小説『DOG DAYS 勇者って私女の子なんですけど・・・』
作者:rockless()

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次の日、送還を行う祭壇にはイズミ君とミルヒオーレ姫様しか行けないので、ガレットの面々は城でお別れをする

「お主には世話になったの、今度来るときはガレットにも来るとよい。歓迎するぞ」

「はい、閣下」

レオ閣下とイズミ君が握手をして言葉を交わす

「じゃあなシンク。今度来たときこそ決着つけてやるからな」

「もちろん!」

ガウ様とは握手の代わりに拳をぶつけ合っている

「今川さんも元気でね」

「うん、イズミ君もね」

私とも握手を交わし、ジェノワーズや他の人達とも握手をしながら別れの言葉を交わす
そしてイズミ君は親衛隊長と2人でミルヒオーレ姫様がいる祭壇に向かっていった





少しして、ピンクの光が一筋、空に煌めいて消えた

「帰ったな・・・」

「ですね・・・」

その光を私はガウ様とお城を抜け出して、祭壇のある空中島の付近の空中島から2人で寄り添って見ていた

「さて、城に戻るか」

「あ・・・」

「ん?」

ガウ様が城に戻ろうと、ここまで来るのに一緒に乗ってきたガウ様のセルクルのところに向かおうとする
私はそれをガウ様の服の裾を掴んで止める

「も、もう少し・・・ここに、2人でいませんか・・・?お城だと、あまりこうしていられませんし・・・」

私がガウ様のプロポーズを受け入れたことはまだ誰も知らない
リコにはそうなりたいという希望しか言ってないし、レオ閣下にはいつもどおりに戻ったと言っただけ、ジェノワーズにもまだ言っていないので全く誰も知らないのだ
まだ公表してないし人目につくところでこうしていたらスキャンダルものだろう

それから少しの間、私とガウ様はその場で2人きりの時間を満喫した

寄り添って言葉を交わすだけ、ただそれだけで、特に何かしてたわけでも、内容のある話をしてたわけでもないのに楽しかった

「さて、流石にもう戻らねぇとな・・・」

ガウ様がそう言って立ち上がり、私に手を差し出す

「そうですね」

私もそれに同意してガウ様の手を取って立ち上がろうとして・・・少し悪戯心に火がついた

「えいっ」

ガウ様の手をグイッと引っ張って前傾姿勢にさせる
それによって下がったガウ様の頭に、私は狙いをつけて目を瞑り・・・

チュ・・・

ガウ様の唇に自分のそれをくっつけた・・・
命中、と心の中でガッツポーズをする

数秒して唇を離して目を開ける

「なっ・・・あっ・・・(///)」

「ごちそうさまでした」

真っ赤になっているガウ様に茶目っ気を出して言い、先にセルクルのほうへ駆け出す
たぶん私の顔も真っ赤だろう

「ガウ様ー!置いてきますよー!」

一緒に乗ってきたガウ様のセルクルに乗って呼びかける
本来、誰かの専用とされているセルクルは、その人以外の人が乗って手綱を持つと嫌がるものだが、今私が手綱を持ってもガウ様のセルクルは嫌がらないでいた・・・信頼されているのかな?それとも空気を読んでくれたのかな?

「ちょっ?!待て待てっ!!それに乗らねぇと俺は歩いて帰らにゃならんだろ!」

ガウ様が慌ててセルクルの私の後ろのところに飛び乗った

「ったく・・・コイツは俺のセルクルだぞ・・・」

呆れるようにそう言ってガウ様が私の後ろからセルクルの手綱を持った
普通は2人乗りのときは前の人だけが手綱を持つが、私がまだ経験が浅いし、このセルクルがガウ様のだからだろう
私の背中にガウ様が体を密着させてきて私の頭の右隣から前を見ている。腕や足同士も少し触れ合っている

さっきの仕返しなのかな?こんなに密着して、まるで抱かれてるようじゃない・・・?

そう思うと途端に胸がドキドキしだす・・・

「この状態で帰ると間違いなくバレますよ・・・?」

「だろうな、嫌か?」

私の指摘にガウ様は気にせず返す

「いいえ、ガウ様が望むなら」

これから大変そうだなぁ・・・

私はそう言ってガウ様に少し体を預けた

ガウ様、あなたの傍で私、こんなドキドキしています・・・

そう背中越しに伝えるかのように・・・





翌日、『ガウル王子&ガレットの勇者ミサ熱愛か?!』の見出しでこのときの写真が国営や民間の新聞各紙の一面に載ったとさ・・・

お終い?

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