小説『DOG DAYS 勇者って私女の子なんですけど・・・』
作者:rockless()

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『こちら、スリーズ砦ルートのフランです。先ほど、ガウル殿下の隊がルートを抜けて行かれました。ガウル殿下にしては珍しい敵陣後方への進撃です!』

親衛隊長を脱がした後、輝力弾を用いて襲い掛かるビスコッティ兵を獣玉にしながらチャパル湖沼地帯を突破、スリーズ砦に向かうルートの戦闘禁止エリアに入った

「ミサはいきなり大量ポイント取ったなぁ」

「今のところこれが唯一の稼ぎですからね。チャンスは逃しませんよ」

ジョーヌの言葉に私はそう返す
勇者は生活の保障はされているけど、給料は出ない。お金に困ることは無いけど、自由に使えるお金はあって困るものでもないからね

ヒュ〜〜〜〜〜〜ボン!

スリーズ砦の方向から花火が上がる

「花火?」

「何かの合図だろうな。命令の変更にしては開始から時間がたってなさ過ぎるし、大方本陣が急襲されたってとこか・・・チャパル湖沼地帯からスタートした俺らがこの位置で、俺らより先にこのルートを抜けた奴らはいねぇ。予め兵を伏せておいたのか・・・姉上、そんな卑怯な方法を使ってまで・・・」

ガウル様の表情が険しくなる

卑怯な方法・・・領主を辞めるから自棄になってるとは思えないしな・・・





「今回の戦に道義はねぇ。命令だから砦は攻めるが、まぁ適当にやるとすっか」

「そうですね」

平原から山間部に入った私達一行、レオ閣下のことから大戦のことに思考を切り替えたガウル様がそう言い、ベールが返す

「ゴドウィン、お前も悪かったな、つまんねぇ役回りさせちまう」

「なんのぉ、こうして殿下のお供をできるなら、何の文句もございません」

「そうかい」

ゴドウィン将軍は砦攻めより野戦が得意なので、ガウル様が砦攻めに参加させたことを謝る
確かに野戦が得意ならチャパル湖沼地帯で戦ってたほうが大量にポイント取れるもんね

「ガウ様。先遣隊の報告によると、スリーズ砦にミルヒ姫様はいらっしゃらないとのこと」

「おう、それなら安心して砦を落とせるな」

え?姫様が後方の本陣にいないって、じゃあどこに・・・
まさか前線・・・?

「大戦をサボってたなんて言われちゃ俺達の面目も立たねぇ。それなりに派手に、程ほどに気合入れていくぜ!」





スリーズ砦を視界に捉えた辺り

「ゴドウィン、左翼防御陣だ。ノワ、右翼防御陣を頼む」

「「了解」」

「ベールと弓隊は後方から、俺とジョーヌは正面だ」

「「了解」」

ガウル様が指示を出していく

「あれ?私は・・・?」

「いつもどおりだ。射撃位置を確保して支援射撃。隊長格狙ってしっかり稼げ!」

「はい!」





「右翼防御陣切り崩し完了」

スリーズ砦攻略戦、私は崖になっている右側に向かい、ノワールが担当の右翼防御陣を切り崩し後に射撃場所として陣取る

「お〜いい眺め」

崖の上からは砦前に戦いが全て見える

ガウル様が輝力を解放して竜巻を起こして敵兵を吹き飛ばし、その風に乗ったジョーヌが上空から落ちる勢いを利用して大斧を振り下ろしてさらに敵兵を吹き飛ばす。兵だけじゃなくセルクルも獣玉になっている・・・

ゴドウィン将軍は紋章術を使用して鉄球を巨大化させて叩き落す・・・あれ獣玉になろうが潰れて死んじゃうんじゃないかなぁ・・・?

ベールは弓隊と共に輝力を込めた矢を放ち、敵の弓兵を獣玉に変えていく

「さて私も・・・ん?」

砦前の攻防に注目してると、砦の上のほうから1匹のセルクルと数人のメイドさんが乗った板がせり出してくる

「あれは・・・ハーランとリコ」

「あそこからセルクルでどうするの?」

「ハーランは飛翔種だから飛べる。前線に行くんだと思う」

狙いたいけど周りのメイドさん達弓矢持ってるしな・・・

「ねぇノワール、周りのメイドさんも参加者なの?」

「うん、近衛メイド隊。ルージュと同じような隊」

「なら打ったら即位置バレしてこっち狙ってくるよね・・・」

ノワールの情報を聞き、私は打つか迷う
その間にハーランは輝力を受けて羽を広げ、飛び出した

「ま、ベールに任せよっかな」

砦前に視線を移すとベールが紋章をレベル2にして待ち構えていた
こっちの弓隊が矢を放ち、メイドさん達がそれを矢で打ち落としている

「矢で矢を落とすって凄いね・・・」

「メイド隊は戦にはあまり出ないから目立たないけど、戦闘の腕は親衛隊並みだから」

「姫様の1番近くで守る最後の砦ってことか・・・」

いつも笑顔を絶やさない優しいメイドさんの裏の顔を見た気がした

「お、ベールが打つ・・・」

ベールが紋章砲を放つ
彼女の輝力の色の緑のビームが一直線にハーランとハーランに乗っている人に向かう

「紋章砲って綺麗だよね・・・受けたくは無いけど」

「うん」

ベールの紋章砲はハーランを避けてハーランに乗っている人の服を破いた

「ま、あそこからあの格好で落ちたら痛そうだもんね・・・ベール?!」

「やられた・・・」

射られたほうに気を取られていると弓隊の場所で爆発が起き、ベールが下着姿になった

「大きいなぁ・・・」

「ミサ?」

何が、とは聞かないでね

「さて敵討ちといきますか」

私は銃を構えて輝力を込める。今回は物理弾の輝力式発射だ

打ったら、メイドさん達の集中砲火か・・・とっとと逃げよ

バァン

私はベールを倒したと思われる城門付近の兵に向かって打つ

「逃げるよ」

「うん」

そして命中確認もせず私とノワールは紋章を起動、身体強化をしてダッシュで逃げる
チラッと後ろを見ると輝力の込められた矢が多数飛んで来ているのが見える

「死ぬ死ぬ!マジ死ぬって?!」

セルクルを待たせているところまで走り、セルクルに飛び乗って走らせる

ドドドドドドドーーーン

崖の端のほうから刺さった矢が爆発していく

メイドさん恐ろしすぎ・・・

「ハァ・・・ハァ・・・何とか逃げ切った」

「うん・・・ん?」

「ノワール?どうしたの?」

ノワールが何かに気付いたような反応をして、私は声をかける

「あれ・・・」

「雲・・・?」

ノワールが指すほうを見ると一部だけ変に厚い雲がかかっているところがあった

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