小説『DOG DAYS 勇者って私女の子なんですけど・・・』
作者:rockless()

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次の日、滞在5日目

あまり量を飲んでいなかったので二日酔いもなく、いつもどおり目が覚める・・・体調面は

「Zzzz・・・」

「ベール、起きるか私を放して・・・」

朝、目が覚めた私は酔ってさらに寝ぼけたベールに抱き枕にされていた
右手を私の頭に添え、自身の立派なお胸に抱き寄せ、左手は私の背中に回されている
親衛隊として訓練を受けている彼女に私が力で対抗できるわけも無く、抜け出せない

顔を横に向けれているので何とか窒息しないで済んでいるが、この胸の感触・・・幸せとも屈辱とも感じてなんとも複雑だ・・・ガウル様にやってあげればいいのに・・・

仕方ないので、ベールの心音に耳を傾けながら、私は二度寝をするのだった





「ミサ・・・ミサ・・・」

体を揺すられ、自分を呼ぶ声に私は再び目覚める

「おはよう、ミサ」

「おはよう、ノワール」

私を起こしていたノワールと挨拶を交わす

「と言ってももう昼だけど、それより・・・」

「ミサ〜起きたなら退いて〜」

私に抱きついて寝ていたベールの声、どうやら向きが変わって私はベールの上で寝ていたようだ

「あ、ごめん」

「ふぅ・・・重かったぁ・・・」

「え?私そんな重く無い・・・はず・・・」

フロニャルドに来て体重計に乗って無いからわからないけど・・・

「重い私を掛け布団にしてよく眠れましたか?私は立派なお胸を枕にできて幸せでした、よっ!」

私は右手でベールの胸を掴む

「ひゃう!ミ、ミサ・・・だめ・・・(///)」

遊び感覚で胸を揉む
女同士だから無問題

「重いって言ったお返しです。女同士でもそれは禁句ですよ〜」

「ゴメン〜」

謝罪の言葉が出たので手を放す

「ハァハァ・・・ふぅ〜」

「にしてもベールの胸は・・・はぁ〜」

息を乱しているベールを余所に、私は右手でベールの胸の大きさを再現し、自分の胸に当ててため息をつく

どうやったらそこまで大きく・・・同い年のはずなのに・・・

「ガウ様?顔赤いですよ?熱でもあるんやないですか?」

「いや、別に・・・大丈夫だ・・・」

フロニャルドの1国の王子でも13歳は13歳か・・・





「よし、次の都市に向かう準備はこんなもんか」

町に出て、明日の移動中に食べれるような軽い食料などを買う

明日は朝早く出て、1日かけて次の都市に向かうらしい
途中で宿を取るような距離でもないし、ゆっくり向かったところで小さな農村があるくらいで宿屋も無い
なので朝食と昼食を用意してセルクルの休憩を取るときに私達のご飯を食べる。そういう移動になるとのこと

そしてこの視察旅行での1番大変な日になるらしい

「ま、次の都市は海に面してるから豊富な魚介類や貿易で手に入る世界中の食材とかあってメシは上手い。急ぐ価値はあるぜ」

ガウル様やジェノワーズは次の都市の食事にを想像している

なるほど、猫だから魚介類には目が無いか・・・ウサギっぽいベールもなにか好物が貿易で取引されてるんだろう・・・

何があるのかな・・・日本人の私としては白飯に期待だけど、望み薄かなぁ・・・
ガレットって欧米っぽい感じのパン食だし・・・





次の日、朝
目覚めて朝食も取らずに宿を出て町の入り口にセルクルを受け取りに行く
セルクルは早起きなので私達が受け取りに行った頃にはもう起きていてエサをつついていた

「またよろしくね」

「くぁ」

手綱を引いて鳥舎からセルクルを連れて行く
ガウル様が業者に5羽分の預かり料を払い、さらに少しだけセルクルのエサを買っていた
預かり所を出て、朝の人のいない街中を通り東側の出口から出発した





出発から2時間、歩くセルクルの上で朝食を取り、取り終わると少しペースを上げて進む

「あまり道がよくないですね・・・」

「時期的なものもあるが確かにこれは・・・」

凹凸が目立つ道を進みながらノワールとガウル様が話す
土の道なので雨や雪、行き交うセルクルや騎車(馬車のようなもの)によって多少凹凸が出てくる
石を敷いたりするとそれも減るのだが、そうするとセルクルの足の裏の皮膚が削れて怪我をするらしい
馬でいう鉄蹄のようなものが無いセルクルは硬い所を歩く対策ができないので、街道はどこも土の道のままなのだとノワールが説明してくれた

「戦興行の参加費は領主や元老院のような公務に就く人の給料、砦などの戦の設備の建設や整備、あとは病院や学院とかに主に分配されて、こういう街道の整備には余り回らねぇ。だから、こうやって回って道の状態を見て、必要かどうかを判断する。まぁ今回はミサがバレそうだから逃げるためってのもあったんだが・・・」

ガウル様が苦笑い交じりに説明する
資金集めのために参加型エンターテイメントで戦興行が行われているのか

「予めここみたいにダメだってわかってたら優先的に資金を回せるからな。民がいちいち城まで陳情に来るようじゃ国としてダメなんだ。最近、姉上は何か忙しくてこういうところに気が回ってない。前から戦は好きだったが最近はちょっとな・・・」

悩むような真剣な表情で説明を続ける

「そやなぁ・・・ここ1ヶ月は戦やってても楽しく無さそうやしなぁ・・・」

「ミルヒ姫様が領主になった辺りから少し兆候があった」

「そうですねぇ・・・初めは領主になったばかりのミルヒ姫様にアドバイスをしてるのかと思ったんですけど・・・」

「それが急にあの態度だもんなぁ・・・」

4人がそれそれに語る

「えっとミルヒ様とは・・・?」

「ガレットの北西にあるビスコッティの現領主、ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティ姫様。最近領主になってな・・・昔は姉上とも仲がよかったんだが・・・」

「それこそ本当の姉妹のようにね・・・」

それが急に仲違い、か・・・





お昼になったのでセルクルの休憩を兼ねた昼食をとることに

「えっと、ミルヒオーレ姫様って城にある絵画にレオ閣下と並んで描かれている・・・?」

「あぁ」

あの可愛らしい外見の犬耳の少女が領主・・・王族ってすごいなぁ・・・

「レオ閣下と言い、まだお若いのに1国を背負うなんて凄いですね・・・」

「まぁガレットは王制だけど、ビスコッティは共和制だからな。姫様とか領主っても政治は議会や元老院がやるし。だから姫様は国民の代表として、外交を行うのが主な仕事だな」

それでも充分凄いと思うけど・・・
日本でいう天皇のような仕事をやってるんだから・・・

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