小説『DOG DAYS 勇者って私女の子なんですけど・・・』
作者:rockless()

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「それでも私はっ!ガウル様にとって、帰ってほしい存在なんですかっ?!!」

私はガウル様に向かって叫ぶように問う

「邪魔で、頼りなくて、迷惑な存在なんですか?!!私は・・・」

つぅ・・・っと私の頬を涙が伝う

「私は、帰れないことなんかより、そう思われてることが、1番・・・悲しいです・・・」

そして再びガウル様に背を向け、湖に入っていく

「ガウル様がお望みなら私は、この世界から消えます・・・たとえ元の世界に帰れなくても・・・“この世界からいなくなること”は、できるんですから・・・」

「なっ!バカヤロッ!!」

バシャバシャバシャ

私の言葉から、ガウル様が私のやろうとしていることに気付き、湖に入ってくる
私は気にせずさらに湖に入っていく・・・

「バカ!止まれ!」

「放して下さい!私は、いらない存在なんでしょ?!」

腕を掴まれ、私は振りほどこうとしながら叫ぶ

「いい加減にしろ!!」

「?!」

ガウル様に怒鳴られ、私は動きを止めた

「誰が邪魔だって、迷惑だって、いらないって言った?!確かに少し頼りねぇとは思ってるけど・・・帰ってほしいって誰が言った?!」

そう真剣な表情で言う

「帰ってほしくねぇよ!正直帰せないと聞いて少し喜んじまったよ!あそこにミサがいなかったらミサと同じ反応してたか、むしろ嬉し涙流してたかもしんねぇよ!俺は!!」

ガウル様はそこで言葉を切って私を抱き寄せた

「俺は・・・ミサに傍にいてほしいんだ・・・これからもずっと・・・」





〜ガウルside〜

「俺は・・・ミサに傍にいてほしいんだ・・・これからもずっと・・・」

胸くらいまで水に浸かりながら、ミサを抱きしめて言う
水が冷たい分ミサの体温がより感じれる・・・じゃなくて!

い、言ってしまった・・・勢いって怖ぇ・・・だっていきなり自殺しようとするし・・・自分をいらない存在だとか言うし・・・今までミサは元の世界に帰りたいのだと思っていた・・・最初に帰れないと告げたときに掴みかかってくるぐらいだったから・・・あぁ・・・答え聞くのが怖ぇ・・・

「ガ、ガウル様・・・それは、どういう意味で・・・?(///)」

腕の中のミサが頬を赤くしてそう聞く

それを言わせるのかよ・・・

「そ・・・」

「傍にいるだけなら・・・今までどおり、王子と親衛隊員という関係で・・・これからも傍にいます」

俺がどういうつもりで言ったかを伝えようとすると、ミサが先に話しだす

「ですが、もし別の意味があって、別の“より身近な関係”を望むのなら・・・」

そこで言葉を止め、ミサが腕の中から出て行き・・・

「ごめんなさい・・・今の私には、同情で言われているとしか受け取れません。なので・・・お断りします」

ハッキリと拒絶の言葉を口にした





〜ミサside〜

「「「断ったぁ?!ガウ様のプロポーズを?!」」」

「シー!夜中だから、みんな寝てるんだから・・・」

ミルヒオーレ姫様のライブが終わり、明日遠征戦終わりのパレードがあるのでグラナ砦に泊まる団長や将軍、紋章持ちの騎士達や小隊長以上の士官達。もちろんガウル様やレオ閣下もこの砦に泊まっている

私はジェノワーズと同じ部屋で湖での出来事を包み隠さず言う
ジェノワーズは私が帰還の条件に合わなかったことをエルマールさんから聞いていて、私に気を使っていたが、私がガウル様にプロポーズめいたことを言われて、それを断ったと聞くと夜中なのに声を上げて驚いた。王族からのプロポーズだけでも大事なのにそれを断ったのだから尚更のことだろう

「それに、プロポーズだったかどうか・・・傍にいてほしいって言われただけだし・・・」

「ん〜確かに、ガウ様やしなぁ・・・」

「単純に傍にいてほしかったというのも・・・」

「否定できない」

ジェノワーズはうーんっと頭を抱えたり、腕を組んだりして悩む
ガウル様は13歳、中身も歳相応で王族だから恋愛経験も無し、プロポーズとは考えにくい・・・

「そんで?なんて言って断ったんや?」

「王子と親衛隊員としてなら傍にいますが、それ以外の、恋人としてとかプロポーズとしての意味でなら、今は同情にしか聞こえないからお断りしますって・・・」

「同情?本当にそれだけが理由なの?」

ジョーヌの質問に対する私の回答にノワールがそう聞いてくる

「みんなを裏切ってるような気が少ししたけど・・・それよりも覚悟、かな?」

「覚悟?」

「うん、今日のレオ閣下の領主としての覚悟・・・あんな覚悟は私には無い。だからたとえガウル様の言葉が同情なんかじゃなく、本気の言葉ても・・・私には受けられない。レオ閣下はいつか、ガウル様に領主の座をお譲りになる」

「え?でもみんなで説得してレオ様も領主続けるって仰ってたやん」

「それはたぶん、今回のことで辞めることはしないということだと思う。ガウル様が大人になったらやっぱり領主の座はガウル様に・・・そしてそのとき何の覚悟も無い私が王妃になっても・・・ガウル様の支えどころか負担になるだけで、だから・・・」

あぁ、言っててなんか暗くなってきた・・・

「はぁ〜・・・王家に入る覚悟ってどうやったら身につくのかな・・・?」

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