小説『DOG DAYS 勇者って私女の子なんですけど・・・』
作者:rockless()

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ゴドウィン将軍とダルキアン卿の武器が激しく火花を散らす

「ダルキアン卿!ビスコッティ親衛隊長エクレール・マルティノッジです。我々は姫様救出のため、奥に進みます!」

花火や2人の勝負に呆気に取られている兵達を掻い潜り、親衛隊長とイズミ君が駆けつけたセルクルに乗って先に進む

ここで打つか・・・いや、いいや・・・勇者はいろいろな理由で打てないし、親衛隊長はジェノワーズがやるだろうし・・・ダルキアン卿に関してはやるだけ無駄か・・・

参入するか考えていると何かが空へ高く飛び上がるのが見えた

「なっ・・・」

その何かは人のようで、袋いっぱいの爆弾のようなものを空中でばら撒いた
私は慌てて銃を構えて狙いをつける

「リコ&ユッキー式紋章術」

2つ紋章が起動したのが見える・・・2人か

こっちはもう紋章も起動済みで輝力も充填完了している
マントを着ていると右手の紋章を隠せるから隠れて打つのにはいいね・・・さらに夜間の戦闘だからそれが活きるし・・・

「繚乱大百・・・」

「さ・せ・ま・せ・ん」

バァン

私は空中にばら撒かれた爆弾に向かって打った

ズドドドドドドドーン

弾が当たった衝撃で爆弾が起爆、さらに周りの爆弾に次々と誘爆していった

指針その2、状況を利用しろ
指針その3、不意打ち上等
指針その4、チャンスは逃さず

爆風にもみくちゃにされた2人が下着姿で落ちてきた
その光景に同じ女として罪悪感が湧く

「まぁそれでも怪我しないだけ羨ましい、かな・・・」

私は異世界人だから服がダメージを肩代わりしてくれるわけじゃないし・・・

そう考えながら私は屋根の上を移動する
1回打った場所に留まるのは危険だから

「よいしょっと!」

少し移動するとジョーヌの声が聞こえてくる

「ノワ!」

「了解」

屋根の上から砦の裏庭を見るとジェノワーズが親衛隊長と戦っていた

こっちもいただくか・・・

そう思い私は銃を構える

「ベール」

「はぁーい」

ベールの輝力が込められた矢が親衛隊長に向かって飛んでいく
親衛隊長はそれを2本の短剣で防ぐ

私は彼女の背後、彼女は矢を止めるのに必死になっている

「もらい・・・」

私はニヤリと笑って、親衛隊長を打った

「ガッ?!」

ビリビリ・・・

弾は親衛隊長の背中に当たり、親衛隊長の服が破けた

「いい所取りしてゴメンねー!」

「なんの。ナイスやでーミサー!」

獲物を取ったことを謝るとジョーヌが手を振りながら応えた

「にしても綺麗に破けましたねぇ・・・」

「降参する?」

ベールとノワールが下着姿になった親衛隊長に向かって言う

「なっな・・・(///)」

親衛隊長は腕で胸を隠しながら顔を真っ赤にしている

さて、砦正面の戦いはどうなってるかな・・・

私はまた移動をし始める





「うーん・・・あとはイズミ君とダルキアン卿か・・・どっちも無理そうだな・・・」

砦正面のゴドウィン将軍とダルキアン卿の戦いを見ながらそう呟く
空中で仕留めた2人も親衛隊長も下着姿ではどうしようもないようで降参している

流石に1対1の邪魔するほど不粋なことはできないし・・・

なんて考えていると・・・

「城門!開けぇぇぇぇいっ!!」

遠くから声が聞こえてくる
それに応えて、城門の開閉をする人が慌てて門を開いた
ガレットの援軍かな?

「レオ閣下?しかも1人・・・?」

私は門から入ってくる人を見る
門から入ってきたのはレオ閣下、しかも1人

「閣下っ!」

ゴドウィン将軍はすぐさまレオ閣下に向かってひざまずく

「これはレオ姫。ご無沙汰でござる」

ダルキアン卿は刀を肩に担ぐようにして、レオ閣下にお辞儀をする

「久しいの、ダルキアン卿。じゃが、姫と呼ぶな。今は領主じゃ」

「これは失礼を」

レオ閣下の言葉にダルキアン卿は再び頭を下げる

「か、閣下。これはそのぉ・・・」

セルクルから降りるレオ閣下にゴドウィン将軍が何か悪い事をしているような感じで口篭る

ん?この戦なにかまずいの?

「そこをどけ、ダルキアン。ワシはガウルに話がある」

ゴドウィン将軍を無視してレオ閣下はダルキアン卿に話しかける

あれ・・・?本当に何かまずいの?

「申し訳ございません。ここは戦場。そして、拙者は若者たちの殿を務めておりますれば・・・」

「推して通れと?」

「御意」

紋章を起動、輝力を放出し始めるレオ閣下

「ワシを以前のワシと思うなよ。もはや、キサマが相手でも引けを取らぬ!」

「お相手仕るでござる」

ダルキアン卿も紋章を起動、輝力を出し始め、刀を構えた
2人は同時に飛び出し、少しの鍔競り合いの後、押し負けたダルキアン卿は壁に叩きつけられ、ダルキアン卿は白旗を上げた

うわぁ・・・なんか凄いことになってる・・・

ダルキアン卿を倒したレオ閣下はゴドウィン将軍を連れて砦の奥に入っていく・・・

道から考えてまず裏庭かな?

私は屋根の上を歩いて裏庭が見えるところに先回りする

「また脱がされてもうたな・・・エ・ク・レ」

「くっ・・・こんなバカどもに負けてしまうなんて・・・」

ジョーヌが哀れむような表情で親衛隊長に声をかけていた

「そのバカに負けたエクレはもっとバカ」

「ですぅ」

3人で親衛隊長をからかっている様子・・・親衛隊長カワイソ・・・引ん剥いた私が言えた義理じゃないけど・・・

「キサマらぁ!そこで何を遊んでおるかーっ!」

そこへレオ閣下が怒鳴り声と共に参上

うわぁ・・・なんでか知らないけどかなり怒ってる・・・

レオ閣下はジェノワーズにそれぞれ拳骨を喰らわせ、ジェノワーズは頭に大きなたんこぶを作って気絶した

まずいよ・・・あれ喰らったら私死ぬよね・・・

っていうかジェノワーズが気絶したってことは、私はどうやってここから降りれば・・・?

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