着席! お休みなさい」
「はい、お休みなさい。 え〜と、今日は・・・」
担任はいつものことのように返した。いつもありがとね
「・・・以上だ。あ、それと今日転校生が来ている・・・入ってきていいぞ」
思い出したように言い、転校生とやらを呼ぶ
「失礼する」
ガラッ とドアを開け、凛とした雰囲気で入ってくる
その姿は暁斗を除いたクラス中の男女が見ほれていた
「神室祇 緋奈鞠だ。 特にこれと言った趣味は無いが、よろしく頼む」
軽くだが、頭を下げた
「これでHRを終わる」
担任はそう言い教室から出ていった
「いきなりですまないが・・・そこの女子生徒」
「ひ、ひゃい!///」
「あぁ、驚かせてしまったのは詫びる。 ところでこのクラスに、龍ヶ崎 暁斗と言う男は居るか?」
「は、はい。あそこに」
女子生徒が指さした方向には、机にひれ伏っしている暁斗の姿があった
緋奈鞠は女子生徒に礼を言い、ツカツカと暁斗の元へと向かって行っていた
「そこの男子生徒、起きろ」
「・・・はい、なんでこざいまムグッ!?!?」
誰かに呼ばれ、顔を上げた瞬間ーー襟を掴まれ、美少女の顔がそこにあった
(いい香り・・・綺麗だなぁ。口に柔らかい物が・・・)
思考がぼやけているのか、状況が把握出来ない
(ん、柔らかい?・・・why? kiss? tis kiss?・・・ハァァァ!?キスゥゥゥ!?)
ようやく思考が通常通りに戻り、今起こっている事に驚いた
「ん・・・はんっ・・・んむ、はぁ・・・」
そんな事を考えている間に緋奈鞠は軽いキスではなくなり、舌を絡ませるキスに変わっていた
気付いたときにはもう遅く抵抗すら出来ず、ひたすらキスされ続けた
「んふっ・・・んはぁ・・・」
やっと口を離して見えた顔は、どこか見覚えのある顔だった
「・・・緋奈鞠か?」
「・・・やっと君に会えたぞ」
それは以前俺に悪魔や天使、堕天使と修羅、それと駒などの説明をしてくれたいわば、先生兼仲間だった人・・・神室祇 緋奈鞠だった
先程の光景、つまり強制的キスを見た男子は殺しそうな勢いで睨んでくるし、女子は頬を染める者や気絶しているなど、多数見られた
「・・・って、何してくれてんじゃボケェェ!!」
とてつもなく恥ずかしくなった俺は緋奈鞠の腕を掴み、教室を出て人気の少ない旧校舎へと向かった
◆
「ハァ・・ハァ・・・ここまで来れば大丈夫だろう・・・」
空き教室が幾つかあったので、その一つに居る
「そのだな・・・さっきのは、ついと言うか、何と言うか・・・すまんかった」
「へ?」
いきなり何を言うと思えば、謝られた。
「その、久しぶりに君に会えたのが嬉しくてだな・・・つい、な・・・」
緋奈鞠にしては珍しく、シュン とした態度で謝罪をしてくる・・・どうした?
「・・・まぁ驚いたし、クラスの立場がいくらか減った気がするが・・・つか、ファーストだったんだぞ・・・ドアホ」
「・・・そうか、なら大切にしないとな///」
・・・なんだろ、緋奈鞠がこうだと気が狂うような感じがするんだが
「・・・よし、今日は放課後までサボるか。暁斗はどうする?」
「転校初日でそれはヤバいんじゃねえの?」
俺は心配してそう言うが、本人が大丈夫と言ってきたので・・・サボります!
◆
時は流れ、放課後〜
「では、私達オカルト研究部は神室祇 緋奈鞠を歓迎します」
いつの間にか、こうなりました
「修羅に騎士がもう一人・・・いい調子ね!」
部長さんも何やらテンション少しだけ上がってるし
「これからは君と一緒だな・・・」
そう言い、背中に覆い被さってきた
フニュ と擬音を放ちそうなものが背中にくっつけられている
『・・・・・・(ジーー)』
ッ!? 後ろから三つの殺気!・・・まさーか、部長と朱乃さん、小猫だったりしないよね・・・・
チラッ と横目で見てみるが、バッチリ当たってました(泣)
「ハハハハッ・・・」
木場に限っては苦笑いだし・・・
「不幸ぉだぁぁぁぁーー!!」